ジェネレック|モニタースピーカー|コンパクトSAMシリーズ8330A・8320A

自宅でのアレンジやミックスに自信が付く!モニタースピーカーの選び方

自宅でのアレンジやミックスに自信が付く!モニタースピーカーの選び方

2015/11/26

8330Aを導入した音楽プロデューサーの田中隼人氏に使用感を聞く

8330Aを使い始めたらEQやリバーブをかけ過ぎなくなりました

タナカ ハヤト

YUKI「メランコリニスタ」(編曲)や伊藤由奈「Precious」(作曲)を手掛けたのを皮切りに、FUNK YMONKE Y BABYSやJUJU、May J.など、様々なアーティストへの楽曲提供、アレンジ、プロデュースを行なう。また、ファンキー加藤の作品ではプロデュースの他に、ライブのサポートメンバーとして参加するなど、音楽プロデューサーとして幅広い活動を繰り広げている。

──田中さんは、最近モニタースピーカーを8330Aに買い替えたそうですね?

田中:特にモニタースピーカーを替えようとは考えていなかったんですが、たまたま8330Aを試聴する機会がありまして、音を聴いた途端に「すごくいいな!」という印象を受けたんです。すぐにピンときて、速攻で買い替えました。

──どんなところが良かったのですか?

田中:ひと言で言うと、出音の解像度が高いところです。楽器の音がクッキリと分離して、音がよく見えるんですよ。そうすると、例えばEQで処理する時に、「このへんの周波数かな?」という大雑把な操作じゃなくて、「ここだ!」とピンポイントで音作りができるんです。音作りが短時間で楽にできるんですよ。

──実際に8330Aをスタジオに導入してみた結果はどうでしたか?

田中:正直言うと「僕の今までの作業は何だったんだろう?」というくらい、モニター環境が改善されましたね。それまで出ていないと思っていた周波数が実はきちんと出ていて、逆に今まで耳に付いていたイヤな周波数が実は出ていなかったことがわかって、EQであれこれと調整することが少なくなりました。

──出音の測定と補正には、GLMキットを使うんですよね。

田中:このシステムは本当に簡単で便利ですよね。これまでは吸音材とか防音材を壁に貼って、部屋の響きをチューニングしていたのに、スピーカー自体がその部屋に合わせた響きで鳴ってくれるというのはすごいです。いくら吸音をしても、なかなか完全な部屋って作れないですから、それをスピーカー側で補ってくれるので安心して音作りができます。

──8330Aのサウンドの特徴は、どんなところにありますか?

田中:とにかくヌケが良くて、まとまりがいいですね。音の中の余計な部分が削ぎ落とされたスッキリしたサウンドなんです。低音もわざとらしくなくて、スッキリと出てきます。このサイズでこれだけの低音が鳴れば十分ですね。最初は「大きいスピーカーの方が低音がよく出る」という先入観があったので、もっと大きいサイズにした方がいいかなと思っていたんですが、8330Aを入れてみたらその先入観は間違いだったと思いました。

──8330Aを使い始めたことで、制作面で良い影響はありましたか?

田中:今まで団子になってよく聴こえなかった音がクリアに聴こえるようになったので、EQのブースト/カットの結果がよくわかるようになって、過剰にEQをかけることがなくなりましたね。それまで+4dB上げていたところを、+2dB上げるだけで済むようになったので、全体的に曲がナチュラルな仕上がりに変わりました。パラメーターを変えた時の違いがハッキリと音に出るんですよ。リバーブをかけた時も、きちんと抜けて存在感が出てくるので、かけ過ぎたりすることがなくなりましたね。

──曲作りでのメリットもありますか?

田中:アレンジの時に重ねる音数が減りましたね。これまでは存在感を出すために音をどんどん重ねていたんですけど、8330Aで聴くと、無理に音を重ねなくてもサウンドとして成立するんです。そうやって8330Aで作ったトラックは、外のスタジオで再生してみてもギャップが少ないので、現場で調整し直すことも減りましたね。つまり、完成形を見据えて作業ができるようになったんです。

──なるほど。では、8330Aはどんな人にオススメですか?

田中:クリエイターを目指す人には優れたモニターが必需品だと思いますから、すぐには手が出ない価格かもしれませんが、部屋の響きを自分で調整する手間や時間、費用を考えれば、このシステムを取り入れた方が環境が良くなる可能性が高いと思います。いいプリアンプを買っても、いいモニター環境がなければその良さがわからないですよね? モニター環境の良し悪しで、出来上がる作品のクオリティが違ってくると思います。

──作曲やアレンジの作業もはかどりそうですね。

田中:やっぱり音がいいとモチベーションが上がりますよね。「もっと曲を作ろう!」という気になります。これって音楽を作る人にとっては、すごく重要なことだと思います。今後はハイレゾサウンドを処理する時にも解像度が高いモニターが必須になるので、8330Aのようなモニターが主流になっていくと思いますよ。

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