しっかりした鍵盤と反応のいいパッドで快適に演奏できる

ネクターのMIDIキーボード/コントローラー
「Panorama T6/T4」徹底レビュー

ネクターのMIDIキーボード/コントローラー「Panorama T6/T4」徹底レビュー

2019/06/15


ネクターPanorama Tシリーズは、パソコンを使った音楽制作環境をより快適にする、「キーボード」、「パッド」、「コントローラー」を1つのボディに凝縮した製品です。ソフト音源やDAWとの連携をスムーズに行なえる点が大きな魅力となっています。その実力をチェックしてみました。

文:平沢栄司

Panorama T6(61鍵モデル ¥52,000)/Panorama T4(49鍵モデル ¥42,800)

nectar t

 

搭載されている主なコントローラー

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①スライダーは9本。ミキサーモードの場合、8トラック分+マスターのフェーダーとして機能し、インストゥルメントモードではフィルターやアンプのエンベロープジェネレーターの操作で利用する。その下に並ぶボタンは、ミュートのオン/オフやシンセのパラメーター群の切り替えで使う。

②液晶ディスプレイには、連携しているソフト音源やDAWのパラメーターが表示される。その直下に並ぶ4つのボタンはファンクションキーで、ディスプレイに表示されている機能の選択やオン/オフで利用する。その下にはDAWコントロール関連のボタンが並んでいる。

③Panorama Tは、汎用のMIDIコントローラーとして機能するインターナルモード、DAWと連携してミキシングなどの操作を行うミキサーモード、ソフト音源と連携して音作りなどを行なうインストゥルメントモードと、複数のソフト音源を扱うためのマルチモードが用意されている。

④8つのツマミはロータリーエンコーダーになっていて、回すとソフト側の設定値を起点に+/−できるため使い勝手がいい。その下にはトランスポート系のボタンが並ぶ。

⑤反応が気持ちいい8つのパッド。バンク切り替えで16パッド分の割り当てが可能だ。パッドにはLEDのバックライトがあり、叩くと色が変わる。

⑥ホイール式のベンダーとモジュレーションを装備。その上にはオクターブの切り替えボタンと、鍵盤&パッドのリピートオン/オフボタンが並ぶ。

⑦見た目はピアノ鍵盤風だがピアノタッチではなく、程良い重さを感じるシンセタッチ

インテグレーションファイルでDAWの高度な操作が可能に!

まず、キーボードを弾く身として気になる、鍵盤からチェックしました。シンセタッチながらも程良い重さと剛性感があって、弾きやすい鍵盤です。アフタータッチにも対応しているので、シンセプレイの表現の幅が広がります。

パッドは叩いた時の強弱に対する反応が良く、指ドラムの演奏も気持ち良くできました。また、ベロシティ値をモジュレーションホイールで可変する機能や、選んだパッドのベロシティ違い(弱→強)を、8つのパッドに振り分ける機能があります。これは、音色変化の確認やステップ入力時の強弱調整に便利です。

面白いのが鍵盤/パッドの双方にあるリピート機能です。ボタンをオンにしている間だけ、押さえている音を指定したリズムで反復して鳴らせるので、鍵盤が苦手なスタッター的な奏法や、打ち込みに活用できます。押さえた和音を記憶して1本指で演奏できる「コードメモリー」と組み合わせると面白そうです。

演奏や入力ツールとしての基本性能が高いPanoramaTですが、MIDIコントローラーとしても超強力なツールである点が最大の魅力です。自分でソフト音源やDAW側のパラメーターにマッピングしなくても、主要DAWに対応したインテグレーションファイルを事前にパソコンにインストールするだけで、Panorama TとDAWを連携させるための設定を済ますことができます。フェーダーやパン、トランスポートなどの基本操作に加えて、各種機能や画面の呼び出し、付属プラグインの操作まで、Panorama T側で行なえます。

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現在はBitwig、CUBASE、GarageBand、Logic、Nuendo、Reaper、Reasonという7つのDAWに対応している。インテグレーションファイルをインストールしておけば、各DAWのコントローラー設定画面にPanorama Tが表示され、DAWのパラメーターや各種操作と、Panorama Tの操作系とのマッピングが完了し、高度なコントロールが可能になる

付属のBitWig 8-TrackというDAWで試したところ、コントローラー設定画面にはすでに本機がリストアップされており、かなり細部まで操作できることに驚きました。本機のキー操作を覚えれば、小気味良く作業を進められるでしょう。

また、もしインテグレーションファイルを持たないDAWであっても、定番のMackieコントロール(MCU)に対応していれば大丈夫です。手持ちのStudio One 3とSONAR Platinumで試したところ、フェーダーやパン、トランスポート系の操作ができました。いずれも少しバージョンの古いDAWですが問題なくコントロールできたので、様々な環境で即戦力として活用できるでしょう。

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このようにBitWigのトラックの様子(上画像)がPanorama Tの液晶ディスプレイ(下写真)にも表示される。下段のTrackボタンで選択トラックを切り換えたり、Zoomボタンで横軸ズームイン/アウトの調整をすることが可能だ

強力な自動マッピング機能と音色管理機能を持つNektarine

パネルに並ぶツマミやスライダー、ボタンでソフト音源を操作する際、強力な武器となるのが「Nektarine」(ネクタリン)です。これはPanorama Tと各種ソフト音源の間を取り持つプラグインです。ファクトリーマップが用意されている音源であれば、コントローラーの割り当てなどの面倒な設定は不要。Panorama Tからソフト音源を操作したり、Nektarineに登録した各種ソフト音源の音色を、高性能なブラウザで一括管理できるようになります。

筆者の手持ちのu-he Repro-5(ソフト音源)で試してみました。パネル左のボタンでオシレーターやフィルターなどのパラメーター群を切り換えつつ、ツマミとスライダー、ディスプレイ下のボタンを使って、ハードシンセのような感覚で音色エディットができます。選んでいるパラメーター群の一覧と、その値が液晶ディスプレイで確認できるため、ソフト音源側の画面を見ずにサクサク操作できました。また、Nektarineのブラウザにパッチリストを読み込んでおけば、Panorama Tのディスプレイに音色バンク名や音色名がリスト表示されるので、音色選びも容易です。

しっかりした鍵盤と、レスポンスが良く多機能なパッド、ソフト音源やDAWと高度な連携が可能なコントローラーを備えたPanorama Tシリーズ。パソコンを使った制作環境の操作性に不満を持っている、本格志向のDTMerに試してほしいMIDIキーボード/コントローラーです。特に、ソフト音源をメインで使っている人にオススメしたいですね。

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Nektarineから登録したソフト音源を呼び出すことで、Panorama Tでコントロールできるようになる。ここでは、ファクトリーマップが用意されているu-he社のRePro-5を呼び出してみた。他にもブラウザ画面から演奏したい音色名で対応する音源を呼び出したり、画面下の「+」ボタンをクリックすることで、最大8台までソフト音源を追加することができる

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例えば、RePro-5の「OSC A」(上画像)をエディットする場合、パネル左のOSC1ボタンを押すとPanorama Tの液晶ディスプレイにOSC Aのパラメーターが表示され(下写真)、8つのツマミとディスプレイ下のボタンで操作できるようになる。なお、Nektarineにはパラメーターのマッピングをエディットする機能もあるので、ファクトリーマップを修正したり、自分でマップを作成することも可能だ

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