モニタリングからリスニングまでオールマイティに使える
原音再生に優れた密閉型ヘッドホン
AKG「K182」レビュー
原音再生に優れた密閉型ヘッドホン AKG「K182」レビュー
2016/04/09
AKG「K182」
オープンプライス(¥12,000前後)
【製品概要】
K182は、50mmの大型ドライバを採用し、10Hz〜28kHzという幅広い周波数帯域を持っている密閉型のヘッドホンだ。原音の再生能力に優れており、様々なジャンルの音楽制作に対応することができる。また、耳全体をすっぽりと覆ってくれる合皮製のイヤーパッドにより、遮音性が非常に高いのも特徴だ。
チェッカー:堀 豊(エンジニア)
今回は、現在筆者がミックスをしている曲や2ミックス素材で本機の音質を試聴し、さらに携帯音楽プレーヤーに挿して屋外でもチェックをしてみました。
イヤーパッドは厚みがあるタイプなのですが、耳全体を覆ってくれてズレにくいうえに圧迫感を感じません。ハウジング部分が上下左右に動かせるため、自分の頭の形に合わせてしっかりフィットさせることができます。重量も255gと軽く、前述の装着感と合わせて長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。
さて、肝心の音質についてですが、立体感があり、各楽器の定位もわかりやすくて、ミックスなどで使うのに最適な高解像度な音という印象を受けました。低域については200〜400Hzあたりの音域がくっきり前に出てくる印象で、ベースラインをしっかり感じることができます。高域についても原音に忠実で、「作られた感じ」がなく、ハイエンドまで自然に伸びていきます。アコースティック楽器のルームアンビエント感やリバーブの高域の残響感も、しっかりと再生してくれました。また、EQやコンプをイジった時の音質の変化も明瞭に再生してくれます。
本機は定位感もしっかりしていて、特にセンターにいるボーカルの帯域が他のパートに埋もれることなく、クリアに再生されます。この特性は本機を携帯音楽プレーヤーにつないで野外で聴いた際も変わることがなく、移動中の周囲の雑音が多い中でも、歌をしっかりと感じることができました。
本機はコンパクトに折り畳めて持ち運びもしやすいですし、携帯音楽プレイヤーでのリスニングから宅録でのモニタリング用まで、目的を選ばずオールマイティに使えるヘッドホンです。
1.ハウジング部には大口径の50mmドライバを搭載。原音の迫力をそのまま忠実にモニタリングすることが可能だ。
2.本体はこのようにコンパクトに折り畳めるために持ち運びがしやすく、外出先で携帯音楽プレーヤーやスマホなどで音楽を聴く際にも便利だ。
3.付属のストレートケーブルは取り外すことが可能で、オプションのカールコードと使い分けたり、断線した時には新品と交換することができる。
【SPEC】
●形式:密閉型 ●ドライバ:50mm ●感度(1kHz):97dB SPL/mW ●再生周波数帯域:10Hz〜28kHz ●インピーダンス:32Ω ●最大許容入力:500mW ●ケーブル:着脱式(片出し) ●プラグ:ステレオミニ(金メッキ) ●重量:255g(ケーブル除く) ●付属品:ストレートケーブル(約3m)、標準プラグアダプター、 キャリングポーチ
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