話題の動画配信向き小型ミキサー

ローランド「GO:MIXER PRO」の楽曲制作での使い勝手をレビュー

ローランド「GO:MIXER PRO」の楽曲制作での使い勝手をレビュー

2019/01/16


持ち運びが簡単で、いつでもどこでも楽曲制作が行なえる超小型ミキサー

ローランド
GO:MIXER PRO

オープンプライス(¥20,000前後)
問:ローランド㈱お客様相談センター
TEL:050-3101-2555
https://www.roland.com/jp/
 

動画配信などに便利な点から、最近YouTuberに注目されているのがローランドGO:MIXER PROです。今回は本機を楽曲制作で使って、その音質や使い勝手を検証してみました。

試奏・文:野村大輔 写真:生井秀樹

試奏は、まずiPhoneを付属のケーブルで本機に接続し、スマホ版のアップルGarageBandにレコーディングしました。ギターからボスGT-1(マルチエフェクター)を介し、GO:MIXER PROのギター/ベースインへ入力。同時にアストン・マイクロフォンAston Origin(コンデンサーマイク)を本機のXLR入力に接続して、歌の録音もしてみました。GT-1を使ったのは、本機はダイレクトモニタリング機能が常にオンになっているためです。

本体にはiPhoneなどのスマホをホールドする溝があり、ここに立てかけた状態で画面を見ながら作業ができます。試しにギターを4トラック、ボーカルを1トラック、次々に重ねてみましたが、特に操作に戸惑うことなく、アッという間に重ね録りができました。

テイクを重ねていく際に注目なのが、ループバック機能をオフにできる点です。ループバックがオンのままだと、自分がモニターしている音も一緒に重ねられてしまいますが、本機はオフにできるので、純粋に演奏している楽器や歌だけを前のテイクに重ねることができます。これは曲の楽器構成を考える際などに便利です。

収録したサウンドを確認してみると、低音域から高音域まで素直なサウンドで録れていて、コンプ感は多少あるものの、それが功を奏して後からミックスがやりやすい質感と言えます。また驚くべきは、この小さな筐体に9つの入力chと、2つの出力chを装備している点です。ギターやキーボード、マイクなどを接続しっぱなしで作業ができるのは、ユーザー視点から見て、かなり使い勝手がいいのではないでしょうか。

さらに、ミキサー部には主な入力ソースに対応した各レベルツマミが独立して装備されています。マイクや鍵盤、ギターなどのアイコンが表示されているので、どこのツマミを触ればいいのかが視覚的に一発でわかるでしょう。これなら機材に詳しくないYouTuberなどのクリエイターや、初心者のDTMerでも気軽に扱えるはずです。

GO:MIXER PROは、動画配信用途を前面に押し出しているモデルですが、高音質でいつでもどこでも楽曲制作ができるという点で、多くのDTMerにもオススメしたい魅力的な製品です。
 

 

今回、試奏を担当してくれたギタリストの野村大輔氏

今回の試奏に使用した機材。上からアストン・マイクロフォンAston Origin(コンデンサーマイク)、ボスGT-1(マルチエフェクター)、GO:MIXER PRO。電池で駆動している時でも、コンデンサーマイクにファンタム電源を送ることができる点も本機の特徴だ
 

 

この製品について

【製品概要】
軽量ボディにオーディオインターフェイスとミキサーを凝縮した、スマホでの動画撮影で人気の「GO:MIXER」が、単4乾電池4本による駆動に対応し、さらなる進化を遂げたのが「GO:MIXER PRO」だ。動画撮影アプリの「4XCAMERA」と「Virtual Stage Camera」が、有料版と同じフルバージョンで利用できる。なお、「Virtual Stage Camera」のフル版は、GO:MIXERでも使用可能だ。
新搭載の「LOOP BACK」機能は、オフにするとマイクや楽器の音のみが録音されるため、パートごとの動画を録って重ねていく時に便利。オンにすると、再生している動画の音声も一緒に録音される。ちなみに電池ボックス部分は、スマホを置くためのスタンドとしても活用することができる。

【スペック】
●チャンネル数:入力9ch、出力2ch
●入出力:インストイン(標準フォーン)×2、ラインイン(ステレオミニ)×2、ギター/ベースイン(標準フォーン/Hi-Z対応)、プラグインマイクイン(ミニタイプ、プラグインパワー対応)、マイクイン(コンボタイプ/バランス)、モニターアウト(ステレオミニ)、USB端子(マイクロB)
●電源:USBバスパワー、アルカリ電池/充電式ニッケル水素電池(単4形)×4
●外形寸法:104(W)×155(D)×41(H)mm
●重量:220g(本体のみ)

試奏者プロフィール

 

野村大輔(ノムラ ダイスケ)
レコーディングやライブのサポート、作・編曲、ギター講師、執筆活動など幅広い分野で活動しているギタリスト。ブルースをベースにしたプレイスタイルが持ち味で、歌メロの良さを引き出すギターアレンジを得意としている。最近はMusic Jam Tracksチャンネルにおいて、ギターやボーカル、ドラムなどのマイナスワン楽曲を、YouTubeにアップしている。
https://www.youtube.com/c/MusicJamTracks

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