宅録とライブの両方で使える 高音質を誇るペダル型リミッター
ロジャー・メイヤーRM58 LIMITERを、PENGUIN RESEARCHの神田ジョン(g)が試奏レビュー!
ロジャー・メイヤーRM58 LIMITERを、PENGUIN RESEARCHの神田ジョン(g)が試奏レビュー!
2018/08/14
音楽的なダイナミクスを残したまま、しっかりコンプレッションしてくれるのが素晴らしい
ロジャー・メイヤー
RM58 LIMITER
¥98,000
問:日本エレクトロ・ハーモニックス㈱
TEL:03-3232-7601
http://www.electroharmonix.co.jp
ペダルタイプにも関わらず、スタジオで使われているラック機材と同等のサウンドと性能を持っているリミッター、それがロジャー・メイヤーのRM58 LIMITERです。ロックバンドPENGUIN RESEARCHのギタリストであり、DAWを操って楽曲制作を行なっている神田ジョンさんが、音質や操作性を試してくれました。
取材:永桶喜則(編集部) 写真:小貝和夫
取材協力:Studio Bpm
まず、ツマミの目盛りとかのデザインが、いかにもロジャー・メイヤーっぽいですね。僕は昔からVooDoo-Vibeを使っているので、見た目も馴染みがあります。あと、VUメーターが付いているところが、機材好きとしてはワクワクしますし、このアナログな面構えがたまらないですね(笑)。
今回は、2通りの方法で試してみました。ひとつはペダルエフェクターのようにデモ機にギターを直接つないで、ローランドJC-120を鳴らす方法。もうひとつは、プリソーナスStudio One 4に入っているドラムやシンセのオーディオ素材を、スタインバーグUR-RT2(オーディオインターフェイス)経由で外に出して、デモ機を通すという方法です。
サウンドの第一印象ですが、これの元になったラック型の「RM 58 LIMITER」と同じかかり方をしますね。僕はスタジオでエンジニアさんがRM 58 LIMITERを使っている時に、その音を聴いたことがあるんです。本機は質感がギター用のペダル型コンプ/リミッターとはまったく違って、完全にスタジオクラスのサウンドをペダルに落とし込んでいる印象を受けました。ただ、ヘッドルームが大きいからなのか、オリジナルよりも音がクリアな気がします。
4つのツマミをイジッてみると、動きに連動してVUメーターがすごく正確に反応してくれるんですね。設定によって針が動くスピードが変わるんですけど、それが見やすいんです。音の変化が耳と目の両方で確認できるので、特にアタックとリリースの調整がしやすかったですね。
あと、スレッショルドを突っ込んでいくと、気持ちいい歪みが得られるんですよ。かなりスムーズに変化していくんですけど、いい感じで音が潰れる瞬間があって、ロックなドラムサウンドとかを作るのにはピッタリだと思います。しかも、たんに音を圧縮するだけではなくて、音楽的なダイナミクスを残したまま、しっかりとコンプレッションしてくれるところが素晴らしいですね。この感じはプラグインでは出せないです。ギタリスト的には、デジタルのアンプシミュレーターと組み合わせて試してみたいです。
本機は、音に張りを出したりアタックを強調したりする以外に、補正的な使い方もできるという、宅録とライブの両方で重宝するモデルだと思います。
この製品について
[製品概要]
「RM58 LIMITER」は、ジミ・ヘンドリックスのエフェクトを作っていたことでも有名なロジャー・メイヤーが、1970年代にカスタムメイドのみで製作していた伝説のスタジオリミッターの「RM 58 LIMITER」をペダルタイプにしたモデルだ。スタジオクオリティのサウンドをライブでも使うことができる、ギタリストやベーシストは要注目のモデルだ。
[SPEC]
●コントロール:アタック、リリース、スレッショルド、アウトプット
●入出力端子:−10dBV(イン、アウト)、+4dBV(イン、アウト)
●電源:48V DCアダプター
●外径寸法:220(W)×145(D)×58(H)mm
●重量:1.42kg
リアパネルにはギターやベースを直接つなげられる−10dBVの入出力の他に、ミキサーなどに本機をつなげられる+4dBVの入出力も用意
試奏者プロフィール
神田ジョン(カンダ ジョン)
赤髪がトレードマークの猫好きギタリスト。現在に至るまで様々なバンドやサポート活動に取り組んでいる生粋のバンドマン。その経験を活かしたスタジオワークは、各方面から大きな信頼を得ている。PENGUIN RESEARCHの堀江晶太(b)が作・編曲する楽曲の多くにギターで参加している経緯もあり、同バンドのギタリストとなる。
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