いい音で歌が録れる注目セットをレビュー!

【ボーカル録音アイテム大集合】ザイドPC-Me、ザイドREF-1、ザイドMPG-100

【ボーカル録音アイテム大集合】ザイドPC-Me、ザイドREF-1、ザイドMPG-100

2018/03/14


「歌ってみた」に端を発する「歌い手」の活躍や、「nana」の隆盛など、近頃は宅録やバンド活動をしていない人も自分の歌を録音する機会が増えています。そこで、本特集では自宅でも歌をいい音で録ることができる、マイクを中心としたボーカル録音用のセットをチョイスし、音質をチェックしてみました。また、今回のチェックでは、人気の歌い手、TOUYUさんに協力してもらっています。
 

ザイドザイドPC-Me、ザイドREF-1
※写真のショックマウントは付属しません。実際の製品には別の専用ショックマウントが付属します。
ザイド

MPG-100
 


 

宅録初心者でも気軽に扱えるコスパ抜群のコンパクトセット

【マイク】
ザイドPC-Me

¥14,900(一般税込価格)

【リフレクションフィルター】
ザイドREF-1

オープンプライス(¥9,000前後)

【ポップガード】
ザイドMPG-100

¥4,725

問:イースペック㈱
TEL:03-6636-0372
http://e-spec.co.jp

試聴:篠崎恭一(SLOTH MUSIC)


ルックスがポップで、すべてのアイテムのサイズが標準的なモデルよりも、ひと回り小さいですね。宅録で使う機材は、デザインが無機質でゴツイものが多くて、初心者の方には敷居が高く感じると思うんですけど、このセットなら「今日から宅録を始めてみたい」という人でも気軽に扱えます。価格も非常に安いですし、オシャレさと性能がちょうどいいバランスになっていると思いました。

「PC-Me」の録り音は、重心がやや低いところにあるのが特徴で、歌い手のニュアンスをうまく再現してくれます。EQで5~8kHzくらいを少しブーストしてみたところ、歌がさらにいい感じに仕上がりました。オーディオインターフェイスを選ばない素直な特性なのですが、パワフルなシンガーが声を張って過大レベルまで突っ込むような録り方よりも、ポップスやアコースティック系のボーカルの方が、このマイクの性能をより発揮できると思います。

独特の丸みがあるリフレクションフィルター「REF-1」は圧迫感がなくて軽いので、セッティングがしやすいですね。他の製品と比べると少し面積が少ないので、顔を近づけて録った方が、良い効果が得られます。ポップガードの「MPG-100」は金属製で、こちらもとても軽いので、好みの位置にスムーズに設置できます。デスク周りに常にセッティングしておいて、何かイメージが浮かんだ時にサッと録れる、誰でも気軽に扱えるセットだと思います。
 

TOUYU'S VOICE

 

すごくキレイにまとまっていて、安心できる音で録れるという印象です。周波数で言うと、ローがハイを包み込むような感じで、落ち着いたサウンドという印象ですが、引っ込んでしまうわけではありません。そのせいか、ボーカルとバックトラックを合わせて聴くと、ものすごく馴染んでいるのがわかります。ミックスしやすい音ですね。特に中低域が中心となる声にピッタリで、生楽器中心のジャンルやバラードとかに合うと思います。

※今回録音したTOUYUさんのテイクは以下で試聴できます。
http://www.sounddesigner.jp/index18_03.shtml
 

製品概要

【PC-Me製品概要】
「PC-Me」は、小型のボディと本格的なサウンドを併せ持ったコンデンサーマイクだ。トランスレス回路を採用し、ストレートでガッツのある音色で収音することができる。単一指向性でボーカルはもちろん、アンプやドラム、ピアノ、管楽器などの幅広い用途に対応可能。また、定在ノイズ対策に有効なローカットスイッチを搭載している。

【PC-Meスペック】
●指向性:単一指向性 ●最大入力SPL:135 dB(@ 1kHz≦1% T.H.D) ●感度:−35dB±2dB ●周波数特性:20Hz〜20kHz ●出力インピーダンス:200Ω @30% ●外形寸法:長さ=152mm/直径=44mm   ●重量:330g

REF-1製品概要】
滑らかなアルミ製アール曲面と、厚みのある独自のウェーブカットデザインのスポンジにより、宅録で発生しがちなアンビエンスノイズを吸収・低減することができるリフレクションフィルター。寸法は300(W)×200(H)×100(D)mmで、重量は380g。


MPG-100製品概要】
楕円形の金属ネットを備えたポップガード。自由に曲げられるフレキシブルアームにより、口とマイクの間に素早くセットできる。丸洗いできるので、常に清潔に保つことが可能だ。寸法は158(W)× 112(H)mmで、アームの長さは300mm、重量は170g。
 

