マイク試奏

オーディオテクニカ、ザイド、CAD、ブルー・マイクロフォンズ、ロズウェル・プロ・オーディオ、アストン・マイクロフォン、AKGのコンデンサーマイクを徹底レビュー

オーディオテクニカ、ザイド、CAD、ブルー・マイクロフォンズ、ロズウェル・プロ・オーディオ、アストン・マイクロフォン、AKGのコンデンサーマイクを徹底レビュー

2018/06/14


ボーカルやアコギなどの生楽器の録音で、最もよく使われるのがコンデンサーマイクです。現在では様々なタイプのモデルが数多く発売されています。ここでは比較的入手しやすいものから高価格帯のものまで、万遍なく14本をセレクトし、佐藤雅彦氏と浜田純伸氏という2名の有名エンジニアに試聴をしてもらいました。まずは佐藤雅彦氏が担当した7本のレビューをお届けしましょう。

取材:平沢栄司 写真:小貝和夫


 

ソースが前に出てくるように録れるハイがキラッとしたキャラクター

オーディオテクニカ
AT2035

¥14,800
問:㈱オーディオテクニカ
TEL:0120-773-417
https://www.audio-technica.co.jp/
 

見た目はオーディオテクニカのハイエンド製品に通じるデザインで、高級感がありますね。コンパクトだから、宅録でも使いやすそうだと思いました。

サウンドは中高域がなだらかに持ち上がっている、ややハイ上がりの傾向です。オーディオテクニカらしいキャラクターなんですけど、いい意味で少し高域に色付けが感じられます。鮮やかでキラッとしていて、原音よりも明るく録れる分、ソースが前に出るような感じになるんですね。ダイナミックレンジは標準的でミックスで扱いやすそうですし、スピード感もあります。あと、音が柔らかめのオーディオインターフェイスと組み合わせても、マイク側でうまくアタック感を補ってくれます。

ジャンル的にはポップスに向いていて、特に女性ボーカルに合いそうですね。子音がハッキリ聴こえて、歌が瑞々しく録れます。アコギも1〜3弦が明るくいい感じに録れるので、アメリカンなスタイルのプレイに向いていると思いました。あと、このマイクは空気感も自然に録れるので、ドラムのオーバーヘッドにも最適です。

機能としては、ローカットの他に−10dBのパッドも付いているので、声量のある男性ボーカルやトランペットとかの管楽器もいけると思います。あと、新型のショックマウントがいいですね。扱いやすくなったし、大柄でかなりしっかりしているので、揺らしたりしても全然ノイズを拾いませんでした。
 

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マイク本体にローカットスイッチと−10dBのパッドスイッチが付いており、様々なソースやシチュエーションに対応することができる

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以前、付いていたものとは違う新型のショックマウントが付属。素早くマイクを取り付けることができ、しかもしっかりと固定できる
 

この製品について

【製品概要】
「AT2035」は、新開発の「ダブルウェーブ・ダイアフラム」を搭載している、コストパフォーマンスに優れたマイクだ。飛躍的に向上している感度とS/N比を持ち、ソースを選ばずハイクオリティな収音を実現。フラットな周波数特性を持ちながらも引き締った量感のあるサウンドは、レコーディングからライブまであらゆる用途に適している。

【スペック】
●指向性:単一指向性 ●最大入力SPL:148dB SPL ●感度:−33dB(0dB=1V/1Pa、1kHz) ●周波数特性:20Hz〜20kHz ●出力インピーダンス:120Ω平衡 ●外形寸法:長さ=171mm/直径=52mm ●重量:403g
 

ブランド・プロフィール

オーディオテクニカは、1962年に設立された音響機器ブランドです。当初はレコードプレイヤーのカートリッジをメインに扱っていましたが、1978年に初のマイク「AT800シリーズ」を発表。また、1991年には「AT4033」、1994年には「AT4050」というコンデンサーマイクの名器を発表し、多くのスタジオに導入されたことでマイクメーカーとしての地位を築きました。

