各モデルの音を比較試聴できる
1台目に最適なオーディオインターフェイス選び
1台目に最適な オーディオインターフェイス選び
2020/03/15
これからDTMを始める人にとって、まず揃えるべき機材が「オーディオインターフェイス」です。オーディオインターフェイスは、パソコンで録音・再生する際の音質を決定付ける機材と言っても過言ではありません。そこでこの特集では、ビギナーにも比較的手に取りやすい価格帯の製品をいくつかピックアップし、ギタリストの野村大輔氏に、それぞれの性能や使い勝手をチェックしてもらいました。製品選びの参考にしてみてください。
取材:本多理人、三田芳春(編集部) 写真:小貝和夫
試奏方法
野村:今回はギターとボーカルのレコーディングを行ないながら、各機種の性能をチェックしてみました。モニタースピーカーは僕が普段使っているティアックS300(同軸タイプ)で、これとソニーのヘッドホンMDR-CD900STでサウンドチェックを行なっています。ボーカル録音でのコンデンサーマイクは、ロードのNT1を使用しました。
ギタリスト 野村大輔(ノムラ ダイスケ)
東京都出身。エレキギターとアコギの両方を得意としており、ボーカルの良さを引き出し、曲に溶け込むようなギターアレンジが武器。現在、自身のYouTubeチャンネルにて、楽器の練習用バッキングトラック「MusicJamTracks」を多数公開中。ギター、ベース、ピアノ、ドラムなど、すべてのマイナスワン楽曲が用意されている。
ボーカリスト mica(ミカ)
シンガーソングライターとしてライブ活動やCD制作をしている。1枚1曲収録CD全5曲、枚数限定リリースを企画し、1st single「だからね」発売中。その他アーティストサポートや、CM曲のレコーディングなど、自身の音楽を活かした活動もしている。
ベリンガーUMC204HD U-PHORIA(¥13,000)
2イン/4アウトのUSBオーディオインターフェイス。Hi-Z入力に対応したXLR/フォーン端子を採用し、超低レイテンシーでの録音ができる。入力段に2系統の高品位MIDAS設計マイクプリを搭載し、全入力にファンタム電源を供給可能。外部エフェクターがつなげられるインサート端子を装備し、A/Bモニタリング切り替えスイッチも搭載。
【SPEC】●接続方式:USB 2.0 ●入力数:2 ●出力数:4 ●インサート入力:2 ●メイン出力:2 ●再生出力:4 ●ヘッドホン出力:1 ●MIDIイン/アウト ●AD/DA変換:最高24ビット/192kHz ●電源:USBバスパワー ●外形寸法:185(W)×46.45(H)×130(D)mm ●重量:600g ●対応OS:Windows XP/Mac OS X以降
ハイスペックを実現した機能満載のオーディオインターフェイス
見た目の第一印象はメカっぽさがあって、オーディオインターフェイスには昔からよくあるタイプのデザインなんですけど、筐体はゴージャスかつリッチな感じで、高級感がありますね。
インプットの音質については、高域がギラギラと出てくる印象があって、派手さがあります。若いミュージシャンの方は、こういう音が好きなのではないでしょうか。ローがスッキリした音楽に向いていると思います。アウトプットのサウンドの印象も同じでした。
例えば、エレクトロミュージックやシンセをバリバリに使うジャンルなど、そういうデジタル系の音楽をこれで制作すると、すごくポップに聴こえて、作品的にもまとまりが良くなると思います。
ローが暴れることもないですし、音の解像度も高かったです。サンプリングレートを最高192kHzまで上げることができるので、このグレードとしては最高峰ですね。後でEQ処理をすると、音がさらにいい感じになります。
操作性も良くて、パッと見で何がどこに付いているかがすぐにわかります。演奏のモニター音量とDAWからの再生音量のバランスは、ミックスツマミで調整する仕様になっていて、とても調整しやすかったです。モニターアウトのA/B切り替えがあるのもかなり便利ですね。ただ、ツマミ同士の間隔が狭いので、隣のツマミに指が当たってしまうことが時折あって、手がすごく大きい人だと、もしかしたら不便に思うかもしれません。ですが、スペックは驚くほど整っていますから、宅録を始める最初の1台としてはピッタリだと思います。1万円台のオーディオインターフェイスを手に入れたいという人にはオススメです。
(左写真)モニターアウトは、フロントのスイッチからAかBのソース選択が行なえるため、複数のモニターの切り替えや、DJのキューにも使用することができる。(右写真)インプットそれぞれにPADスイッチを搭載している。これは入力レベルを下げるためのもので、過大な入力信号が入ってしまう時に押すと音割れが防げる