試聴者プロフィール

 

篠崎恭一 [シノザキ キョウイチ/エンジニア]
サウンドクリエイターやトラックメイカー、レコーディングエンジニア、PAエンジニアとして幅広く活動する傍ら、DAWの豊富な知識を活かし、GRANRODEO、IDOL M@STER、長渕 剛などのマニピュレーターとしても活動。なお、専門学校で後進の指導にも力を入れている。

TOUYU

 

TOUYU [トウユ/歌い手]
2009年に、動画共有サイトに自身で歌唱した動画を初投稿。高音から低音までを幅広く駆使した歌声と、 変幻自在の卓越した表現力を武器に、これまで投稿した歌唱動画、また派生動画の総再生回数は5千万回を超える。3月21日にボカロ・カバーアルバム『セカンドハート』の発売が決定した。
 

今回の試聴環境

今回の製品試聴は、エンジニアの篠崎氏が普段使っているSLOTH STUDIOで行ないました。マイク以外にリフレクションフィルターの性能も検証するため、レコーディングブースではなく、あえて響きのある部屋にそれぞれのセットを設置し、TOUYUさんが歌ってレコーディングした音源を再生して音質をチェックしました。なお、オーディオインターフェイス、リフレクションフィルター、ポップガードのないセットについては、それぞれSLOTH STUDIO所有のものを使ってチェックと録音を行なっています。
 

ボーカル録音に必要なアイテム

ボーカルを録音するには、マイク以外にどんな機材を用意すればいいのでしょうか。また最近では、一般的な住宅環境でもクオリティの高いサウンドで歌を録ることができる、便利なアイテムが数多くあります。エンジニアの篠崎恭一さんに、ボーカル録音に必要なアイテムを挙げてもらうと共に、それぞれの役割や効果などについて解説してもらいました。
 

 

◉マイク
歌の録音では、基本的に「コンデンサーマイク」を使用します。なぜならコンデンサーマイクは、ダイナミックマイクよりはるかに高い感度とレンジの広さを持っていて、歌い手の繊細なニュアンスを余すことなく録音できるからです。
人間の声はニュアンスの使い分けによる豊かな表現力が魅力なので、ボーカル録音にはブレスやウィスパー、繊細な発音など、ダイナミックマイクでは捉えきれない細かい部分まで拾ってくれるコンデンサーマイクを使いましょう。

◉リフレクションフィルター
近年、マイク録音をする際の便利アイテムとして、注目を集めているのが「リフレクションフィルター」です。
外側は穴の空いた金属と吸音材、内側はウレタンなど吸音性の高い材質を使っている場合が多く、マイクの背面を覆うように設置することで、周辺からの反射音やノイズを吸収します。多くのメーカーから様々なタイプのモデルが発売されていますが、実際に楽器店の店頭などでサイズや重量、効果を確かめてみてから選ぶといいでしょう。

◉ポップガード
「ポップガード」とは、録音をする際に口とマイクの間に設置するアイテムで、材質は金属や布などが多く、様々な形状のものがあります。ポップガードを使用することにより、マイクに直接強い息が当たることを防ぎ、「ポップノイズ」や「フカレ」と呼ばれる雑音の発生を防ぐことができます。
様々なタイプがありますが、マイクスタンドに設置でき、セッティングの自由度が高いグースネック付きのモデルがオススメで、プロの現場でもよく使われています。

◉オーディオインターフェイス
歌をパソコンにインストールしてあるDAWソフトに録音する際、必須なのが「オーディオインターフェイス」です。
その役割は、アナログの信号をデジタルに変換し、DAWソフトに送ることにあります。多くの製品にはマイクプリ(アンプ)が搭載されており、マイクの微細な信号を増幅することで、十分な音量で録音することができます。

◉ショックマウント
コンデンサーマイクは非常に感度が高いため、繊細な音が録れる反面、ノイズなどを拾いやすいという性質があります。そのノイズの伝達を防ぐために便利なツールのひとつが「ショックマウント」です。これはゴムなどの効果によってマイク自体に振動が伝わることを防止し、リズムを取っている足音など、主に床からマイクスタンドを伝わってくるノイズを軽減します。

◉マイクスタンド
マイクで録音する際、しっかりと安定した「マイクスタンド」を使用することにより、床からの振動の伝達を軽減できる他、マイクと口との距離感を常に一定に保つことができます。また、リフレクションフィルターやポップガードも取り付けられます。

◉マイクケーブル
マイクで録音する際に必ず必要になるのが、マイクと各種機材を接続するケーブルで、通常「XLR端子」という端子を持つ「マイクケーブル」が使われます。あまりに長いものは取り回しがしにくく、音質劣化の原因にもなるので、宅録では3〜7mくらいのものを使いましょう。
 

 

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