注目のドラムマシンをプロがレビュー

【秋のイチ押し宅録ギア徹底試奏レポート】アートリアDrumBrute

【秋のイチ押し宅録ギア徹底試奏レポート】アートリアDrumBrute

2017/11/17


LiveTrak L-12

アナログサウンドの心地良さと操作性に優れたシーケンサーが融合

アートリア
DrumBrute

¥70,000
㈱コルグお客様相談窓口
TEL:0570-666-569
http://www.korg.com/jp/

試奏・文:堀 豊(エンジニア、プログラマー)
写真:小貝和夫

※本コンテンツは音楽雑誌「サウンド・デザイナー」(2017年11月号)より抜粋したものです。詳しくは、http://www.sounddesigner.jp/をご覧ください。


「DrumBrute」は、アナログサウンドの心地良さと、シーケンサーの使いやすさを融合させたドラムマシンです。

まずは、フルアナログの音源部分からチェックをしていきます。12個のパッドにはスネアや2種類のキック音色などが用意されており、「Rim/Claves」パッドと「Maracas/Tamb」パッドは兼用のチャンネルとなっています。各パートはピッチやディケイの設定次第で、ウネって粘るような低音から、乾いて歯切れのいい音まで、非常に幅広い音作りが可能です。パートごとに用意されているパラメーターは異なりますが、例えば「Kick1」には「Impact」というパラメーターがあり、コンプをかけたような迫力のある音にすることができます。

シーケンサーは、1つのパターンにつき最大64ステップまで設定ができます。面白いのは、「1/4、1/8、1/16,1/32」と記されたタッチコントローラーを押さえながらパッドを叩くと、指定した音符分を連続して入力できるという機能です。これにより、4つ打ちのキックや16分のハイハットを素早く入力することができます。このタッチコントローラーは、プレイバック時には指定の音符でリピートされ、スイングとランダマイズもパートごとにかけることができるので、複雑なパターンを作って追い込むことも可能です。

また、同社のアナログシンセではお馴染みの「Steiner-Parkerフィルター」も、マスター出力の最終段に搭載されています。ローパスでのカットオフは、アナログサウンド特有の粘り強い低音がしっかり残ってくれる印象で、ハイパスはキレのある俊敏な変化をしてくれます。

本機は、スタートボタンを押して軽くツマミをイジるだけで、時間が経つのを忘れるほどご機嫌なビートを刻んでくれる、初心者にもオススメの製品です。
 

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⬆︎マスターアウトの最終段には、ローパス/ハイパスの切り替えが可能な同社独自の「Steiner-Parkerフィルター」を装備している。独特の荒々しいサウンドは、即興的なライブプレイに最適だ

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⬆︎本体背面には全パートをまとめて出力するミックスアウト端子(標準フォーン)と、パッドに割り当てた各音色を独立して出力することができる「インディビジュアルアウト(ステレオミニ)」を装備している

【製品概要】
「DrumBrute」は、高品質なシンセで知られる同社が開発した、オールイン・ワンタイプのアナログ・ドラムマシンだ。17種類の完全アナログ音源と、シンプルでわかりやすいユーザーインターフェイス、ソング機能を備えた64ステップ/64パターンのシーケンサー機能などにより、あらゆるタイプのビートを作成することができる。また、すべての機能がメニューや階層を潜ることなくアクセス可能となっているのもうれしい。

 

スペック

●音源:17種類 ●シーケンサー:64ステップ ●入出力端子:MIDIイン/アウト、クロックイン/アウト、インディビデュアル・オーディオアウト、ヘッドホンアウト×2(ステレオミニ、標準フォーン)、USB ●電源:付属アダプター ●外形寸法:418(W)×276(D)×40(H)mm ●重量:2.58kg

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