UMC204HD U-PHONIAには非常にたくさんの機能が備わっているので、大抵の作業に対応できそうですね。歌っている時の印象は、サウンドがスッと通り抜けていく感じで、再生した音も同じ印象でした。
EVOオーディオEVO4(オープンプライス/¥14,000前後)
おしゃれなルックスと音質の良さを兼ね備えたニュータイプ
今回試奏した中で、この「EVO4」(イーヴォ・フォー)だけが見た目がまったく違っていて、オーディオインターフェイスとしては非常に珍しい形状をしています。一見すると、オーディオインターフェイスらしくなくオシャレで、最近のオーディオインターフェイスはデザイン性も重要なんだなと思いました。
オーディエントが手掛けた新ブランドということで、音質に期待しつつボーカルを録ってみたところ、やはり録り音がかなり良かったんですよ。特に中域がしっかり録れていて、歌の「プ」とか「パ」っていう破裂音がしっかりと出てきてくれるんです。ギターを録ってみると、高域の「ジャリン」という成分が出てくるので、中高域がリッチに録れました。これなら高いクオリティでレコーディングができますね。
同様にアウトプットの音質も良かったです。モニターアウトとヘッドホンアウトに音質の相違がないので、録音したテイクのチェックがしやすかったです。よく考えて作られていますね。ダイナミックレンジも、この価格を考えるととても広くて、コストパフォーマンスに優れているモデルだと思いました。
あと注目してほしいのが、左手前にある緑色のボタンです。これは「スマートゲイン・ボタン」という、自動でゲインを設定してくれる機能で、素早くレコーディングに取り掛かることができます。ゲイン設定って意外と難しかったりするので、初心者にはありがたい機能ですね。
操作性も難しい点は特になくて、モニターや出力ゲインをボタンで切り替えて、ノブで調整するだけです。これだけの性能を持ちながらこの価格帯というのは、メチャクチャ安いと思います。
(左写真)左手前に用意されている「スマートゲイン・ボタン」。このボタンを押して、演奏を少し行なうだけで、自動的に入力レベルのゲインを設定してくれる優れものだ。(右写真)右側にはモニター音量や入力ゲインを切り替えるためのボタンが用意されている。操作したい機能のボタンを押して、中央の大きなノブでコントロールする。
デザインがいいですよね。家に置いておいても違和感がなさそう。カラーバリエーションがあったらうれしいですね(笑)。音も良くて低域がカットされたりしないし、中音域がしっかり出ていて歌いやすいです。
スタインバーグUR22C(オープンプライス/¥18,000前後)
2イン/2アウトのオーディオインターフェイス。最大32ビット整数/192kHzでの録音と再生を実現し、アナログ信号をより高い分解能でデジタル信号に変換することで、サウンドのディテールをさらに正確に再生できるようになった。また、USB3.0での接続に対応。より多くの電源を供給できるようになり、動作の安定性が飛躍的に向上した。
【SPEC】●接続方式:USB Type-C ●AD/DA:最高32ビット/192kHz ●入力数:2 ●出力数:2 ●ヘッドホン出力:1 ●MIDI入出力 ●電源:USB 3.0バスパワー、USB Type-Cバスパワー、External USB 5V ACアダプター(別売) ●外形寸法:159(W)×47(H)×159(D)mm ●重量:1kg ●対応OS:macOS Sierra以降、Windows 7/8.1/10、iOS 10/11/12/13
演奏をそのままキャプチャーできる色付けのないサウンド
僕はスタインバーグ製品に対しては昔からクセがないというイメージを持っていて、この「UR22C」もすごくフラットなサウンドでした。どこかの帯域が出過ぎていたり、欠けているような印象もなくて、過不足なく録れますね。スタインバーグならではの安定感を感じました。
ボーカルとギターの録音でインプットの音質をチェックしてみると、キャラクター的には普通なのでビックリするようなことはなかったですけど、演奏されている音をそのままリアルにちゃんとキャプチャーしてくれます。
アウトプットも同じ印象でしたね。インとアウトで音質に変化がないのは本当にありがたいんですよ。わかりやすくて作業がしやすい。色付けがなくて、ヘンなクセや変化がないのもいいですね。
