アナログ/デジタル 2つの音源を搭載

【徹底レビュー】Roland「JD-XA」(演奏性/操作性/サウンドの3拍子が揃ったシンセの決定版)

【徹底レビュー】Roland「JD-XA」(演奏性/操作性/サウンドの3拍子が揃ったシンセの決定版)

2015/10/20


  • 製品概要

「JD-XA」は、同社が新たに開発したアナログシンセと、同社の人気シンセ音源「INTEGRA-7」などでおなじみのSuperNATURALシンセ音源によるデジタルシンセを両方搭載している話題の製品だ。アナログとデジタルは共に4パートを搭載しており、両方の音をブレンドさせたり、デジタルサウンドをアナログフィルターで加工するなど、自由度の高いエディットを可能にしている。また、豊富なエフェクトと扱いやすいパターンシーケンサーを内蔵。マイク入力を使えばボコーダーはもちろん、カットオフなどのパラメーターを音声でコントロールできる。あらゆるニーズに応えてくれるシンセファン必携の1台だ。
 

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価格:オープンプライス(¥270,000前後)
問:ローランド㈱お客様相談センター
TEL:050-3101-2555


 

レビュー


上部の青いボタンの点灯でパート/パーシャル(音色の要素)を選び、その下のボタンでパートのオン/オフが確認できる。同時押しで複数の音色をまとめて選べるので、音色全体の調整も容易だ

演奏をしながら操作することの多いコントローラーはピッチベンド近辺に集約されており、演奏中にも直感的に操作できる。本体設定や音色の書き込みボタンなどもパネルの左に配置している

内蔵エフェクトのオン/オフの設定や、リバーブなどの空間系エフェクトのレベル調整がパネル上ですぐにできるのもポイントだ

 シンセファンの間で話題騒然のJDXAですが、今回はキーボード/シンセとしての操作性を中心に試奏をしました。

 ライブでシンセを使う場合、いかに操作したいツマミにパッと触れられるかが重要です。本機はフレーズに合わせて調整したいポルタメントやディレイタイムをツマミでいつでもイジることができ、他機種にはない優れた操作性を持っています。また、トランスポーズやオクターブシフトもボタン一発でできるので、呼び出した音色のオクターブが合わない時や、「ちょっと半音下げたい」という時にもすぐに対応することができます。筆者が特に気に入ったのがミュートボタンで、これを使えばステージ上でうっかり余計な操作子に触って関係のない音を鳴らす、というミスを確実に防げます。

 音作りでは、「今、どんな音が重なっているのか」、「パネルで操作しているのはどの音なのか」などの確認や音色の切り換えを、点灯するボタンでスムーズにできるのも特徴です。ツマミやスライダーの機能的なレイアウトと相まって、実際にストレスなく音作りが進められました。他にも、ピッチベンドがレバーとホイールの二刀流になっていて、奏法や好みで使い分けられる点もユニークです。ホイールに何をアサインするかもショートカットで瞬時に設定できるので、例えばフィルターのカットオフを割り当てて音をウニウニと変化させることも簡単です。

 多機能でパラメーター数が多いのにも関わらず、必要なところに直感的にアクセスできるデザインは本当に秀逸です。見た目のハデさに目を奪われがちですが、本機は実際に触ってこそ、本来の真価がわかるシンセだと思います。
 

チェッカー:平沢栄司(ライター)

SPEC

・鍵盤:49鍵
・最大同時発音数:アナログパート=4音、デジタルパート=64音
・エフェクト:マルチエフェクト=8系統(67種類)、パートEQ=8系統、トータルエフェク=2系統(29種類)、ディレイ、リバーブ(6種類)、マスターEQ、マイクインプット・リバー(8種類)
・パターンシーケンサー:トラック数=16
・アルペジオ:プリセットパターン=64
・入出力端子:ヘッドホン(ステレオ標準)、メインアウト(L/MONO、R)アナログ・ドライアウト、クリックアウト、マイクイン(XLR/TRSコンボ)、フットペダル、CV/GATEアウト、MIDIイン/アウト、USB、USBメモリ端子
・外形寸法:899(W)×388(D)×111(H)mm
・重量:6.5kg



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