手のひらサイズのオーディオインターフェイス

ズームGCE-3の音質を、ミオヤマザキのtakaとザ・ピロウズの真鍋吉明がレビュー!

ズームGCE-3の音質を、ミオヤマザキのtakaとザ・ピロウズの真鍋吉明がレビュー!

2019/05/14


200種類以上のエフェクトが使えるお得なオーディオインターフェイス

ズーム
GCE-3

オープンプライス(¥10,000前後)
問:㈱ズーム
TEL:0570-078206
https://www.zoom.co.jp
 

ズームから超コンパクトなオーディオインターフェイス「GCE-3」が発売されました。専用アプリの「Guitar Lab」と組み合わせて使うことで、同社の定評あるギター用/ベース用マルチエフェクターに搭載されている膨大なサウンドを鳴らせます。本機の実力を、ミオヤマザキのtakaさんとザ・ピロウズの真鍋吉明さんという2人のプロギタリストが検証してくれました。
 

取材:永桶喜則(編集部) 写真:小貝和夫

※本コンテンツは音楽雑誌「サウンド・デザイナー」(2019年5月号)より抜粋したものです。
詳しくは、サウンド・デザイナー公式サイトをご覧ください。




ズームが満を持して発表した「GCE-3」は、左右106mmで重さがわずか90gという、服のポケットにもスッポリと入ってしまう、超コンパクトなモバイル性に優れたオーディオインターフェイスです。

ポイントは、MacとWindowsのどちらにも対応している専用アプリの「Guitar Lab」で、GCE-3は必ずこのアプリを組み合わせて使います。通常、この手のアプリは、まずプリセットを選ぶことが多いと思います。ところがこのGuitar Labは、最初に8機種分用意されているズームのマルチエフェクターの中から、自分が使いたいものを選ぶという、今までにはなかったユニークな仕様になっています。

選択できるモデルは、ギター用がG5nとG3n、G3Xn、G1 FOUR、G1X FOURの5種類。ベース用はB3nの他に、4月の下旬から発売される予定のB1 FOURとB1X FOURも選べるようになっています。アプリ上で使いたいマルチを選ぶと、それに該当するハードの実機に内蔵されている高品位なアンプやエフェクター、プリセットをすべて使えます。

なお、DTMでは1人でギターだけでなく、ベースを録音しなければいけないケースも多いと思います。GCE-3ならば、1台でギターとベース両方の豊富な音色を使って音作りや録音をすることができるので、作曲ツールとしても最適です。
また、対応している8機種のマルチの実機をどれか持っていれば、Guitar Lab上で作ったパッチを、USB経由で実機に読み込ませることも可能です。例えば、家でパソコンを使ってじっくり作ったパッチを実機に移し、それをライブやリハスタでの練習などに使うこともできるのです。

さらに驚きなのが、小型のボディに高性能なDSPを内蔵している点です。これにより、パソコンのCPUにかかる負荷を軽減することができ、演奏や音作り、録音に集中することができます。

モバイル性に優れているだけでなく、複数のマルチの音色が使えて、ストレスフリーで演奏をすることができるGCE-3。初心者はもちろん、中級者のサブインターフェイスとしてもオススメなモデルです。
 

/

 

スペック

●入出力端子:インプット(標準フォーン)、AUXイン(ステレオミニ)、ヘッドホン(ステレオミニ)、USB2.0(Type-C)
●サンプリング周波数:44.1 kHz
●電源:USB バスパワー(Type-C)、DC 5V 電源(Micro-B/別売ACアダプターAD-17)
●外形寸法:106(W)×80(D)×29(H)mm
●重量:90g
 

taka(ミオヤマザキ)'sインプレッション


 

ズームのマルチのサウンドが進化した形で
すべてGuitar Labに集約されている


──GCE-3の第一印象を教えてください。
taka:箱を開けて手に取ってみると、あまりにも本体が小さくて軽かったので、驚きと同時に、その時点ですぐに「ハードだけで完結するんじゃないな」ということがわかりました。そうしたら、やっぱり「Guitar Lab」という専用アプリがありましたね。あと、とにかく服のポケットにも入ってしまうのが便利ですね。

──Guitar Labを使うことで、ズームのマルチエフェクターの音色をエミュレートできる点についてはいかがですか?
taka:使いたいものがすべてGuitar Labに入っているので、曲作りにかなり向いていると思いました。実は、僕が10年前くらいに初めて買ったマルチエフェクターが、ズームのG7.1utだったんです。あの頃から受け継がれているズームのマルチエフェクターのサウンドが、かなり進化した形ですべてGuitar Labに集約されているという印象を受けました。