それと低域から高域までのバランスが良くて、ミックスがしやすかったです。音が暴れないので後処理がしやすいんですよ。高音質ではあるけど音が暴れまくってしまう製品もあるので、そういう場合、適切な処理ができるスキルを持っていないと作業が大変になってしまうんです。その点、UR22Cは音がまとまってくれるので、ビギナーにとってはすごく扱いやすいと思います。まさに1台目にピッタリですね。
サウンド的にはすごく手堅いイメージなので、ボーカルレコーディングはもちろん、ナレーション録りやセリフ録りにもいいんじゃないかと思います。
フロントパネルの周囲に少し出っぱりがあるので、それが影になってパラメーターが見えづらいのかと思いきや、アウトプットツマミの周囲のLEDが白く光ってくれたりと、視覚的にはわかりやすかったです。
(左写真)パソコンとの接続はUSB Type-Cで、USB3.0とUSB2.0の両方に対応している。USB3.0で接続すると、より安定性の高い状態で作業できる。(右写真)右側のアウトプットツマミはモニター音量をコントロールするためのもの。以前のモデルよりサイズが大きくなり、周囲のLEDが光るため視認性が良くなった。
音はニュートラルで、特に気になるクセはありませんでした。ローが出過ぎなくて、少し爽やかな印象です。CUBASEの簡易版が付属されているから、すぐにDTMを始められるというのもうれしいですね。
MOTU M4(¥27,800)
2イン/4アウトのUSBオーディオインターフェイス。ピュアオーディオ機器に採用されるESS Sabre32 Ultra DACテクノロジーを搭載し、メイン出力では120dBのダイナミックレンジを実現。また、プロ向けのヘッドホンアンプにも匹敵するヘッドホン出力も備えている。ウルトラクリーンなプリアンプにより、脚色のない明瞭な収録が可能だ。
【SPEC】●接続方式:USB-C(USB Type Aと互換) ●AD/DA:192 kHz ●入力数:4(+ループバック×2) ●出力数:4 ●MIDIイン/アウト ●ヘッドホン出力:1●電源:USBバスパワー ●外形寸法:209.55(W)×108(D)×45(H) mm ●重量:0.75 kg ●対応OS:macOS 10.11以降、Windows 7以降
音質と操作性の両面で優れているコスパの高い1台
僕は以前からずっとMOTUのオーディオインターフェイスを使っていたので、最新モデルのM4はどんなものだろうと気になっていたんですね。で、使ってみた第一印象は期待以上でした。出音が非常に安定していますね。
まず感じたのが、録り音の周波数特性が低域から高域まで緩やかに伸びていて、レンジがとにかく広いんです。ダイナミクスに関しては、「バン!」と出てくる感じではないんですけど、ナチュラルに広がっていくようなワイド感やステレオ感がありました。このサウンドの傾向は、歌でもギターでも同じでしたね。
アウトプットの音質も良かったですし、ヘッドホンアウトからも同じ印象で聴こえました。とにかく音の伸びが非常にいいですね。決して高域がギラギラしているわけではなく、自然に減衰していくような感じがあるんです。
本機は操作性も良くて、パネルのツマミ操作がやりやすいんですよ。レイアウトがゴチャっとしていなくて、ツマミ同士の間隔が十分に取られているので、指を当てた時に他のツマミに当たらないんです。それと、ツマミの周囲に細かいギザギザが入っているので、そっとつまんだだけでも引っ掛かりが良くて、ほんの少し動かした感じもよくわかります。
あと、モニターディスプレイのLED表示がわかりやすいですね。大きなカラーのインジケーターで入力と出力のレベルを示してくれるので、ゲイン調整とかもやりやすかったです。
これだけの性能を備えていると、値段がもっと高いのかと思っていたんですけど、実際の価格を聞いてビックリしました。筐体もガッシリしていますし、本当によく出来ています。
(左写真)ツマミの指を当てる部分は細かくギザギザの凹凸が掘られており、非常に滑りにくく、軽いタッチで細かいコントロールができるようになっている。(右写真)前面のディスプレイにはインプットとアウトプットそれぞれのレベルが、カラーのインジケーターで表示される。レベルが適正かどうかチェックしやすい。
歌っている時のイメージとギャップなく録れていたのが良かったです。「うまく歌えたな」と思ったら、実際そのように録れているので不安なく歌えました。余計な色付けもなかったです。見た目もとてもいいですね。
アポジーONE(¥33,000)
スタジオクオリティの入出力を備えたUSBオーディオインターフェイス/マイク。同社の洗練されたAD/DA変換により、音楽制作やポッドキャストはもちろん、リスニング用のハイクオリティなヘッドホンアンプとしても使える。搭載された2chのマイクプリは、0〜62dBまでクリックのないシームレスなゲイン調整を可能としている。
