エンジニア飛澤正人氏がモニタースピーカーをチェック!

フォーカル・プロフェッショナル「SHAPE 40」徹底レビュー

フォーカル・プロフェッショナル「SHAPE 40」徹底レビュー

2018/09/16


音楽制作をするうえで、作品のクオリティを左右する重要なアイテムが「モニタースピーカー」です。ここでは一般家屋で導入するのに向いている、ウーファーが4〜5インチのモデルをセレクトして、サウンドをチェックしました。試聴を担当してくれたのは、敏腕エンジニアの飛澤正人さんです。

取材:目黒真二 写真:小貝和夫

 


目の前で演奏しているように感じられる臨場感のある自然な出音

フォーカル・プロフェッショナル
SHAPE 40

¥49,000(1本)
問:㈱メディア・インテグレーションMI事業部
TEL:03-3477-1493
http://www.minet.jp/
 


 

木目調の本体と、その横に付いているラジエター、それと角を取ったデザインが革新的ですね。渋い仕上げも僕の好みですし、これまでのスピーカーの常識を覆そうとしているかのような、開発者側の強い意志が感じられました。

肝心のサウンドですが、ダイナミックレンジといいスピード感といい、すべてが素晴らしくて申し分ないです。音に躍動感があって、サウンドに余裕みたいなものを感じます。つまり、無理して鳴らしていなくて、素直な音が出ているんです。演奏を目の前でしているかのように感じられる臨場感もあります。各帯域の音がバランス良く豊かに響いているので、音作りがしやすいと思いました。

非常にフラットで、色付け感はないんですけど、決して「味気ない」とか「素っ気ない」という意味ではなくて、メーカー側が十分作り込んだうえで、非常に自然な音に仕上がっています。ですので、原音再生能力も文句なしです。一番の特徴であるパッシブラジエターは、ウーファーのサポートをしているような印象で、これによって中低域がすごく見えやすくなっているのだと思います。奥行きとか左右の定位もよくわかりました。

あと、モノラルでかかっているリバーブの質感まできっちりと再現できているのには驚きました。他の機種の中には、モノラルのリバーブが多少左右に散ってしまう傾向が見られるものがあるんですけど、このモデルでは元のミックスの通り、正確に再生されていました。
 

筐体の両サイドに、本モデルの最大の特徴であるパッシブラジエターを装備。豊かでありながらも非常にナチュラルな低域と超低域を再生することができる。天然のサブウーファーという印象だ

ロー、ミッドロー、ハイの出方をそれそれ無段階で調整できるEQツマミを装備。さらに、80Hz以下を削れるハイパスフィルター・スイッチも付いている
 

この製品について

【製品概要】
「SHAPE 40」は、亜麻繊維を用いたウーファーと、筐体の両サイドに搭載された2つのパッシブラジエターにより、正確に制動された低域と限りなくフラットな中域・中低域を実現。さらに新開発のツイーターによって高い解像度を誇る高域を再生することができる。多くのプロが使っており、そのサウンドは非常に透明度が高く、例えば6畳以下の宅録環境でも理想的なリスニングを行なうことが可能になっている。

【スペック】
●ウーファー:4インチ
●ツイーター:1インチ
●出力:25W(HF)+25W(LF)(Class AB)
●周波数特性:60Hz〜35kHz  
●クロスオーバー周波数:3kHz
●最大音圧レベル:102dB SPL(ピーク@1m)
●外形寸法:161(W)×257(H)×200(D)mm
●重量:5.4kg
 

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