MONTAGE直系のサウンドが安価で手に入る!

ヤマハの人気シンセサイザー「MODX6」レビュー

ヤマハの人気シンセサイザー「MODX6」レビュー

2019/01/21


どこにでも持ち運べてライブや音楽制作ができる軽量設計が魅力!

ヤマハ
MODX6

オープンプライス(¥117,000前後)
問:㈱ヤマハミュージックジャパン お客様コミュニケーションセンターシンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口
TEL:0570-015-808
https://jp.yamaha.com/products/music_production/synthesizers/modx/index.html
 

ヤマハのフラッグシップシンセ「MONTAGE」の高品位なサウンドを、低価格で手に入れられることで人気を呼んでいるのが「MODXシリーズ」です。“ライブ指向のキーボーディストへの最適解”がコンセプトの同シリーズですが、DTMにも便利な機能を搭載しています。今回は61鍵モデルのMODX6で、音色以外に楽曲制作での活用法にも注目してみました。

試奏・文:内藤 朗(FOMIS) 部分写真:生井秀樹
 


 

MONTAGEと遜色ないレベルの
FM音源+AWM2(PCM)音源を内蔵

今回試奏したのは、MODXシリーズの中で一番小さいモデル「MODX6」で、まず何と言っても本体の軽さに驚きました。6.6kgと軽量ですので、どこにでも持ち運べます。ライブや外部のスタジオに機材を持ち込む際に重さはとても重要ですが、その点、本製品の軽さは大きなメリットになっていると同時に、使い慣れた機材をどこにでも運ぶことができるという安心感があります。

まず、プリセット音色をひと通りチェックしてみました。同社のフラッグシップシンセ「MONTAGE」直系のエンジンによる、FM音源とPCM音源のハイブリッド音源のサウンドが、評判通りのクオリティを持っています。本家のMONTAGEと比較しても遜色ないレベルなのには驚きました。特にFM音源部については、タッチの強弱によるFM音源ならではの大胆なサウンド変化が得られます。昔のFM音源シンセの音色は、音域によってはノイジーな感じになることがありましたが、本機の場合はそれが気にならないレベルにまで音質が向上しているのを感じました。

FM音源の音色を、PCM音源の中でサンプリングして再現しているモデルの場合、FM音源固有のタッチによる音色やダイナミクスの表現までは再現性が十分ではないものが多くありました。それだけに本物のFM音源の装備は、本製品の大きなアドバンテージになっていると思います。プリセット108番のDX直系エレピサウンド「Full Tine 2」や、32番のアコースティックピアノとのレイヤーによる「FM EP & CFX Grand」などのように、FMエレピサウンドは期待を裏切らないクオリティとレスポンスで、この音色だけでも“買い”と言っていいほどです。

曲作りを進めるうえで、サウンドのクオリティが高いというのは重要なファクターです。その点、MODX6のプリセット音色の質は全体的に高いので、プリセットを選んで演奏するだけでも色々な曲のイメージが浮かんできます。また、自動演奏に便利なアルペジエーターを内蔵しており、キーボードの演奏に慣れていない人でも様々なフレーズを演奏させることが可能ですので、曲作りの際に活用するといいでしょう。

割り当てられた複数のパラメーターを同時にコントロールできるスーパーノブ。音色のモーフィングやフィルターのカットオフなどの連続変化が、複合的かつ劇的に変わる。曲中で使うと非常に効果的だ

4つのノブは、左のスイッチを切り替えることで音色のクイックエディットが行なえる他、EQの調整やアルペジエーターの設定などを行なうことができる。また、アサイナブルノブとしても活用することが可能だ
 

「MODX Connect」を使えば
DAWソフトとの連携も簡単にできる

さて、MODX6にはリアルタイム録音ができるシーケンスレコーダーが装備されていますが、いわゆるオールインワンシンセに内蔵されているような本格的なシーケンサーは装備されていません。本機で曲作りを行なうには、DAWソフトを併用することになります。

MODX6にはオーディオインターフェイス機能(16ビット/44.1kHz固定)が内蔵されており、ギターやマイクなどを接続するためのA/Dインプット端子も装備しています。ですから、本機とパソコンがあれば、付属のDAWソフト「CUBASE AI」を使用して音楽制作の基本的な環境を整えることが可能です。

試奏していて特にいいなと思ったのは、DAWソフトのモニター音量を調整できる、専用のボリュームノブが用意されている点です。作業中、本体の音量とDAWソフトの入出力音量を調整することがありますが、本機の場合は本体のツマミで直接変更できるので、ストレスを感じません。また、前述の通り本体が非常に軽いので、パソコンと本製品を持ち出せば、どこでも自分の制作システムで作業を進めることができます。

さらに注目してほしいのが、MODX6とパソコンを使用して曲作りを効率的に進められる、「MODX Connect」というユーティリティソフトが用意されている点です。MODX Connectはスタンドアロンでも使用できますが、VST3やAUプラグインとしてDAWソフト上で起動して使うこともできます。プラグインとして起動することにより、MODX本体で作成したソングのMIDIデータを、DAWソフトのプロジェクト上にドラッグするだけでインポートができ、DAWソフト上で細部の編集など、さらなる楽曲の作り込みを行なうことができます。

この他、MODX本体でエディットしたパフォーマンスデータをパソコンに保存することも可能です。特に曲作りにおいて便利なのは、MODX Connectをプラグインとして使うと、ソングデータをインポートしたプロジェクトファイルに、パフォーマンスデータもまとめて保存できるという点です。これによって後から曲のプロジェクトファイルを開いた際にもMODX本体の状態が再現されるので、作業が中断していた場合も、続きからの制作がスムーズに行なえます。

MODX6は、パソコンで曲作りをしていて、ハードウェアのシンセサイザーを使ってみたいと思っているギタリストにとっても、音質と作業面の両方において重宝するモデルです。
 

DAWソフトと連携して曲作りを行なう際、パソコンとの接続にはこのUSB端子を使う

A/Dインプット端子には、アクティブタイプまたはエフェクターを介したギターやベースを接続することが可能だ
 

マスターボリュームの他に、USBモニターボリュームと、オンオフの切り替えスイッチを有したA/Dインプットボリュームを装備。オーディオインターフェイス機能を使う際に、様々な音量調整で重宝する

 

MODX6上で作成したソングデータを、DAWソフト上に読み込んだ状態。MODX Connectのウインドウ内のソング名が表示されている部分をプロジェクト上にドラッグするだけで、MIDIデータが各トラックに割り振られる。インポート後はそのままDAWソフト上で編集することが可能だ
 

この製品について

【製品概要】
「MODX6」は、同社のシンセのフラッグシップモデル「MONTAGE」に搭載されていた音源システム「Motion Control Synthesis Engine」を受け継いだ61鍵モデルだ。高品位なAWM2サウンドとダイナミックなFM-Xサウンドを、多彩なコントローラーを使って連続的に変化させることができる。また、タッチパネル操作対応の大型カラーLCDを採用。76鍵モデルのMODX7(¥148,500前後)と、88鍵モデルのMODX8(¥171,000前後)も発売中。

【スペック】
●音源方式:Motion Control Synthesis Engine(AWM2 x FM-X)
●入出力端子:アウプット(L/モノ、R)、A/Dイン(L/モノ、R)、ヘッドホン(以上標準フォーン)、USB、MIDIインアウト、フットコントローラー×2、フットスイッチ×2(アサイナブル、サスティン)
●電源:付属アダプター
●外形寸法:937(W)×331(D)×134(H)mm
●重量:6.6kg

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