 


 

ボーカルやアコギなどを若々しく軽快なサウンドで録れる

ザイド
PC-Me

¥14,900(一般税込価格)
問:イースペック㈱
TEL:06-6636-0372
http://e-spec.co.jp
 

ノイマンU87のようなデザインですけど、本家の2/3くらいのサイズで扱いやすいですね。330gと軽いので、コンデンサーマイクをリハスタとか外に持ち出して使いたいという人にも向いていると思います。

低域がありつつもスッキリしていて、高域は軽快に聴こえます。スピード感がありますし、ダイナミックレンジも広いと感じました。例えば、柔らかめの声の人でも本機を使えば、明るい声質で録れると思います。別の言い方をすれば、声が若々しく聴こえる感じですね。

アコギの場合、特に大きなボディのギターを録る時にありがちなモワモワしてしまう成分が、このマイクだとうまく相殺されてリアルに録れます。コードストロークをしても、6本の弦それぞれにピックが当たるアタックをしっかり拾ってくれました。ですので、最大の持ち味である軽快感を味方にした録り方をすると、活きるマイクだと思いますね。マイクプリやオーディオインターフェイスを変えても、このマイクのサウンドキャラクターが立ちます。

ジャンル的に特に向いているのは、ポップス系の女性ボーカルですね。あと、ピアノやアコギ、ドラムのハイハットやオーバーヘッドの収音にも合っていると思います。
それと、ショックマウントとポップガード、マイクケーブルが付属していて、これを買えばすぐにマイク録音が始められるのも素晴らしいですね。
 

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ケースを外すと基盤上にローカットスイッチが付いている(中央の青いスイッチ)。シンバルなどのハイをスッキリしたサウンドで録りたい場合には、これをオンにしよう

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スポンジ製のポップガード、クリップ式でワンタッチでマイクを固定できるショックマウント、マイクケーブルがセットになっている
 

この製品について

【製品概要】
「PC-Me」は、小型のボディと本格的なサウンドを併せ持ったコンデンサーマイクだ。トランスレス回路を採用し、ストレートでガッツのある音色で収音することができる。単一指向性でボーカルはもちろん、アンプやドラム、ピアノ、管楽器などの幅広い用途に対応可能。また、定在ノイズ対策などに有効なローカットスイッチを搭載している。

【スペック】
●指向性:単一指向性 ●最大入力SPL:135 dB(@ 1kHz≦1% T.H.D) ●感度:−35dB±2dB ●周波数特性:20Hz〜20kHz ●出力インピーダンス:200Ω @30% ●外形寸法:長さ=152mm/直径=44mm   ●重量:330g
 

ブランド・プロフィール

ザイドは、多くの優れたマイクを手頃な価格で発売していることで知られている有名音響機器ブランドです。1998年には同社のコンデンサーマイクの第1号機である「PC-M1」を発表。翌1999年には真空管内蔵コンデンサーマイク「PC-VT1」をリリースし、プロアマを問わず絶賛されたこのマイクの音質は、代表モデル「PC-VT2000」などに引き継がれています。

 


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プロの定番マイクと同傾向の音質を低価格で実現したモデル

CAD
GXL2200

¥15,000
問:㈱コルグお客様相談窓口
TEL:0570-666-569
https://www.cadaudio.jp/
 

このマイクはすごく優秀で、値段を見て驚きました。コンプを使わなくても絶妙なダイナミクスで録れて、とにかくサウンドが自然なんですよ。スピード感も丁度良くて、出過ぎたり引っ込んだりすることもありません。僕らが普段使っているスタンダードなコンデンサーマイクと同じ傾向を持っています。

中高域と高域にちょっとピークがあるんですけど、それがボーカルを引き立てるドンピシャなところにあるので、不自然な感じはありませんし、シンガーも気持ち良く歌えると思います。アコギもナチュラルかつ軽やかなサウンドで録れました。

