曲のコード解析やバーチャルバンド機能を搭載!

ポジティブ・グリッドの多機能ギターアンプ「Spark」をギタリストの黒沢ダイスケがレビュー!

ポジティブ・グリッドの多機能ギターアンプ「Spark」をギタリストの黒沢ダイスケがレビュー!

2020/02/15



 

「Spark」は、最新のテクノロジーとシンプルなお手軽さを兼ね揃えた、「こういう機能があったら便利だろうな」というギタリストの希望が形になったステレオ仕様のコンパクトなギターアンプです。TVアニメ『おそ松さん』OP曲を手掛けていることで有名なギタリストの黒沢ダイスケさんに、このSparkを試してもらいました。

文:黒沢ダイスケ

※本コンテンツは音楽雑誌「サウンド・デザイナー」(2020年2月号)より抜粋したものです。
詳しくは、サウンド・デザイナー公式サイトをご覧ください。

 


曲のコード解析やバーチャルバンド機能に加え、リスニング用としても優秀な近未来型アンプ

ポジティブグリッド
Spark

¥33,000(2020年3月発売予定)
問:㈱メディア・インテグレーションMI事業部
TEL:03-3477-1493
https://www.minet.jp/
 

まず「Spark」の概要から解説すると、まずはそのままギターを接続して電源を入れれば、すぐに40Wのギターアンプとして使うことができます。ツマミもギタリストにはおなじみの構成です。

そして、ここからが本領発揮と言える部分です。まずスマホ専用アプリの「Spark」からBluetooth接続をすることで様々な機能が使えるようになります。アプリ側でアンプのモデルを選んだり、アンプやエフェクトのパラメーターを変更できるというのは今や当然の機能ですが、本機最大の特徴として、YouTubeやApple Music、Spotifyと連携して好きな楽曲を検索・再生できます。

もっと驚きなのが「オートコード」という機能で、目的の楽曲をネット上から選ぶとその楽曲の解析が始まり、コード進行を割り出してくれます。さらにリズムも割り出してくれるので、コード譜がリズム通りにスクロールして、今弾くべきコードをコードダイアグラム入りで表示してくれます。テンポを遅くしたり、一定の部分をループ再生させたりもできるので、何となく思いついた曲を弾いたり、ギターの練習をする用途にも最適です。

その他にも便利な機能はたくさんあるのですが、本機を鳴らした時の率直な感想は、シンプルに「音がいい」ということです。アンプのモデリングやエフェクトのクオリティが高いのはもちろんなのですが、それ以前にアプリ経由で検索した楽曲を鳴らした時に、非常に深みのある気持ちいい音を鳴らしてくれました。バスレフポートを備えた2発のスピーカーにより、低域から高域までフルレンジの豊かなサウンドを持っているので、リスニング用としても使えます。

なお、USB端子を搭載し、パソコンのオーディオインターフェイスとして使うこともできるので、DAWソフトを使った作曲やレコーディング時にも使えます。
Sparkは高級感のあるレザー調の仕上げも含め、まさにギタリストの求める要素が集結した製品と言えるでしょう。
 

パネルの左側には、基本的な7つのサウンドが選べるダイヤルが付いており、本体だけでも音作りが楽しめる

パネルの右側にあるボタンは、ユーザープリセットを4つまでメモリしたり、デジタルチューナーの役割も果たす
 

スマートジャムには、あらかじめ多彩なジャンルのバッキングパターンが用意されているだけでなく、ユーザーがギターを弾くと、そのプレイに合ったバックトラックを自動的に鳴らしてくれるという驚きの機能も有している

 

これがオートコード機能の画面。YouTubeなどで自分の好きな曲を鳴らすと、数十秒でそのコード進行を解析してくれる。また、再生位置をスクロールするコード譜と共に、その右上にコードダイアグラムも表示される
 

この製品について

【製品概要】
「Spark」は、BIAS Mini Guitarなどでギタリストにはおなじみのポジティブ・グリッドが開発した、スピーカーを2基搭載したギターアンプだ。BIAS譲りの高音質を誇っており、有名どころのアンプモデルを網羅。あらかじめ色々なジャンルのバッキングが用意されている「スマートジャム」や、YouTubeなどにアップされている楽曲のコードを解析してくれる「オートコード」、iPhoneのSiriのようにユーザーの声に反応してチューナーを呼び出したりできる「ボイスコマンド」など、ユニークな機能を満載している。

【スペック】
●出力:40W
●内蔵音色:7種類(アコースティック、ベース、クリーン、クラッシー、クランチ、ハイゲイン、メタル。専用アプリ「Spark」を使うと、さらに多くのアンプモデルを選べるうえに、世界中のユーザーが作ったプリセットをToneCroud経由でダウンロード可能) 
●入出力端子:インプット(標準フォーン)、ヘッドホン(ステレオミニ)、AUXイン、USB
●外形寸法:350(W)×180(D)×190(H)mm  
●重量:5.2kg
 

試奏者プロフィール

 

黒沢ダイスケ
(クロサワダイスケ)

1983年生まれのコンポーザー/ギタリスト。ゲーム音楽の作曲家として、2006年から2017年までゲーム会社のKONAMIに所属。音楽ゲームの「BEMANIシリーズ」の楽曲制作の他、TVアニメ『おそ松さん』OP曲をはじめ、多くの人気作品を手掛ける。現在は、フリーの作・編曲家として活躍中。
 

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