あのビートたけし「浅草キッド」はカセットMTRから生まれた!
多重録音の歴史と共に歩んだミュージシャン「グレート義太夫」インタビュー
多重録音の歴史と共に歩んだミュージシャン「グレート義太夫」インタビュー
2017/10/06
──あの印象的なイントロは吉川忠英さんだったんですか。もともとデモの段階でイントロのフレーズは出来てたんですか。
いえ、全く違います。もっと簡単なイントロだったんです。だからビクターから曲が帰って来たときは、目の玉飛び出るぐらいびっくりしました。
──東京に帰られてから作ったデモテープは、何で作られたんですか。
"TEAC144"です。※当時カセットMTRはTEACブランドで販売されていた。
──懐かしいですね。4トラックのカセットMTR(マルチトラック・レコーダー)ですよね。
※ここでティアック加茂氏が箱を持ってくる。
えっ、あるんですか"144"!
──(ティアック加茂)ごめんなさい。今回持ってきたのは"144"ではなく後継機の"244"を持ってきました。
うわぁ〜懐かしい!うわぁ〜(義太夫氏、大興奮)4トラックですよ!
──(ティアック加茂)持ってきましたよ〜。ただね、社内に残ってるのは電源は入るんですけど残念ながら動かないんですよ。
もう何年前になります?
──(ティアック加茂)"144"が79年なんですよ。で82年に"244"ですので35年前ですね。
※義太夫氏、とにかくボタンを押しまくる
"144"は当時、足立区バンドのバンマスだった南さんからリハスタにあった"144"を持ってっていいよって言われて部屋で使ってたんですけど、やっぱり機能的な限界を感じたんですね。で、"244"をたけしさんが買ってくれたんですよ。
──(ティアック加茂)えっ、そうなんですか!?たけしさんが"244"を!
うわぁ〜懐かしいなぁ〜!※義太夫氏、また"244"を触りまくる
もう使い方覚えてないですね。でも当時"多重録音"って鳥肌立つほど感動しましたよね。最初。
──最初にデモテープというものを作られたのは2トラックだったんですか。
そうですね。カセットレコーダー2台ぐらい使って、こっちで録って、それを流しながらギター弾いてあっちで録るみたいなことを大学時代はやってました。
──ラジカセとかのレベルですか?
そうです。まだライン録りじゃなかったですね。だから録音するときはみんなに静かにしてねって。するとバイクが通ったりとか。お母ちゃんが「何やってるの」とかね。
──もう既に多重録音はされてたんですね。
番最初にたけしさんのところへ持って行った「バラード」はそんな感じで作った曲です。
▲Teac 144
──そのあと"144"を手に入れるわけですね。
そうです、で、これで作ろうと思って。最初モノですよね。ドラム入れて、ベース入れて。その頃はまだMIDIとかも無かったですから、全部自分で弾いて。
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