コンシューマー向けのオーディオインターフェイスのマイク入力でもいい音で録れますし、チューブ系のマイクプリを通せば深みのある音になります。ストライクゾーンが広いというか、マイクプリの個性もうまく引き出してくれる、音楽的で楽しいマイクですね。

用途としては、ポップスやロック、ジャズとあらゆるジャンルで使えます。パート的にも男女問わずボーカルやピアノ、ドラムのオーバーヘッド、パーカッションとか、本当にこれ1本でオールマイティに使えると思いました。

あと、このマイクにはローカットやパッドといった機能は一切付いていません。機材は回路がシンプルになるほど音が良くなる傾向がありますから、深読みをすれば、あえて付けなかったのかもしれませんね。
 

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大口径のダイアフラムを搭載しており、ソースの特性を損なうことなく、自然な音質で収音できる

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確実にマイクをセットできるクリップ式のショックマウントが付属しており、マイクスタンドから伝わる振動ノイズの伝達を防ぐ
 

この製品について

【製品概要】
「GXL2200」は、金蒸着ダイアフラムを持ち、低価格ながらも高い感度と低ノイズを実現しているコンデンサーマイクだ。いわゆる「サイドアドレス型」という大きいダイアフラムを持つタイプなのでマイキングがしやすく、宅録でボーカルやアコギ、パーカッションなどを録るだけでなく、リハスタでのコーラス録りなどでも手軽に使える。

【スペック】
●指向性:単一指向性 ●最大入力SPL:130dB 1% THD ●感度:−36dB(16mV)@1Pa ●周波数特性:30Hz〜20kHz ●出力インピーダンス:75Ω
●外形寸法:長さ=約185mm/直径=約45mm ●重量:403g
 

ブランド・プロフィール

CADの前身は1931年に設立されたアスタティック社で、1988年に同社のプロ音響部門として、レコーディングやライブ用マイクの設計と製造のために設立されました。革新的かつコストパフォーマンスに優れたマイクの開発を行なっており、現在ではスタジオ以外にも世界中のレストラン、空港、教会、企業の重役用会議室などで同社のマイクが使われています。

 



 

空間の表現力に優れた奥行きのあるナチュラルなサウンド

ブルー・マイクロフォンズ
Bluebird SL

¥29,800
問:㈱エムアイセブンジャパン
http://www.mi7.co.jp/blue/
 

ダイアフラムが本体から離れているクラシカルなデザインがカッコいいですね。

サウンド面は、非常に奥行きがある音で録れて、空間の表現力が高いのが特徴です。例えばボーカルを録る場合、口元から本機を離しても、離したなりの音で録れるので、マイクとの距離のコントロールでも表情が出せるんですね。ギターの弾き語りならば、マイクを立てた位置やシンガーの口までの距離、アコギのどこを狙っているのかという情景までもが、録り音から思い浮かぶんです。まるでカメラで写真を撮っているような感覚で、その場の音像を捉えることができる感じですね。

特性はややハイ上がりなんですけど、色付けというよりは自然に高域が出ていて、いかにもアメリカ製のマイクらしい明るさがあります。スピード感も丁度良くて、ダイナミクスの表現も音楽的ですし、コンプの有無に関わらずヘンなピークもなくて、録り音の収まりがかなりいいです。実際、ボーカルも自然に録ることができました。
アコギの場合は、弦の鳴りやピッキングのアタック成分、ボディ鳴り、サウンドホールからの中低域とかを、これ1本で余すことなく録れます。どのマイクプリを使っても、このマイクのキャラは活きてきますね。

