自宅でのラインレコーディングにも対応!

ギター録音をより高音質かつ快適に行なえる話題のギターアンプをレビュー!

ギター録音をより高音質かつ快適に行なえる話題のギターアンプをレビュー!

2020/03/15


楽器店の店頭で注目を集めているギターアンプを、プロギタリストの栗原 務氏に徹底チェックしてもらいました。

文:栗原 務(ライター/ギタリスト)

※本コンテンツは音楽雑誌「サウンド・デザイナー」(2020年3月号)より抜粋したものです。
詳しくは、サウンド・デザイナー公式サイトをご覧ください。

 


ヌケのいい米国サウンドから密度の高い英国サウンドまで1台で幅広い音作りが可能

ブラックスター
Silverline Standard

¥56,000
問:問:㈱コルグお客様相談窓口
TEL:0570-666-569
https://www.blackstaramps.com/jp
 


 

「Silverline Standard」は、プリアンプだけでなく、パワーアンプが出音にもたらす影響までをもコントロールすることにより、リアルなチューブサウンドが鳴らせるモデリングアンプです。

何より素晴らしいのはそのサウンドの作り込みです。クリーンからドライブサウンドまで用意された6つのアンプモデルをベースに、ISFツマミによりヌケのいいアメリカンサウンドから密度の高いブリティッシュサウンドまで、シームレスにコントロールが可能。さらに、パワーアンプ部のチューブの違いによるレスポンスオプションを備えており、パワーアンプ部での歪みや倍音の変化、音圧といった要素までも再現することができます。このおかげで、フェンダー系の艶やかなクリーントーン&クランチから、マーシャル系の箱鳴りを感じさせるようなドライブサウンド、さらにはモダンなハイゲインなど、あらゆるサウンドを作ることができました。

キャビネットにはセレッション製のスピーカーが搭載されており、その出音はパワフルです。また、USBオーディオインターフェイス機能も搭載しているので、ライン録音をする際にも重宝します。
 


真空管「Nutube」を搭載し、レスポンスのいい弾き心地が楽しめるチューブアンプ

VOX
VOX Cambridge50

¥33,000
問:㈱コルグお客様相談窓口
TEL:0570-666-569
http://www.voxamps.com/
 


 

この「VOX Cambridge50」は、新世代の真空管「Nutube」を搭載し、アナログなパーツとデジタルアンプモデリング・テクノロジーを合体させることによって生まれたハイブリッドアンプです。
搭載された11種類のアンプモデルは、フェンダー系のクリーンからマーシャル系のドライブ、ソルダーノやメサブギーRectifierなどのハイゲイン、そしてもちろんVOX AC30TBといった名だたる名機のサウンドを網羅しています。

サウンドはどれも秀逸で、クリーンやクランチでの真空管ならではのコンプレッションやレスポンスがギタリスト心を刺激します。特にハイゲインサウンドが気持ち良く、ディレイやリバーブ、モジュレーションといったエフェクトも搭載されているため、簡単に奥行きのあるリードトーンを作ることができました。
スピーカーにセレッション製の12インチタイプがマウントされていることも特筆すべき点で、50Wの出力も相まって音圧感も十分に感じることができます。

また、USB端子とヘッドホンアウトからはスピーカーシミュレーターを通したサウンドが鳴らせるので、レコーディングで手軽に使える点も便利です。
 


ギターとワイヤレスで接続できる高音質&多機能なギターアンプ

ヤマハ
THR30Ⅱ Wireless

オープンプライス(¥54,000前後)
問:㈱ヤマハミュージックジャパンお客様コミュニケーションセンター ギター・ドラムご相談窓口
TEL:0570-056-808
https://jp.yamaha.com/guitar
 


 

「THR30Ⅱ Wireless」は、デスクに置いても違和感のないコンパクトなサイズでありながら、驚くほど音がいいのが特徴です。その音質は、キャビネットのサイズやスピーカーの口径といった物理的な限界を楽々と超えています。

搭載された21種類のアンプモデルは、クリーン、クランチ、リード、ハイゲイン、スペシャル、フラット、アコースティック、ベースの8つにカテゴライズされています。それぞれがクラシック、ブティック、モダンの3つのアンプモードに分かれているため音作りもわかりやすく、すぐにイメージしているサウンドが作れました。

クリーンはアメリカンな艶やかなものからジャジーなものまで揃っており、クランチやリード、ハイゲインといったドライブ系のサウンドも極上! どれもが即戦力のクオリティを有しています。
特徴的な機能が、本体にワイヤレスレシーバーを内蔵している点です。ライン6のワイヤレスシステム「Relay G10T」(別売り)と組み合わせて、アンプとギターをワイヤレスで接続できます。これにより、常にギタリストを悩ませるシールドの取り回しの煩わしさからも解放されます。

さらに、Bluetoothでスマホと連携できる点も便利です。専用アプリの「THR Remote」を使えば、音作りを簡単に行なうことができるのはもちろん、スマホ内のサウンドファイルを鳴らしながらジャムセッションをするといったことが気軽に楽しめます。本体にはステレオスピーカーが搭載されていて、ギターだけでなく、楽曲のサウンドファイルもクリアに再生されます。

ラインアウトやUSB端子を使ってライン録音も試してみましたが、本機の質の高いサウンドをダイレクトに録ることができました。充電式のバッテリーが搭載されていて、電源がない場所で演奏できるなど、ライブでも重宝しそうです。
 

チェッカーのプロフィール

 

プロギタリスト/音楽ライター。Lu7、EUROX、E.G.Q.といったバンドで活動する他に、多くのゲームミュージックを手掛ける音楽制作会社「CRYSTA」の代表取締役としての顔も持つ。また、ギターエフェクターの開発にも携わっている。
 

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