【SPEC】●接続方式:USB ●AD/DA:24ビット/96kHz ●入力数:2 ●出力数:2●電源:USBバスパワー ●外形寸法:162(D)×58(W)×22(H)mm ●重量:150g ●対応OS:Mac OS 10.7.5-10.14、Windows10、オプションでiOS6-13に対応
コンデンサーマイクを内蔵し、手軽に高音質のレコーディングが可能
Webで本機の写真を見た時、かなり小型の製品かなと思ったんですけど、実物は意外と大きかったです。見た目はボイスレコーダーみたいですけど、テレビのリモコンくらいのサイズですね。
実はこの製品だけは試奏方法をちょっと変えていて、ロードNT1ではなく、本機の内蔵コンデンサーマイクで歌を録音してみました。ギターは付属のブレイクアウト・ケーブルを経由させてライン録りをしています。
内蔵マイクで録ったサウンドの印象は、とても良かったです。見た目の印象から、「ICレコーダーみたいなシャリシャリ感があるのかな?」という先入観があったんですけど、そんなことはまったくなくて、本格的なコンデンサーマイクとして使用できます。これがあれば宅録だけでなく、外に持ち出して何かを録るのもラクですね。ツアー先や出先とか、学校の部室でレコーディングをしたい時とかにも便利そうです。
録り音のレンジ感は普通ですけど、ローまでちゃんと録れていますし高音質です。単体のコンデンサーマイクとの違いは、ひょっとしてアカペラで聴いたらわかるかもしれないですけど、オケと混ぜたらわからないレベルですね。ギターを録ってみても、アポジーならではのサウンドクオリティで録れました。アポジーの上位機種の音をしっかり引き継いでいるなという感じです。
ちなみにアウトプットは、ヘッドホンアウトとモニターアウトを兼ねたミニジャックが装備されているのですが、ヘッドホンとスピーカーで再生した時の印象に若干の差があります。なので、録音後は両方でチェックしてみるといいと思います。
(左写真)中央の大きなノブを押し込むことで、コントロールする機能が切り替わり、ノブを回すことでパラメーターを適宜調整するというシンプルな操作方法だ。(右写真)アウトプットはステレオ・ミニジャックを搭載しており、ヘッドホンアウトとしてもモニターアウトとしても機能する。イヤホンを接続して録音することも可能だ。
見た目的に操作が難しそうに見えないデザインなので、取っ付きやすいですね。あと、インターフェイスって結構重いものが多いですけど、これは持った感じがすごく軽くて、持ち運びしやすいのもいいですね。
IKマルチメディアAXE I/O(オープンプライス/¥45,000前後)
ギタリストのために開発されたオーディオインターフェイス。最高24ビット/192kHzの録音・再生に対応しており、入出力は2イン/5アウト。求める音質やギターのピックアップの種類に応じて最適なモードを選択でき、さらに入力インピーダンスを自由に調整できる。同社のAmpliTube 4 DeluxeやエイブルトンLive 10 Liteを同梱している。
【SPEC】●接続方式:USB ●AD/DA:最高24ビット/192kHz ●入力数:2 ●出力数:5 ●電源:DCパワーサプライ ●外形寸法:238(W)× 211(D) ×53(H) mm ●重量:1.3 kg ●対応OS:macOS 10.11 以降(64ビット)、Windows 7 以降(64ビット)
ギターのキャラをツマミひとつで変えられる、ギタリストに最適なモデル
本機はインプットの音質がかなりフラットなので、高域から低域までバランス良く録れます。どこかの帯域がズバ抜けて出るわけではなく、フルフラットと言うか、全体的にバランス良く録りたい人にピッタリなんじゃないでしょうか。
歌を録ってみると少し整ったような感じがして、軽くコンプをかけたような、扱いやすい音で録れます。ですので、後処理があまり必要ないですね。ボーカル録りはもちろん、ナレーションやセリフ録り、最近だとYouTubeの撮影時の録音にも合いそうです。
それと、本機はギター録音に最適化されているのも特徴です。入力インピーダンスを変えるツマミがあって、回してみるとサウンドに違いが出るんですよ。インピーダンスを変えると音のハリ具合が変わります。僕なら高域までパツッと張る感じにしたいのか、元気な感じを少し抑えたいのかっていう用途で使います。
