進化したオーディオインターフェイス12選

【フォーカスライトRed 4 Preレビュー】驚異の58イン/64アウトを実装し、拡張性も圧倒的

【フォーカスライトRed 4 Preレビュー】驚異の58イン/64アウトを実装し、拡張性も圧倒的

2018/07/13


パソコンでレコーディングをするには、DAWソフトとパソコン、そして「オーディオインターフェイス」が絶対に必要です。中でもオーディオインターフェイスは、サウンドを高音質な状態でパソコンに入出力するという重要な役割を担っています。現在発売されている機種は、メーカーごとに独自の進化を遂げており、そのクオリティや機能は製品によって千差万別。本特集でその違いを明らかにしていきます。

フォーカスライトRed 4 Pre(文:谷口尚久)

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フロントパネルの入出力端子は、インストインを2系統、ヘッドホンアウトを2系統搭載している

Red 4 Pre は、今回私がレビューした製品では唯一卓上タイプではなく、ラックタイプのモデルです。Redシリーズはフォーカスライト社のインターフェイスの中でも最上位。レコーディングスタジオのPro Tools HDシステムのI/Oなどとしてハイエンドスタジオに採用されています。箱を開ける前はどれほど大きな機材なのかと思いきや、コンパクトに1Uにまとまっていました。この大きさで、58入力/64出力を実現しているというのは隔世の感があります。

前面にある黒い2つのノブは「エンコーダ」と呼ばれもので、左側がインプット用、右側がアウトプット用と至ってシンプル。そして、それに対応したボタンをそれぞれの横に4つずつ搭載しており、ボタンと機能の対応は単純明快です。また、中央に設置されたディスプレイは3画面と充実しています。例えばモニタリングが思い通りにできないなどのトラブルが発生した時に、すぐメーターで状況を確認できたりと、非常に便利です。エンコーダのノブには柔らかくもコチコチとした絶妙な手応えがあり、1段階ずつ確認できます。また、メーターの数値表示にも対応しているので、音量レベルを上下させる際に正確に戻すことが可能です。

出音のキャラクターは、フォーカスライトらしい「音の縁がよく見える」といった印象です。サウンドはソリッドと感じるかもしれませんが、この音質は、丁寧に音色を揃えていくためには、重要なポイントです。なのでポップス向きなのかなと思いましたが、試しに映画の劇伴も鳴らしてみると思わぬ発見がありました。ダイナミクスの激しい場面での音の奥行きがとても繊細に再現できるのです。これはストリングスなどのベロシティをイジる際に非常に頼りになります。さすが、この値段だけのことはあります。

また、モニタリングやマイクプリの細かな設定は、専用ソフトの「Focusrite Control」で直感的に行なえます。例えば、Device Settings画面を見ると、アナログ入力が4つ並んでおり、その中で前面の「INST端子」が選べるのは「アナログ1」と「アナログ2」だということがすぐにわかります。また、コンデンサーマイクへの48V電源の供給や位相の反転、ハイパスフィルターの設定などもここで行なえます。入力レベルは本体のレベルツマミで設定する方がラクですが、こちらの画面で、それを数値(dB)で確認することもできます。その他、「Linkボタン」はチャンネル1と2、もしくは3と4をステレオとしてリンクさせるもので、難しいペアリングも不要で快適でした。

実際に録音をしてみましたが、レイテンシーのストレスとは無縁でした。また、注目したのがフォーカスライトならではの「Airエフェクト」機能。これはオリジナルRedプリアンプで定評が高いトランス由来のサウンドを再現する機能で、本機内部のアナログ処理により、ミッドハイがブーストされることで音がグッと前に出て、力強い音色になります。プリアンプを持っていないユーザーには特にうれしい機能だと思います。

さらに、Redシリーズはヤマハなど多くのメーカーが参加しているネットワークオーディオ規格「Dante」に対応しています。ブース用に同社RED NETシリーズを追加したり、Dante対応のPAコンソールと接続してのライブレコーディングをするなどの拡張が可能です。

また、Pro Tools | HDとその他のDAW(Thunderbolt接続で使用)の切り替えが、前述のFocusrite Control上で行なえるので、つなぎ直す必要がないのも便利です。その他、出力系統がモニターアウトとヘッドホンアウトの他、S/P DIFやADATなどプロフェッショナルな環境に対応しているのも魅力です。

フォーカスライトの製品には、すべてを数値で管理したり、完全に制作環境をリコールできるなど、以前よりもさらに堅実な印象を受けました。本機においてもそのキャラクターは健在です。実際、上位機種らしく余裕のある高品位な音で、非常に快適な制作環境が作れました。

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リアパネルにはマイクインを4系統、D-Sub型のラインイン(8ch)とラインアウト(8ch)、Pro Tools HD用のポートを2系統、モニターアウト(L/R)、デジタルイン/アウト(S/P DIF)、オプティカルイン/アウト(各8ch×2)、ワードクロックイン/アウト、ループシンクイン/アウト、Danteを2系統装備

スペック

価格:¥324,000
​接続方式:Thunderbolt
アナログ入出力:8イン/10アウト
デジタル入出力:50イン/54アウト
対応OS:Mac OS X 10.9 Mavericks以降
音質:24ビット/192kHz

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