──ズームのマルチエフェクターの印象を教えてください。
taka:このGCE-3もそうなんですけど、ズームのマルチは特にクリーンがすごくいいんですよ。すごく上品な印象のサウンドで。ただ、その伝統は受け継がれていつつも、GCE-3はサウンドのクオリティが、かなり良くなっていますね。

──今回の試奏方法を教えてください。
taka:自宅の制作環境で試奏をしたんですけど、アップルiMacにインストールしてあるアップルLogic Pro Xにレコーディングして、プリセットのサウンドを中心にチェックしました。ギターはESPの自分のカスタムモデルとPRSを使いました。各音色はモニタースピーカーで聴いて、ヘッドホンでも確認しています。

──録音をしている際のギターの弾き心地はいかがでしたか?
taka:音がいいので、とにかくギターを弾いていて気持ちいいですね。レイテンシーもまったく感じなかったです。なので、ストレスがないですし、Guitar Labのおかげですべての操作が直感的にできるんですよ。画面の構成もシンプルですし、プリセットの特徴を日本語で解説しているのがいいですね。自分で曲を作りたいんだけど、「オーディオインターフェイスって何?」って思っているような、若い子達に使ってほしいですね。GEC-3を音楽制作の入口にするのもいいと思いますし、いろんな人に使ってほしいです。

──takaさんご自身がGuitar Labで気に入った機能はありますか?
taka:他の製品だと、自分が作ったプリセットを保存するのが面倒じゃないですか。でも、Guitar Labには「クリップボード」という機能が用意されていて、自分で作ったアンプとエフェクトの設定や、それらを組み合わせて作ったチェーンをツマミの設定ごと、マウスでドラッグするだけで瞬時に保存できるんです。これなら曲を作っている時にプリセットを保存するのに手間取ることもないですし、こういう点も制作に向いていると思いました。

──内蔵のプリセットで、特に気に入った音色はありましたか?
taka:「FacialCln」はすごく音がキレイで、クリーンの中でも特に気に入りました。歪み系では「MtlMonster」がエグくて良かったですね。あと、ミオヤマザキはドロップチューニングを使うんですけど、それ用のプリセットが入っているのもうれしかったです。他にも「RobotTalk」のような、マルチならではの飛び道具系の音色も入っていて、そういう自分が想像もしない音や、自分では作れない音って、曲を作る時に重要なんですね。音色から曲のイメージが生まれることもありますし、そういう意味でもGCE-3は作曲ツールだと思います。

──では、takaさんだったらこのGCE-3をどういう風に使いますか?
taka:長期間のツアーに出ることがあるんですけど、ぜひ旅先のホテルとかで曲を作る時に使いたいですね。ツアーというハードなスケジュールの中でも、うちらに求められる作曲のスピードは変わらないので(笑)。今まではホテルの部屋にギターとケンパー、パソコンやオーディオインターフェイスとかを全部持ち込んでいたんです。でもGCE-3だったら、部屋に持って行くのはギターとノートパソコンだけで済みますし、めちゃくちゃラクですね。ツアーに出るのが今から楽しみです!

ベースでもチェック。takaいわく「最近はベーシストで音楽制作をする人が増えているし、GCE-3を手に入れれば、かなり助かると思います」とのこと

3月に香港でのイベントに出演した帰りに宿泊した福岡のホテルで、早速GCE-3を曲作りで使用
 

最新アルバム『un-speakable』
TOIL&MOIL MIOY-0001
¥2,000 発売中

【試奏者プロフィール】

taka(タカ)
4人組ロックバンド、ミオヤマザキのギタリスト。シンガーのmioによる、”男性は心拍数が上がり、女性は皆共感する”恋愛の陰を描いた歌詞と、圧倒的なライブパフォーマンスにより熱狂的なファンを獲得。大きな話題と様々な謎に包まれたまま、2014年にシングル「民法第709条」でデビュー。10~20代の女性を中心に絶大な人気を誇っている。
 

真鍋吉明(ザ・ピロウズ)'sインプレッション

 

私はGCE-3をスタジオ機材として、
自宅での制作やアレンジで使いたいと思う


──まず、GCE-3を手にした時の第一印象を教えてください。
真鍋:誰しも思うことでしょうけど、あまりにも小さくて軽いので、最初は「これ何?」って感じでしたね(笑)。オーディオインターフェイスの試奏と聞いていたんですけど、ミニチュアのフィギュアっぽくて、完全に予想を裏切られました。でも、遊び心があって、かわいいですね。

