エンジニア飛澤正人氏がモニタースピーカーをチェック!
アダム・オーディオ「T5V」徹底レビュー
アダム・オーディオ「T5V」徹底レビュー
2018/09/15
音楽制作をするうえで、作品のクオリティを左右する重要なアイテムが「モニタースピーカー」です。ここでは一般家屋で導入するのに向いている、ウーファーが4〜5インチのモデルをセレクトして、サウンドをチェックしました。試聴を担当してくれたのは、敏腕エンジニアの飛澤正人さんです。
取材:目黒真二 写真:小貝和夫
ミックスで音を冷静に判断することができる原音再生能力の高さ
アダム・オーディオ
T5V
オープンプライス(¥21,000前後/1本)
問:コンチネンタル・ファーイースト㈱
TEL:03-3583-8451
http://cfe.co.jp
アダム・オーディオの製品らしいシンプルかつ存在感のあるデザインで、それでいて高級感があるのがいいですね。
音もデザインと同様に上品で、とてもキレイな印象を受けました。無理して鳴らしている感じがないので、聴いていて安心できます。リボンツイーターの恩恵なのか、ハイがシャキっとしていてすごく気持ちいいのも特徴で、これはアダムの真骨頂ですね。どの周波数もすごく滑らかに再生されて、低域の再生能力もすごく高いです。このハイとローのスムーズな伸びは特筆ものですね。
上下がしっかり出ている分、中域は少し落ち着いた感じなのですが、足りないのではなくて、すっきりしていると言った方が正解でしょう。2~3kHzがすごく抜けてくるので、ロック系のディストーションギターとかの音を作るのには最適ですね。ジャンル的には、ポップスやロック、あとはEDMとかにも向いていると思います。
それと、音の分離とか原音再生能力もかなり高いと言えます。奥行き感もすごくしっかり見えますし、ミックスで冷静に音を判断できるスピーカーだと思います。なおかつリバーブがくっきり聴こえるところもいいですね。空間の広がり方も自然だし、スイートスポットもすごく広いので、ミキシングの作業をしている時に、スピーカーのド真ん中でじっとしていなくてもいいです。何人かで確認しながらミックスをする場合でも、このモデルは重宝すると思います。
新開発のU-ARTリボンツイーターにより、非常にスムーズで聴きやすいハイを再生してくれる
リアパネルにはレベル調整ツマミと、ハイとローをそれぞれ±2dBブースト/カットできるミニスイッチが装備されている
この製品について
【製品概要】
「T5V」は、5インチのウーファーと新開発のU-ARTリボンツイーターにより、45Hz〜25khzという広い周波数特性を持つモデルだ。宅録や小さいコントロールルームなどの小規模な環境での使用に向いている。ツイーターには、同社のフラッグシップモデル「Sシリーズ」と同様のウェーブガイドが採用されており、高域における均一な放射特性によって、非常に広いスイートスポットを実現している。
【スペック】
●ウーファー:5インチ
●ツイーター:1.9インチ
●出力:50W+20W
●周波数特性:45Hz〜25kHz
●クロスオーバー周波数:3kHz
●最大音圧レベル:≦106dB
●外形寸法:179(W)×298(H)×297(D)mm
●重量:5.7kg
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