DTMビギナー必見! 自分に合ったモニタリング機器を探せ!

【注目のスピーカー・ヘッドホン・イヤホンをプロがレビュー】オーディオテクニカ ATH-ADX5000

【注目のスピーカー・ヘッドホン・イヤホンをプロがレビュー】オーディオテクニカ ATH-ADX5000

2018/01/16



 

演奏者のニュアンスから収録に使用した機材の個性までしっかりと再生してくれるオープンエアーモデル

オーディオテクニカ
ATH-ADX5000

オープンプライス(¥238,000前後)
問:㈱オーディオテクニカ
TEL:0120-773-417
https://www.audio-technica.co.jp/atj/sc/ath-adx5000/
 

試聴・文:篠崎恭一(SLOTH MUSIC)

 


オーディオテクニカからオープンエアータイプの新しいヘッドホン「ATH-ADX5000」が登場しました。

まず、届いた箱の大きさに驚きました(下写真参照)。しっかりとした専用のハードケースに収められており、そこからもオーディオテクニカがこのモデルにかける意欲が伝わってきます。専用のケーブルは着脱式で、十分な長さを備えているので、スタジオなどで作業する際にも問題ありません。太さはありますが、柔らかい素材なので、取り回しも非常に楽です。

早速、音をチェックしてみましたが、さすがは老舗ブランドが作り込んだトップエンド・モデルという印象です。レンジが広いのはもちろんのこと、音像が非常に近くに感じられ、驚くほどリアルに各パートが聴き取れます。ハイハットのニュアンスもわかりやすく、スネアの空気感も実に生々しい印象を受けました。また、左右の分離感も良く、微妙なパンの設定もしっかりと表現してくれます。

音の色付けはまったくないと言っていいほどで、演奏者のニュアンスから、収録に使用した機材の個性までもしっかりと再生してくれるのには驚きました。特に中低域から高域の再現性は見事で、ボーカルの質感などは、空間系も含めて忠実に再生してくれます。

見た目は少しゴツい印象もありますが、重さは270gと非常に軽く、左右からの締め付けも軽めなので、長時間使用しても耳や頭部への負担はさほど気にならないレベルでしょう。オープンエアータイプなので音抜けも非常に良く、聴覚への影響も少ないと思います。

ここまで緻密な音を聴くことは、一般的なスピーカーでは不可能だと思うので、オーディオリスニング用としてデザインされてはいますが、新しいモニタリングの選択肢として、本機は十分に戦力になると思います。
 

付属のケーブルは耐久性と取り回しの良さを兼ね備えた絶妙なバランスに仕上がっている。また、全面をメッシュで覆ったオープンタイプのハウジングは、音のこもった感じが一切しない、抜けのいいサウンドを再生できる

専用のハードケースは十分な厚さの緩衝材が入っており、限界まで肉を削ぎ落として軽く仕上げた本体を、しっかりと保護してくれる。ケーブルを収めるスペースもあり、持ち歩く際も便利だ
 

【製品概要】
「ATH-ADX5000」は、58mmのバッフル一体型ドライバの搭載により、音の歪みを極限まで抑制することに成功した、オープンエアー型のヘッドホンだ。音の純度を保持したままレスポンスを向上させる、 超硬素材「タングステン」でコーティングした振動板へ信号を伝送する方式を採用しており、周波数帯域に偏りのない、極めてナチュラルなヌケのいい音を実現している。

【スペック】
●形式:オープンエアー・ダイナミック型 ●再生周波数帯域:5Hz〜50kHz ●出力音圧レベル:100dB/mW ●インピーダンス:420Ω ●ケーブル:着脱式=3m(ストレート) ●重量:270g(ケーブルを含む)
 

「スピーカー」「ヘッドホン」「イヤホン」の特徴

今時の音楽制作では「スピーカー」「ヘッドホン」「イヤホン」をうまく使い分けるのが常識!

打ち込みやレコーディング、ミックスを行なう際に使用するモニタースピーカー、ヘッドホン、イヤホンには、それぞれどんな違いがあるのでしょうか。また、どのようなシチュエーションでどれをチョイスすればいいのでしょうか。自身も3つを使い分けているというエンジニアの篠崎恭一氏にポイントを教えてもらいました。
 

スピーカー、ヘッドホン、イヤホンは、「音を聴くための機器」という意味では共通ですが、同じ楽曲でもどの機器で聴くかによって、サウンドの印象は変わってきます。

一番自然(本来の音)に近いサウンドが得られるのはスピーカーでしょう。音の出口と耳の間に十分な空間があり、空気が振動している普段から聴き慣れた音を再生することができます。プロが楽曲制作やミックスをする際も、基本的にはスピーカーを基準にして音が作られていますし、耳への負担が少ないのが特徴です。その反面、部屋の構造などの環境的な影響を受けやすく、細かいニュアンスや音の輪郭などがボヤけやすい傾向もあるので、それらを考慮して使用する必要があります。

ヘッドホンはスピーカーを直接耳に押し当てているような印象の音質になります。空気感はスピーカーよりもかなり減りますが、外部環境の影響を受けにくく、細かいニュアンスなどがわかりやすいので、エディットの際などに重宝します。しかし、自然な空気感がないので、空間系エフェクトの調節が難しく感じることもあります。

イヤホンに関しては、スピーカーユニットをほぼ耳の中に入れているような状態になります。外部からの影響はほとんど受けず、密閉性も高いため、雑音が多い環境でもしっかりと音を聴くことができます。この特徴を活かして、ステージのモニター用として使用することも多く、最近では自分の耳型を採取してピッタリと形に合わせたものを作ってくれるメーカーもあります。モニターの中では一番シビアに音の判断ができ、細かいニュアンスも手に取るようにわかる反面、自然な響きとはかなり遠く、そのサウンドが味気なく感じる場合もあります。また、ユニットが鼓膜に近い部分に来るので、耳への負担も大きくなります。

しかし、それぞれの特徴を把握して、目的に応じて使い分ければ、より効率良く作業を行なうことができ、充実した制作環境を構築できます。もしまだ持っていないものがあったらぜひ導入して、宅録ライフをもっと充実させましょう。
 

モニタースピーカー
【メリット】 空気を通った自然な音を聴くことができ、耳への負担も少ない。また、ヘッドホンとイヤホンは、右側の音は左耳では聴けず、左側の音は右耳で聴くことができないが、スピーカーは自然な定位感でサウンドをチェックできる。

【デメリット】 周囲の壁や天井、デスクの天板などによる影響を受けやすく、ルームチューニングが必要になる。また、ある程度大きな音が鳴らせる環境でないと使えない。
 

ヘッドホン
【メリット】 プレイの細かいニュアンスやエフェクトのかかり具合が非常にわかりやすく、ミックスで細部の確認をする際に重宝する。また、ボーカルなどのレコーディングでオケを聴く際には必須だ。

【デメリット】
スピーカーのような自然な空気感がなく、リバーブなどの調整がやりにくいケースがある。また、長時間装着していると耳が痛くなったりすることもあり、ケーブルの取り回しが煩わしいのも欠点だ。
 

イヤホン
【メリット】 耳の穴にピッタリとフィットするので遮音性が非常に高く、外からの影響を受けにくい。また、プレイヤーの細かいニュアンスもしっかりと聴き取ることができる。

【デメリット】 耳に直接入れるという構造上、鼓膜にかかる負担が大きい。また、入れている位置が外側にズレると、低域の聴こえ方が変わってしまうので、注意が必要だ。

 

 

この記事の画像一覧

(全6枚) 大きなサイズで見る。

関連する記事

関連する記事

PAGE TOP