──ズームのマルチエフェクターの音色をエミュレートできる点についてはどう思われましたか?
真鍋:素晴らしいですね。見た目からは想像できないほど使える音色や機能が多いので守備範囲が広いですし、あらゆる音色がこれ1台でまかなえると思いました。しかも、フラッグシップモデルであるG5nとB3nの音色もすべて使えるなんて、コスパ良過ぎですよ(笑)。

──今回の試奏方法を教えてください。
真鍋:モバイル用途にもピッタリなので、ツアー先のホテルの部屋で試しました。アップルのMacBook ProでGuitar Labを立ち上げて音を鳴らしてみたんですけど、クリーンとクランチの音が突出して良かったですね。G5nのエミュレート時に、G5n用プリセットとして130個くらいあるんですけど、さらにGuitar Lab上に270個くらいありますので、合わせてG5n用として400個くらいのプリセットが利用できます。特に前半の方にとてもいい音がたくさん入っていて、弾いていてとても気持ちいいんですよね。この手のマルチは歪みは問題ないんですけど、クリーンとクランチがデジタル臭いというか、イマイチな場合が多いんですよ。でも、GCE-3のクリーンはとてもリアルで、プリセットの前半に入れているということからも、開発者の自信を感じました。中でも特に「FacialCln」というプリセットは秀逸でしたね。

──プリセットをどう試したのですか?
真鍋:私の場合、一度コンプとかリバーブを全部外して、アンプとキャビネットだけの状態にして試すんですね。その状態で気持ちいい音が出れば、あとはどんなエフェクターを足しても大丈夫なんです。エフェクターを使わないと気持ちいい音にならないモデルも多いんですけど、GCE-3はアンプとキャビネットというベーシックな要素だけで気持ちいい音が作れたのが好印象でした。

──自宅のプライベートスタジオ環境でも試されましたか?
真鍋:モニタースピーカーを鳴らして、実際にアビッドPro ToolsとアップルLogic Pro Xで録ってみました。今まで録った音源を、GCE-3で録り直してみたくなりましたね。私は今までアビッドのEleven Rackだけで音作りをしていたんですけど、新しい選択肢が出来ました。それくらいクオリティが高いです。

──GCE-3は、豊富なベース音色が使えるのも特徴になっていますよね?
真鍋:実はピロウズのサポートベーシストの有江(嘉典)くんが、実機のB3nを使っているんですね。なので音を知っているんです。Eleven Rackにもベースアンプは入っていますけど、選択肢が少ないんですよ。でも、GCE-3ならたくさんのベース音色が選べますし、デモや曲作りをする時には便利でしょうね。あと、アコギをシミュレートする「TAcoustic」というプリセットのクオリティが高かったです。曲を作っている時に、アコギに持ち替えたり、マイクを立てたりぜずに、すぐにアコギの音を録れるのはアドバンテージが高いと思いました。

──では、真鍋さんなら、このGCE-3をどのような用途で使いますか?
真鍋:私はツアー中に指のコンディションを保つために、いつもギターを弾いているんですね。何本もライブをすると、やっぱり指が疲れてくるので、事前に弾けるようになりたい曲を1曲用意して、トレーニングをしているんです。ちなみに今回のツアーでは、バッハを練習しているんですけど。GCE-3は音がいいので、そういう練習用途にもピッタリだと思います。とは言いつつも、GCE-3はアイディアが浮かんだ時に、頭の中にあるサウンドのイメージを逃さずに、瞬時にDAWソフトに録れるんですね。なので、私はこのGCE-3をスタジオ機材として、自宅での制作やアレンジとかでも使いたいと思います。

ベースのプリセットの中には、有名ベーシストの音色を再現したものも多く入っており、アンソニー・ジャクソンやマーカス・ミラーの音色が気に入ったようだ

ツアー先の大阪のホテルの部屋でチェック。指のコンディションを整える練習にも使いたいとのこと
 

最新アルバム『REBROADCAST』
DELICIOUS LABEL QECD-10008
¥3,000 発売中

【試奏者プロフィール】

真鍋吉明(マナベ ヨシアキ)
ザ・ピロウズのギタリスト。バンドが持つ唯一無二なポップセンスに裏打ちされたサウンドは、日本以外に海外のロックファンからも高い評価を受けている。トリビュートアルバムにはMr.ChildrenやBUMP OF CHICKENなど、ビッグアーティストが参加し、プロのフォロワーも多い。2013年にはソロでインストアルバム『Rutile』を発表した。
 

この記事の画像一覧

(全10枚) 大きなサイズで見る。

インタビュー

インタビューの記事一覧はコチラ

関連する記事

インタビュー

インタビューの記事一覧はコチラ
PAGE TOP