進化したオーディオインターフェイス12選
【オーディエントiD44レビュー】「高解像度」のマイクインと「アナログ感」のあるD.Iイン
【オーディエントiD44レビュー】「高解像度」のマイクインと「アナログ感」のあるD.Iイン
2018/07/13
パソコンでレコーディングをするには、DAWソフトとパソコン、そして「オーディオインターフェイス」が絶対に必要です。中でもオーディオインターフェイスは、サウンドを高音質な状態でパソコンに入出力するという重要な役割を担っています。現在発売されている機種は、メーカーごとに独自の進化を遂げており、そのクオリティや機能は製品によって千差万別。本特集でその違いを明らかにしていきます。
オーディエントiD44(文:篠崎恭一)
フロントパネルにはギター/ベースをダイレクトに接続できるD.Iイン×2とヘッドホンアウト×2を装備
数々の高音質な製品を送り出して高い評価を得ているオーディエントが、とことん音質を追求して開発した多入出力オーディオインターフェイス、それがこの「iD44」です。4チャンネルのアナログ入力には、同社の大型レコーディング用コンソール「ASP8024-HE」に採用されているものと同等の回路設計を持つマイクプリを搭載。また、チャンネル1と2のD.Iインには、チューブアンプが持つクラシックサウンドを再現するように設計された、「JFETディスクリート回路」が採用されています。
パネル上のゲインコントロール、マスターボリューム・コントロール、ヘッドホンのボリュームコントロールには、専用のアルミ削り出しノブを採用。適度な重さと気持ちいいノッチ感により的確に操作ができるハイクオリティな仕様です。
先に「シンプル」とは書きましたが、本機にはモニターに便利な機能が搭載されています。出力のレベルを一時的に下げることができるDIMスイッチや、MUTEスイッチ(CUTスイッチと記載)などが備わっているため、ミックス時に非常に扱いやすいです。出力レベルを確認できるLEDメーターが、フロントパネルに用意されているのも便利ですね。
豊富なデジタル出力を備えるiD44には、ワードクロック出力も用意されています。いい音で出力しても、コンバーターとのマッチングが悪ければせっかくの信号をロスしてしまいます。そこで、しっかりとしたクロックのマッチングを取るために、iD44をクロックマスターとして使用できるようになっているのです。
音質のチェックは、iD44のマイクプリを使用して歌の録音、前面のD.Iインを使用してギターのライン録音をしてみました。まずはマイクですが、非常に高解像度で、淀みのないスッキリとしたサウンドという印象を受けました。いわゆるハイファイな透明感ではなく、入ってきた音を色付けせずにそのまま拾うような、素直なサウンドキャラクターです。マイクの個性もしっかりと出してくれて、息遣いやリップノイズなどの絶妙なニュアンスもしっかりと拾ってくれるので、音作りの幅が広がると思いました。さすがコンソールメーカーが作ったマイクプリだけあり、マイクの特徴を十分に引き出してくれます。
次にD.Iインでギターを録音してみると、マイクイン側とは少々キャラクターが違う印象を受けました。チューブアンプのサウンドを意識した結果なのか、真空管内蔵のプリアンプを思わせるアナログ感のあるサウンドです。太さと暖かみがありながら、解像度の高さはマイク側と同じ印象で、しっかりとニュアンスも出してくれます。使いやすいサウンドに仕上がるので、アコギのライン録音に使うのもオススメです。
モニターの音質も高く、とてもクリアです。スピーカーアウトとは別に、ヘッドホンアウトに独立したDAコンバーターを使用しているためか、ヘッドホンモニター時のS/Nも良いと感じました。
余計な機能を求めず、高音質を追求したiD44は、非常に使いやすく高品質な製品です。
リアパネルには、インサートセンド/リターンを持つマイク/ラインイン×2(ch1/2)と、それを持たないマイク/ラインイン×2(ch3/4)、ラインアウト×4(ch1-4)、ワードクロックアウト、オプティカルイン/アウト(ADAT、S/P DIF)×2などの入出力を装備している
モニターをコントロールする「iDミキサー」はデザインが刷新された。最大4つのキューミックスを作成し、チャンネルの名付けとカスタマイズや、プリセットの保存、ハードウェア機能ボタンの割り当て、高度なルーティングの設定、スタンドアロンモードでのプリセットの使用などが行なえる
スペック
価格:オープンプライス(¥80,000前後)
接続方式:USB 2.0
アナログ入出力:4イン/8アウト
デジタル入出力:16イン/16アウト
対応OS:Windows/Mac
音質:24ビット/96kHz
重量:1.75kg
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