多彩な音作りが可能なチャンネルストリップ

真空管回路ならではの暖かい質感を持つ
dbx「676」

真空管回路ならではの暖かい質感を持つ dbx「676」

2016/10/11


dbx「676」 ¥196,000


 

【製品概要】

「676」は、プリアンプ部に「12AU7A / ECC82」という真空管が採用された、dbxのチャンネルストリップの最新モデルだ。フロントパネルには左からマイクプリ、EQ、コンプが並び、これ1台で多彩な音作りをすることができる。ボーカルやアコギなどに、中域にパンチのある、真空管ならではのふくよかな質感を加えたい時に最適だ。

チェッカー:原 朋信(エンジニア)

  電源を入れると、硬質なブラックボディに3色のLEDとVUメーターのランプが光り、ルックス的にはかなりのイケメンな本機です。今回は、ボーカルとアコギのマイク録音と、ベースのライン録音で、本機のマイクプリ、EQ、コンプのサウンドをチェックしてみました。
 まずマイクプリ部の音質は、dbxらしい「硬いけれど耳に痛くない音」というのが第一印象です。芯があり、明瞭な存在感と押し出し感がある音なのですが、不快に感じる成分がありません。楽器や歌の原音を損なわずに、“ガツン”という質感で録れました。 また、「POST TUBE ATTENUATION」というツマミで、真空管のサチュレーション感を調整することができます。ゲインを上げてこのツマミを下げると、“硬くてガツン”だった音が、“熱くてガツン”に変わる感じです。
 EQ部はハイとローに加えて、周波数を設定できるミッドの3バンドタイプです。ハイを上げると歌やアコギの倍音成分とエアー感が気持ち良く出ます。ローもボワつかず、クリアに低域を持ち上げてくれますし、ミッドもコントロールの幅が広く、とても使いやすいです。
 コンプ部は、多くのスタジオやライブハウスで使われているdbxの十八番と言ってもいい部分で、さすがに安定感は抜群です。ツマミがたくさんあるので、それだけ様々な音が作り込めます。コンプの使い方に慣れた人にとっては、思った通りの設定にすれば、そのまま思った通りの音にしてくれるという信頼感を感じることでしょう。
 アナログ機材で音を作り込んで録音してみたいという方から、アナログの音作りに慣れた方まで、本機は真空管アウトボードの醍醐味を味わえるモデルです。

1.真空管マイクプリのゲインを上げて歪み成分を付加すると当然音量も上がり、その後のコンプの操作に支障が生じるが、このPOST TUBE ATTENUATIONツマミを調整することで適切な音量を保つことができる。ギターアンプのマスターボリュームのような役割だ。

2.ギターやベースなどを直接入力することができるインスト入力を装備している。例えば、本機をベース用プリアンプとして使えば、マイクプリ、EQ、コンプを駆使して思い通りに音作りができる。

3.コンプ部のパラメーターにはスレッショルド、アタック、レシオ、リリースが用意されており、あらゆる場面に対応可能だ。

 

【SPEC】

●周波数特性:マイクイン=20Hz〜50kHz/インストイン=30Hz〜70kHz ●真空管:12AU7A/ECC82 ●入出力端子:インストイン、プリアンプ(マイクイン/XLR、インサート/フォーン、ラインアウト/XLR、フォーン)、コンプレッサー(サイドチェインインサート/フォーン、ラインアウト/XLR、フォーン) ●外形寸法:89(H)×483(W)×203(D)mm ●重量:3.7kg


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