ENSONIQのESQ-1をベースにしたソフト音源

UVI、「USQ-1」をいち早くレビュー!

UVI、「USQ-1」をいち早くレビュー!

2018/04/07


精力的にソフトウェア・インストゥルメントをリリースするUVIから、USQ-1なるソフトシンセが新たに発売になりました。どんなものなのか、早速掘り下げて見ていきましょう。

USQ-1は80年代から90年代に一世を風靡したシンセメーカーENSONIQのESQ-1がベースになっているとのこと。ESQ-1は32波形のデジタルオシレーターを3つ積んだ8ボイスのシンセサイザーで、フィルター部はレゾナンス付きアナログローパス仕様。また、ESQ-1は8トラックのシーケンサーも装備されているので、現在のワークステーション型シンセサイザーの走りとも言えます。さらに心臓部であるサウンドチップは、SIDチップの父:Robert Yannesによる産物でした。

このように、ウェーブテーブルオシレーターx3、エンベロープx3、LFOx3、デジタル制御のアナログフィルター、そしてシーケンサー…と、当時としては圧巻の装備であったのですが、リリースが国産デジタルシンセが台頭してきた時期ということもあり、セールスは人気を博したとは程遠いものでした。しかしながらその”デジアナ”のハイブリッドサウンドは個性的で、熱烈なファンもいまだに多く、ウェブページにも記載されている通り、UVIスタッフにもコアなESQ-1、EINSONIQファンは多数いるとのことです。前置きが長くなりましたが、USQ-1はそんなUVIが思いを込めて出したシンセ音源と言えます。
 

ENSONIQのESQ-1

 

UVI USQ1UVIのUSQ-1

 

インストール
USQ-1はUFSという形式のファイルで、無料のUVI Workstationというソフトの音源ライブラリとして使う形となります。また、コピープロテクションにiLokを使用しているので、購入をしたらシリアル番号とiLok IDを登録して、UVI Workstationと製品をダウンロードとインストールする必要があります(インストール後、iLokの認証を行えば使用可能になる)。ここまで書くと面倒に思われるかもしれませんが、UVIはフランスのメーカーとはいえ日本語サービスが充実しています。これらの一連の作業も安心して進められるでしょう。

USQ-1はどういうシンセか?
簡単に解説をすると、独立したアンプEQ、フィルターとフィルターEQ、アルペジエーターを持つ2つのオシレーターレイヤーのシンセです。モジュレーション系統は、LFOとステップシーケンサータイプのモジュレーターを備えていて、最終段はディレイやリバーブを含む一連のエフェクトで音を仕上げて行く流れです。

ここで大事なことを1つ、USQ-1はESQ-1のクローンではないということです。これはUVIのポリシーでもありクローンは作らないということだそうです。というのも、出音優先であり、音作りをするのに実機と同じパラメーターや挙動が必要ないという考えがあるのだとか。その代わりに実機の質感(出音)には徹底的こだわっていて、単に実機からの出力をサンプリングしているのではなく、高級アウトボードでスタジオレコーディングし、彼らの言う所の”ミックス・レディ”の音に仕上がっています。その真価はミックスした際に実感出来るでしょう。また、400プリセット音色は、実機でベースサウンドを作り上げてからソフト上で構築したもので、単なる懐古主義ではなく、”いまどき”なサウンドもたくさん用意されています。

メインページ
エディットページ
メイン画面には収まりきれなかったシンセパラメーターがここに用意されています。メイン画面のアンプリチュードとフィルターと同様、オシレーターごとの設定です。また、ステレオとモジュレーションホイール設定は、同種類のUVIシンセでよく見られるパラメーターで、ステレオはUVIサウンドを象徴づける効果の1つでもあります。打鍵ごとに音が左右にパンしたり、ユニゾンで厚みと広がりを加えたりできます。そして、モジュレーションホイールは良く使うシンセパラメーターのクイック設定です。ヴィブラート、トレモロの細かさ、フィルターの深さをホイールで操作するかどうか、そしてその具合を調節するために用意されているので、いちいちMIDIラーン設定をしなくて済むための配慮がされています。

 モジュレーションページ

 

ここがモジュレーションの設定です。下半分はLFOで、LFO波形を選び、オシレーターパラメーターを設定するシンプルかつ効果的な仕様です。上半分はステップモジュレーターと呼ばれる16ステップのシーケンスモジュレーターで、大抵のUVIシンセに装備されているものと同じ。使い方はすごく簡単で、アルペジエーターやステップシーケンサーのように棒グラフ表示の箇所のマウスドラッグで音に動きをつけていくことになります。フリーハンドでモジュレーション周期を描いたり、リズミックなサウンド効果、ゲート的な効果を得る際に有効といえます。
 

エフェクトページ
オシレーター1と2の出力ミックスを仕上げているのがこの画面です。クロスオーバーポイント設定可能の3バンドEQ、歪み、コーラス、フェイザー、ディレイ、リバーブと並び、パラメーターはシンプル化されていますが、コーラスはThorus、リバーブはSparkverbという名のプラグインで単体販売している代物。どれも定評の品質であるのが魅力です。そしてUVI Workstationの”fx”ボタンで隠れたパラメーターやエフェクトにもアクセスできるようになっています。

 アルペジエータページ

最後の画面はアルペジエーターです。USQ-1はオシレーター其々にアルペジエーターが用意されています。2つの音個別にアルペジエートさせたポリリズム効果、もしくは片方は動的、もう片方は静的なサウンドミックスが簡単に行なえます。

実機を知る方ならパラメーターがUSQ-1のそれが全く異なることであることがおわかりでしょう。しかしながらUSQ-1のシンセパラメーターは新しい音を作るのに十分な機能が備わっているので、困ることはないと思います。もっと深いサウンドデザインを追求するのなら、別売のFalconでUSQ-1を開けば、USQ-1を用いた細かな音作りも可能になります。ちなみにFalconというのは、UVI Workstationの上位版でフルエディットが可能なプラグインで、それ自体もソフトシンセになるというモンスター級のプラグインシンセのことです。
 

ここまで機能を中心に紹介してきましたが、如何でしたでしょうか? オフィシャルのYouTubeチャンネルでは、デモビデオがアップされているので合わせてチェックされると良いでしょう。

まだオーディオデモも充実しているので、音質に関する参考はそちらで確認していただければと思います。

最後にもう一点、前出の通り、UVIはクローンを目指していないために、実の所、表示や雰囲気は違えども、USQ-1の操作は他のUVIシンセと共通している点もポイントです。つまり、同社のUVX80、UVS-3200、UV-XXX(OB Legacy)なども、同じ感覚で扱えるわけです。

USQ-1は懐かしさと新鮮さが同居したシンセで、ちょっと違う風味のサウンドがお望みならこれは良いチョイスだと思います。税込5,400円を切るイントロプライスも超魅力的。買うなら今がチャンスですね!

価格:9,000円(税抜、国内販売店)/ 79ドル(UVIストア)
イントロプライス:5,000円(税抜、国内販売店)/ 49ドル(UVIストア)
 

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