エンジニア飛澤正人氏がモニタースピーカーをチェック!
JBL「305P MkII」を徹底チェック
JBL「305P MkII」を徹底チェック
2018/09/15
音楽制作をするうえで、作品のクオリティを左右する重要なアイテムが「モニタースピーカー」です。ここでは一般家屋で導入するのに向いている、ウーファーが4〜5インチのモデルをセレクトして、サウンドをチェックしました。試聴を担当してくれたのは、敏腕エンジニアの飛澤正人さんです。
取材:目黒真二 写真:小貝和夫
名門JBLならではのタイトで元気のある音を低価格で実現
JBL
305P MkⅡ
オープンプライス(¥16,000前後/1本)
問:ヒビノ㈱ ヒビノプロオーディオセールス Div.
TEL:03-5783-3110
http://proaudiosales.hibino.co.jp/
まず、名門JBLのスピーカーが、この値段で手に入るというコストパフォーマンスの高さにはビックリしましたね。
音の方は非常にタイトで、中高域に元気がある、JBLの伝統のサウンドを継承しています。やや固めに聴こえるかもしれませんが、耳に痛いわけじゃなくて、中域の張り出しがある分、音が前に飛び出してくる感じがします。
色々なポジションに置いてみましたが、壁に近づけると他のモデル以上にローが出ますね。リアパネルに付いているディップスイッチでローを1.5dB削ってみると、ちょうどいいバランスになりました。こうして環境によってローの調整をすると、キックとベースのつながりがさらに良くなって、気持ち良くリズム隊の調整ができます。色々なジャンルの楽曲を鳴らしてみましたけど、R&BやEDMのキックとベースの存在感は、今回試した中でも一番心地良かったです。あと、ジャズ系のサウンドでは、ウッドベース特有の質感もきちんと再現してくれました。
それに、左右の自然な広がりがあって、かつ定位感もしっかりしているうえに、センターの音も捉えやすいので、ミックスでパンを決める際にも音が見えやすいと思います。それと同時に、スイートスポットがかなり広いのも特徴です。スピーカーに対してどの位置にいても、バランス良く聴こえるのはこのモデルならではですね。低価格ながらブランドイメージをしっかり継承したスピーカーだと思いました。
ツイーターの周囲には、独特の形状を持つ「イメージコントロール・ウェーブガイド」を採用しており、これによって広くて自然なステレオ感を実現している
リアパネルには、音質調整用のEQを装備している。ローは70Hz以下を「1.5dB」か「3dB」下げることができ、ハイは10kHz以上を「±2dB」上げ下げすることができる
この製品について
【製品概要】
「305P MkⅡ」は、同社の人気モデル「LSR3シリーズ」のドライバに改良を施し、再生性能を大幅にアップさせたモデルだ。同社の最上位モデル「M2」のために開発された「イメージコントロール・ウェーブガイド」を搭載し、広いステレオ音像と、奥行きのある音場の描写能力を有している。スイートスポットが非常に広いのも特徴で、スピーカーの前に立つ位置や環境に左右されずに、正確なモニタリングが行なえる。
【スペック】
●ウーファー:5インチ
●ツイーター:1インチ
●出力:42W×2
●周波数特性:43Hz〜24kHz
●クロスオーバー周波数:1.725kHz
●最大音圧レベル:108dB SPL
●外形寸法:186(W)×298(H)×242(D)mm
●重量:4.7kg
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