他のマイク以上にマイキング次第で色々な音が録れるので、使い込むほど新しい発見があって、ユーザーの録音技術も上がっていくと思います。
 

ダイアフラムがボディと離れているため、音がボディに反射することによって起こる悪影響を、最小限に抑えることができる

本体上部に100Hz以下の低域をカットできるハイパスフィルター(左側)と、−20dBのパッドスイッチ(右側)を搭載している
 

この製品について

【製品概要】
「Bluebird SL」は、手作業で製造されている金蒸着マイラーダイアフラムを採用したモデルだ。伸びの良い高域と、非常に滑らかな中域が持ち味で、しかも小型で扱いやすいのでボーカルやアコギなど、宅録環境で使うのにも最適だ。なお、100Hz以下の低域を抑えるハイパスフィルターと、−20dBのパッドスイッチを本体に装備している。

【スペック】
●指向性:単一指向性 ●最大入力SPL:138dB SPL(1kΩ、0.5% THD) ●感度:28.5mV/Pa@1kHz(1 Pa=94dB SPL) ●周波数特性:20Hz〜20kHz ●出力インピーダンス:50Ω ●外形寸法:長さ=222.5mm/直径=47.5mm ●重量:455g
 

ブランド・プロフィール

ブルー・マイクロフォンズは、著名なセッションミュージシャンのSkipper Wise氏と天才レコーディングエンジニアとして知られるMartins Saulespurens氏により、1995年にバルト3国のラトビアで設立されました。現在はアメリカのカリフォルニア州に本社を置き、「Bottle」をはじめとする個性的なデザインと、高品位なサウンドを持つ製品を多数発売しています。

 


ビンテージマイクに通じる色付けがなくナチュラルな特性

ロズウェル・プロオーディオ
mini K47

オープンプライス(¥38,000前後)
問:オタリテック㈱
TEL:03-6457-6021
http://www.otaritec.co.jp
 

黒と銀のコントラストが印象的なデザインですね。コンパクトながらもズッシリしていて、作りがしっかりしています。

サウンドの傾向としては色付け感がなくて、とてもナチュラルかつ音楽的な音質で録れます。音が抜けなかったり、遠くなることもありません。マイクプリやオーディオインターフェイスの個性をそのまま活かしてくれるタイプですね。中高域に少し凹みがあって、ハイエンドも10kHzあたりからなだらかに下降しているんですけど、そこがビンテージマイクに似ていると思いました。

まずボーカルを録ってみましたが、サ行が妙に誇張されないので、ミックスがしやすいと思います。アコギは弦の材質やボディ鳴り、使用するギターの違いを明確に表現してくれます。そういうところも、僕らが普段使っているヨーロッパのビンテージマイクに通じますね。馴染みのあるサウンドとスピード感を持っていて、コンプをかけた時も、定番設定のままでいつも通りにVUメーターが振れてくれるので安心感を覚えました。

ジャンル的には、ポップス、ロック、ジャズと何にでも使えます。パートとしては男女問わずボーカル、ギター、ピアノとかに向いていると思います。他のマイクと比べると派手さはないんですけど、深みがあるというか、ソースの大切な部分をしっかりと収録できるモデルです。プロから見ても、本当にいいマイクだと思いました。
 

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イマンの名マイク「U47」 にインスパイアされた34mmのカプセルと、3ミクロンの極めて薄いダイアフラムを搭載。クリアでノイズの少ない音質を実現している

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マイクをしっかりホールドしてくれる、頑丈な造りを持つ専用ショックマウントが付属している。前面が開いているので、音源にマイクをかなり近づけることが可能だ
 

この製品について

【製品概要】
「mini K47」は、他社製マイクのモデファイなどで培った同社の技術を投入して開発された、ノイマンの名器「U47」と同じスタイルの34mm大型ダイアフラムを持つモデルだ。周波数バランスが非常に良く、美しい中域の伸びと、不必要に強調されない高域により、ボーカルや楽器を重厚感のある、歪みが極めて少ない質感で収音できる。

【スペック】
●指向性:単一指向性 ●感度:18mV/Pa ●周波数特性:20Hz〜16kHz ●出力インピーダンス:114Ω ●外形寸法:長さ=150mm/直径=44mm ●重量:325g
 

ブランド・プロフィール

 

