ユニバーサル・オーディオ DSPプラグインシステム UAD-2

5種類のプラグインを追加したUADソフトウェア Ver.9.3が登場!

5種類のプラグインを追加したUADソフトウェア Ver.9.3が登場!

2017/10/15


ハードウェア側のDSPで処理を行なうことで、パソコンのCPUに負荷をかけることなく高品質なプラグインが多数使える人気のプラグインシステム、ユニバーサル・オーディオ「UAD-2」。そのソフトウェアが先頃バージョンアップを行ない、最新のVer.9.3で5 種類のプラグインが新たに追加されました。それぞれの性能と魅力を早速チェックしていきましょう。

文:目黒真二
写真:小貝和夫

蘇る往年のディレイサウンド KORG SDD-3000 Digital Delay $199.00

U2のエッジが愛用し、その独特な空間系バッキングスタイルを彩っていたディレイ「コルグSDD-3000」が、Unison対応で登場しました。クリアで暖かみのあるディレイサウンドはもちろん、ディレイ音をミュートしたドライ音も非常に太く、まるで「プリアンプ」に通したかのようです。インプットレベルを上げ気味にするとギュッとコシのある、まさに80年代当時のギターサウンドを再現してくれます。フィードバックがとても柔らかく、かと言ってローファイではなく、耳に心地よいトーンで響くので、ギター以外の楽器にもかけたくなります。また、オリジナルの実機では配線を変えて設定していたディレイ音のルーティングが、ワンクリックで簡単に変更できるので、広がりや奥行きを手軽に変えられます。

泣く子も黙るメタル系ギターアンプ ENGL Savage 120 Guitar Amplifier $149.00

このプラグインの実機は、メタル系ギタリストに大人気のギターアンプで、プラグイン化された本製品も、リッチな倍音を含んだ豪快なトーンが魅力です。実機はもともと、カリッとしたクリーンから芯のあるクランチ、そして図太いリードなど多彩なトーンが特徴でしたが、このプラグインではノイズゲートや入力段でのトーンが調整され、さらにディレイや、キャビネット/マイク/プリアンプを選択できる「レコーディングチェイン」など、レコーディングに使うことを前提とした機能が備わっています。 同社のDSP内蔵オーディオインターフェイスApolloシリーズのUnisonテクノロジー(※)を利用したかけ録りにも使えますし、モニターだけにかけて、後でじっくりキャビネットやマイクを変更するという使い方もしてみたくなります。

※Unisonテクノロジー=プリアンプなどにおいて重要な、インピーダンスやゲイン、アナログ回路のふるまいなどを忠実にエミュレートし、Apolloシリーズのマイク/Hi-Zインプット回路を制御する技術。なお、今回のVer9.3ですべてのENGL80 ギターアンプがUnisonに対応した

空間処理で音の存在感を出せるリバーブ AMS RMX16 Expanded $349.00

このリバーブの特徴は、まずそのウェットなサウンドに味わいがあり、自然で音楽的なことが挙げられます。かかってほしいところだけをググッとつかむように、ピンポイントで余韻が付くので、ボーカルやストリングスに滑らかさを足すのにピッタリです。 また、アンビ系の残響をドラムにかけて立体感を出したり、ビートの裏拍にリバースリバーブを薄くかけてビート感を強調したり、さらにはトラック全体にかけて曲の雰囲気を少し派手な印象に仕上げる、といったこともできます。

このExpandedバージョンでは、ロングディレイやルーム/リバースのバリエーション、Nonlin(ノンリニア)など新たなプログラムが追加されているので、トラックにインサートして個性的な音を作るのにも使ってみたいですね。

新たな表現力を加える新しい概念のパンナー Dytronics Cyclosonic Panner $149.00

これはパンニングを自動操作する「パンナー」と呼ばれるエフェクトです。これまでのパンナーはフワフワと定位が揺れるようなものが一般的でしたが、本機は前後左右の立体的な動きによって曲のダイナミクスを強調できる、超個性派のプラグインです。 パンの動きは、「片側からもう片側へ素早く抜ける」、「奥へゆったりと行ってから手前に抜ける」、「手前に来てから左右に抜ける」などの効果が得られます。使い方としては、曲中のブレイクで一瞬ギミック的に挿入してメリハリを付けたり、モノラルのシンプルなギターリフにステレオのきを付けたり、ギターやキーボードのアルペジオにかけて広がりを与えるなど、様々な活用法が考えられます。また、曲のテンポと同期させれば立体感とスピード感が出て、一層盛り上がるはずです。

細かい音質補正が可能なEQ Sonnox Oxford Dynamic EQ $249.00

従来の「マルチバンドコンプ」は周波数帯域をきっちりと分割してコンプをかけるというものでしたが、このDynamicEQは、パラメトリックEQのバンドごとにダイナミクス(コンプ)をかけるというもので、帯域間の位相のズレがなく、また隣接した周波数にもダイナミクスをかけられるというメリットがあります。

主な使い方としては、ボーカルのレベルオーバーを抑えたり、2ミックスからスネアだけを前に出すなどの調整の他に、サイドチェインと併用して複数のトラック間の近い周波数帯の干渉を避けて、音同士を整理するという使い方もできます。

ミックス用とマスタリング用に別のプリセットが用意されているので、初めて使う人も安心です。


問:(株)フックアップ
TEL:03-6240-1213
http://www.hookup.co.jp

この記事の画像一覧

(全5枚) 大きなサイズで見る。

関連する記事

PAGE TOP