エンジニアの堀 豊氏がプロの耳で徹底レビュー

ローランドのオーディオインターフェイス「Rubixシリーズ」が3モデル揃い踏み!

ローランドのオーディオインターフェイス「Rubixシリーズ」が3モデル揃い踏み!

2017/10/13


ローランド Rubix

価格
Rubix 22=オープンプライス(¥18,000前後)
Rubix 24=オープンプライス(¥24,000前後)
Rubix 44=オープンプライス(¥35,000前後)

問:ローランド㈱お客様相談センター  
TEL:050-3101-2555
http://roland.cm/astonmics

ローランドならではの音質に対する強いこだわりが3モデルに集約!

これまでにUAシリーズやFAシリーズ、CAPTUREシリーズなど、オーディオインターフェイスのベストセラーモデルを数多くリリースしているローランドが、2017年に満を持して発表したのが「Rubixシリーズ」です。その登場を首を長くして待っていた人も多いでしょう。

最高24ビット/192kHzでの録音と再生に対応しているAD/DAコンバーターと、このシリーズのために新たに開発されたハイクオリティなマイクプリを搭載し、クリアで素直なサウンドを低ノイズで収録することが可能です。
また、フロントの入力端子にはXLRコンボジャックを採用。ファンタム電源にも対応しているので、コンデンサーマイクの接続はもちろん、ダイナミックマイク、ギター、ベース、シンセなど、様々な楽器を接続することができます。

なお、Rubix 24とRubix 44は、何と本体にコンプ/リミッターを装備しており、別途コンプを用意しなくても音量のバラツキを揃えたり、レベルオーバーを防止できるのは特筆ものです。

さらに、USBクラスコンプライアントへの対応により、パソコンでのレコーディングはもちろん、iPadを使ったモバイルレコーディングやインターネット配信まで、様々なシチュエーションに対応しているのもRubixシリーズの強みでしょう。なお、DAWソフトのエイブルトンLive Liteのライセンスが付属されているので、本機を買った日からすぐに音楽制作を始めることができます。
 

センスツマミの上には視認性の高いレベルインジケーターが搭載されており、レベルが大きくなるにしたがって「緑→オレンジ→赤」と点灯する色が変化する。
 

このように、現在の入力レベルの状態がひと目でわかるのはありがたい

SPEC

●接続:USB 2.0 ●最大録音・再生チャンネル数:Rubix22=録音2再生2、Rubix24=録音2再生4、Rubix44=録音4再生4 ●音質:最高24ビット/192kHz ●入出力端子:Rubix22=インプット×2(XLR/TRSコンボ)、アウトプット×2(標準フォーン)、Rubix24=インプット×2(XLR/TRSコンボ)、アウトプット×4(標準フォーン)、Rubix44=インプット×4(XLR/TRSコンボ)、アウトプット×4(標準フォーン) ●その他の端子:MIDIイン/アウト、ヘッドホンアウト、USB、MicroUSB●電源:USBバスパワー/DC 5V(Rubix 22/24)、ACアダプター(Rubix 44) ●外形寸法:Rubix22=145(W)×46(H)×165(D)mm、Rubix24=183(W)×46(H)×165(D)mm、Rubix44=310(W)×46(H)×165(D)mm ●重量:Rubix22=1.0kg、Rubix24=1.2kg、Rubix44=1.8kg

 

Rubix 24の実力をエンジニア堀 豊氏がチェック

ローランド Rubix 24

 

本体にコンプを搭載している、初心者に親切な使いやすいモデル

明るいサウンドが印象的で、マイクで録った音もクリアですし、ギターを直接接続してラインで録った音も、この価格とは思えない十分なクオリティだと思います。しっかりと帯域が把握できて、ロー感もありますし、ヘンにドンシャリだとかいうクセもないので、宅録の初心者でも使いやすいでしょうね。しかも、ミックスの際も、ちゃんと音の立体感や奥行きが感じられるので、エフェクトの効き具合なども確認しやすいと思います。

初心者向けという点では、コンプ/リミッターが搭載されているのが大きな特徴ですね。宅録を始めたばかりの頃に一番難しく感じるのが、録音レベルの調整だと思うんです。せっかく録ったのに、レベルオーバーで音が割れていたという失敗をしがちなので、そういう時にコンプ/リミッターをオンにしておくことでミスを防げるのは素晴らしいと思います。

しかも、歌用(COMP1)/楽器用(COMP2)/リミッター(LIMIT)を切り替えて、フロントパネルのTHRSツマミで調整するだけなので、専門知識も必要ありません。「難しいことを考えずに、とりあえずオンにしておけば間違いない」という手軽さは、初心者のことを本当によく考えていると思いました。それと、家庭用電源を使った時に発生しやすい電源ノイズ対策として、グラウンドリフトスイッチも用意されていたりと、宅録でよく起こるトラブルまでケアしてくれている、本当に親切なモデルですね。

新たに開発された高品位なマイクプリを2基搭載。左側はギターを直接挿せるHi-Z対応で、コンデンサーマイクにファンタム電源を送ることもできる

リアにはコンプ/リミッタースイッチの他に、ループバック、グランドリフト、ヘッドホンでモニターする出力端子を選択するスイッチが装備されている

MIDIイン/アウト端子も用意されており、USB端子を持っていないタイプのシンセなどをMIDIケーブルでつなげば、MIDI信号の送受信が可能だ
 

試奏方法

 

 

今回は歌とギブソンのアコギJ-45(②)を、アースワークスSR-20(③)というコンデンサーマイクで録音して、エレキはミュージックマンAXIS(①)を各モデルのHi-Z端子に直接接続して、プリソーナスStudio One 3.5に録音してチェックしました。

歌とギター以外に、自分でミックスした音源、さらにいつもリファレンス音源として使っているルーマーの「デンジャラス」とミューズの「アップライジング」という2曲をRCF MYTHO 6(④)というモニタースピーカーで再生して音質をチェックしました。それと、各モデルのヘッドホン端子にヤマハHPH-MT220(⑤)をつないでモニター音の試聴もしています。

特に注目したのは、ローエンドの重心の低さ、ハイエンドのリバーブの広がり感、そして歌のミッドの張り出し感の3点です。さらに、定位感や位相の正確さも確認しました。

試奏者プロフィール

堀豊

エンジニアの堀 豊氏

 

堀 豊 (ホリ ユタカ):レコーディングエンジニア、コンポーザー、アレンジャー、サウンドクリエイターとして、作・編曲からレコーディング、ミックス、マスタリング、そして本誌での製品レビューまで、幅広く手掛けるマルチクリエイター。これまでに数多くのプロアーティストの作品の制作に参加している。
 

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