ロズウェル・プロオーディオは、2015年に創立されたアメリカはカリフォルニアにあるマイクブランドです。創設者のマット・マクグリン氏は「マイク業界のウィキペディア」の異名を持つ「recordinghacks.com」の創設者として有名で、豊富な知識を背景に、世界各地から厳選されたパーツを集め、マット氏が理想とするビンテージトーンを持つマイクを製造しています。

 


中高域と高域に特徴があるエッジの効いたロック向きの音質

アストン・マイクロフォン
Aston Spirit

¥90,000
問:ローランド㈱お客様相談センター
TEL:050-3101-2555
https://www.roland.com/jp/
 

他のマイクとはまったく違う個性的なデザインにビックリしました。金属がむき出しのような質感がカッコ良くて、男心をくすぐります。特徴的なのは、本体自体がショックマウント機能を内蔵している点で、直接マイクスタンドに取り付けて揺らしたりしてみましたが、ノイズは拾わなかったですね。

まずは単一指向で試してみましたが、ハイエンドに向けて少し右上がりで高域に伸びがあって、中高域に特徴があるエッジの効いたサウンドを持っています。しかもローもしっかりと出ていて、とにかくボーカルがパワフルに録れました。思い切り叫んでも歪んだりしませんし、逆に「エネルギッシュに歌わないとカッコ良く録れないよ!」ってマイクに言われているように感じます。僕だったら、まずはロック系の男性ボーカルでぜひ使いたいですね。アコギでは、スチール弦をかき鳴らした時の躍動感や迫力がきちんと収録できました。

いずれにしても、原音よりカッコいいエッジのあるサウンドで録れるので、アーティストの主張が強いメッセージソングとかにもピッタリだと思います。
ジャンル的には、やはりロック系で使うのをオススメしたいですね。本体に付いているローカットスイッチの効きも非常にいいですし、パッドが−10dBだけでなくて−20dBも選べるので、ボーカル以外にギターアンプやベースアンプ、キックでもいけると思います。
 

指向性は無指向、単一指向、双指向の3通りから選べる。単一指向にすると、このマイクの特徴であるエッジの強さが最も出る

このように、マイクスタンドを直接マイク本体に取り付けることができるのが画期的だ。しかも、スタンドを伝わってくる振動などのノイズをマイクが拾うことはない
 

この製品について

【製品概要】
「Aston Spirit」は、独特なデザインの筐体が目を引く、3種類の指向性(単一指向/無指向/双指向)が切り替え可能なコンデンサーマイクだ。トランス構造の採用により、美しく滑らかな高域を実現。また、マイク自体が衝撃を吸収するショックマウント機能と、フカレを防ぐポップガード機能を持っており、本体とスタンドだけで録音ができる。

【スペック】
●指向性:無指向性/単一指向性/双指向性 ●最大入力SPL:138dB(THD0.5%)●感度:ー32.5dB(0dB=1V/Pa 1kHz) ●周波数特性:20Hz〜20kHz(±3 dB) ●出力インピーダンス:200Ω ●外形寸法:長さ=175mm/直径=54mm ●重量:625g
 

ブランド・プロフィール

2015年に設立されたアストン・マイクロフォンは、新進気鋭のイギリスのマイクブランドで、製品の開発/デザイン/生産をすべてイギリス国内で行なっています。社長のジェイムス・ヤング氏はsEエレクトロニクス社創設時のメンバーでもあり、同社で多くの製品を開発した経験を活かし、大量生産品とはひと味違う製品を作り上げるべく、日夜、新たな製品開発に努めています。

 



 

安定したレベルで録ることができるライブと宅録の両方で使える1本

AKG
C636

オープンプライス(¥60,000前後)
問:ヒビノ㈱ ヒビノプロオーディオセールス Div.
TEL:03-5783-3110
http://proaudiosales.hibino.co.jp/
 