今回は主にフラットの位置でギターを録ったんですけど、ちょっとキャラを変えたい時に、わざわざギターを交換しなくても、ツマミひとつで変更できるのがありがたいです。ギター自体を変えるとキャラがガラッと変わってしまうので、そこまで変えたくない時にはちょうどいいです。エフェクターのような極端な変わり方ではないですけど、ちょっとカラーが変えられるという感じです。
アウトプットの音質もインプットと同じくフラットでした。高域も低域もよく伸びています。ヘンにデコボコしていないからミックスがしやすいんじゃないでしょうか。ヘッドホンアウトの方は、モニターアウトと比べると少し低域が少なくなる印象でしたけど、中域から高域にかけては聴きやすかったですね。
(左写真)入力インピーダンスをコントロールすることが可能なZ-TONEツマミを搭載。SHARPからBOLDまで、ギターサウンドの印象を調整することができる。(右写真)付属のアンプソフトAmpliTubeシリーズのプリセットを切り替えることができるPRESETツマミや、手軽にチューニングを確認できるチューナーも搭載。
モニターサウンドがすごいクリーンな印象で、整えられた感じで聴こえました。雑な感じにならないのが好印象ですね。極端に高域が出るわけでも低域が出るわけでもなく、とても歌いやすかったです。
ユニバーサル・オーディオArrow(オープンプライス/¥58,000前後)
コンパクトな筐体にUnison対応プリアンプを2系統 、ヘッドホンアウトとモニターアウトをそれぞれ1系統ずつ搭載した、Thunderbolt 3対応のオーディオインターフェイス。パソコンからのバス電源で動作する。また、人気のUADプラグインを多数含む「Realtime Analog Classics Plug-in」が付属し、録音やミックスにすぐに活用できる。
【SPEC】●接続方式:Thunderbolt 3 (USB-Cポート経由) ●AD/DA:最高24ビット/192kHz ●入力数:2 ●出力数:2 ●電源:バスパワー ●外形寸法: 179.9(W)×25.2(H/前面)/ 46.7(H/背面)×121.1(D)mm ●重量:630g ●対応OS:Windows 10 Fall Creators Update(64ビットエディション)、macOS Sierra、High Sierra、Mojave
インプットとアウトプットのサウンドがズバ抜けて高音質な1台
今回のラインナップでは、このArrowは最も高価格な製品なので、「価格が性能的な違いにどれくらい影響するんだろう?」と思っていたんですけど、実際に使ってみたらズバ抜けて良かったです。
まずインプットの音質は、ローミッドがしっかりしています。歌を録ってみると、声が出る瞬間の「パン!」と弾ける感じとか、小さなブレスまでしっかりと拾えました。サウンドの密度が濃いという印象を受けましたね。例えば、幅広いダイナミックレンジを歌えるボーカリストであれば、そのポテンシャルを余すことなくダイレクトに録れると思います。
モニターアウトとヘッドホンアウトの音質も良くて、どちらを聴いても同じ印象でしたね。あと、レイテンシーは全然感じなかったです。
操作性の面では、たくさんのツマミが搭載されているわけでもなく、右側の大きなダイヤル1個をプッシュすることで様々なパラメーターをコントロールできます。1回押すとマイクのレベル調整、2回押すとヘッドホンのレベル調整、3回押すとモニターアウトのレベル調整ができるんですけど、それを覚えてしまえば相当スムーズに作業ができると思います。使い勝手も抜群でした。
それと、マイク録りをしていて思ったんですけど、ヒスノイズがほとんどないんです。すごくクリアに聴こえます。一般的な低価格帯のオーディオインターフェイスだと、ヘンな帯域の高音のノイズが乗ったりするんですけど、そういうのがまったくなくて超ローノイズでしたね。ArrowはUADプラグインとセットで使うことで、さらに威力を発揮すると思うので、ビギナーの方にもぜひそういう使い方をしてみてほしいです。
(左写真)右側にある大きなノブ1つで色々なパラメーターを操作することができる。どのパラメーターを操作しているかをLEDで示してくれるのもわかりやすい。(右写真)接続方式はThunderbolt3(USB-Cポート)を採用。これによりバスパワーでも十分な電力を確保でき、内蔵DSPをフルに活用することができる。
モニターの返しがすごく歌いやすかったです。声を張るところで音量が突然大きくなってしまうとか、優しく歌うところで極端に小さくなってしまうということがないので、安心して歌うことができました。
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