マットブラック仕上げのボディがスリムで、非常に握りやすいですね。

音質は、下は100Hzあたりから緩やかなローカットが入っていて、上は5kHzあたりから上にかけてピークがあります。ダイナミックレンジや音のスピード感も含めて、すべてがステージ上での扱いやすさを想定したサウンドデザインになっていると思いました。コンデンサーマイクはダイナミックマイクよりもダイナミックレンジの幅が広いんですけど、C636の場合は、声が大きかったり小さかったりしても、ある程度安定したレベルで録ることができて、とても進化していますね。

ダイアフラムと口との間隔は3cmくらいがスイートスポットで、その距離で歌った時に一番まとまりがあるサウンドで録れます。少しでも距離が遠くなったり、口から上下左右にマイクがズレると音を拾いません。これもライブを考えての仕様で、周りの音がマイクに入ってこないようにしているからなんですね。宅録でスタンドに立てて歌を録る場合、スイートスポットが狭くて歌いにくいと感じたら、手で持って歌うのもありです。アコギの場合は、他のマイクよりも近くに立てた方がガッツのある音で録れます。

基本的にはライブに特化したマイクですが、距離さえうまく調整すれば存在感のある太い音で録れますので、ライブと宅録を両方やっている人に、ぜひオススメしたいですね。
 

もともと100Hz以下がなだらかに落ちている特性を持っているが、80Hz以下をバッサリとカットできるローカットスイッチも備えている

カプセルは、衝撃吸収ラバーを上下2ヵ所に配置したショックマウントと3層のフィルターで保護されており、ノイズ対策も万全だ
 

この製品について

【製品概要】
「C636」は、プロのライブで高評価を得ている同社のハンドヘルド型コンデンサーマイク「C535 EB」の後継モデルだ。ヌケのいいクリアなサウンドを踏襲しつつ、カプセルの土台を重厚にすることでダイアフラムの不要な振動を抑え、原音を忠実に捉えることができる。低域ノイズの侵入を防ぐ80Hzのローカットフィルターも搭載している。

【スペック】
●指向性:単一指向性 ●最大入力SPL:150dB SPL ●感度:−45dB re 1V/Pa ●周波数特性:20Hz〜20kHz ●出力インピーダンス:200Ω以下 ●外形寸法:長さ=186mm/直径=52mm   ●重量328g
 

 

ブランド・プロフィール

AKG(エーケージー)は、1947年に音楽の都オーストリアのウィーンで、プロ用機器の開発を目的にラドルフ・ゲリケ博士とエンジニアのアーンスト・プレス氏によって創立されました。1953年に発表した真空管式のコンデンサーマイク「C12」が高評価を獲得し、世界有数のマイクブランドとしての地位を確立。「C414」や「C451」など定番マイクを多数生み出しています。

 

試奏者プロフィール

佐藤雅彦 (サトウ マサヒコ)
ビンテージコンプやHAなどを駆使した、独自の音作りを得意とするレコーディングエンジニア。最近では、SAKANAMON、ウルトラタワー、木村カエラ、SHISHAMOなどの作品やライブ音源に参加している。現在は自社スタジオ「Basement Studio」とライブ録音チーム「mixmix.」を中心に、サウンドプロデュースからライブ録音まで幅広く活動している。

 

今回の試奏方法

マイクプリは音に色付けの少ないフォーカスライトISA116を使い、アビッドHD I/O(オーディオインターフェイス)経由でアビッドPro Tools HDX(DAWソフト)に歌とアコギを録音して音質をチェックしました。リアルタイムのモニター音と、録音後の音を聴きながら、ソースに対して距離が近い時と離した時の違いや、サ行のニュアンス、低音の捕らえ方、フカレなどを確認して各マイクのキャラクターを判定しました。
出力信号はクレーンソングのAvocet(モニターコントローラー)へ送り、スピーカーとヘッドホンでモニターしています。それとは別に、各マイクをスタインバーグUR22mkⅡ(オーディオインターフェイス)に直結して、音質に違いが出るのかどうかも確認しました。

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