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ボーカル録音に最適なUADプラグイン4選・徹底レビュー

ボーカル録音に最適なUADプラグイン4選・徹底レビュー

2019/07/15


ユニバーサル・オーディオの人気DSPプラグイン、UAD-2。そのラインナップには、ボーカル録音に最適なプラグインが多数あります。その中から4製品をピックアップし、実際に歌録りでその性能を試してみました。

文:門垣良則

Antares Auto-Tune Realtime Advanced

Auto-Tuneをリアルタイムで使えるように改良

Antares Auto-Tune Realtime Advanced

$299.00

有名なボーカルピッチ補正プラグイン「アンタレスAuto-tune pro」をベースに、UAD-2に対応する形で開発されたプラグインです。同社のDSP内蔵オーディオインターフェイス「Apolloシリーズ/Arrow」で使うと、ライブでも使用可能なレベルまでレイテンシーを抑えられます。これまでAuto-Tuneの効果を得るために、ステージにハードウェアのエフェクターを持ち込んでいたアーティストには朗報でしょう。

基本的には、「KEY」と「SCALE」を楽曲に合わせれば本ソフトは機能します。RETUNE SPEEDが「0」だとエフェクトボイスになり、値を増やしていくと自然な感じになり、FLEX-TUNEとHUMANIZEを組み合わせると、よりナチュラルになります。素早く正確なピッチで仮歌を収録したいコンポーザーにも、この上ない快適さを提供してくれるでしょう。また、バイオリンやチェロはもちろん、ベースなどの楽器のピッチを補正する場合にも非常に有効です。

さらに、いわゆる「ケロケロ」と例えられるエフェクトボーカル・サウンドを得るための「CLASSICモード」も用意されています。ヒット曲で聴くことのできるケロケロした歌を簡単に作ることができます。また、MIDIで打ち込んだノートにピッチを追従させることも可能。VIEWを「ADVANCED」モードに切り替えれば、より細かなパラメーター設定もできます。現代の音楽制作において、様々な作業の効率を劇的に高めてくれる必須ツールと言えます。

Pure Plate Reverb

シンプルな操作を実現したオリジナルのプレートリバーブ

Pure Plate Reverb

$149.00

リバーブの名機「EMT140」をシンプルにしたような、UADオリジナルのプレートリバーブ・プラグインです。よりシンプルな操作で、良質なプレートリバーブ・サウンドが得られます。

操作系は2段階のローカット(90Hz /180Hz)と、最大250msまで設定できるPRE DELAY、REVERB TIME、BASS/TREBLEのトーンコントロールと至ってシンプル。センドで使う場合はWET SOLOをONにし、インサートならOFFにして、MIXでリバーブの信号量を決めます。必要最低限のパラメーターでありながら、事故の起きない確実な値を用意してくれているので、初心者はもちろん、プロの現場でも使いやすい印象です。

ボーカルに使う場合は、低域が溜まらないようにローカットを180Hzまで上げて、PRE DELAYを「0」、REVERB TIMEを一番短い値にします。必要に応じてTREBLEを少し上げれば、ボーカルに潤いを与えるような自然な効果が得られます。そこからテンポや曲調に合わせて、適宜REVERB TIMEとPRE DELAYを調整しましょう。別のリバーブと組み合わせて使うのも有効です。

EMT140プラグインの廉価版のようなイメージを持つ読者もいるかもしれませんが、このPure Plate Reverbは、また別のリッチなサウンドを持った製品です。この技術で再度EMT140を作ってほしいと思うほど、素晴らしいサウンドが得られます。

Manley VOXBOX Channel Strip

Unison対応のマイクプリを持つ真空管式チャンネルストリップ

Manley VOXBOX Channel Strip

$299.00

これは「マイクプリ/EQ/オプトコンプ/ディエッサー/リミッター」を1台にまとめたチャンネルストリップ「マンレイVOXBOX」を再現したプラグインです。ローカットとポラリティ(極性)スイッチも付いた、ボーカル録音に最適な仕様です。

Unison(※プリアンプなどにおいて重要なインピーダンスやゲイン、アナログ回路のふるまいなどを忠実にエミュレートし、マイク/Hi-Zインプット回路を制御する技術)に対応したINPUTは、トーン調整に使うイメージで、5dBステップのGAINと組み合わせて使うのがポイントです。EQはパルテックタイプのミッドレンジとなっており、LOWがPEAKになっているものの、使い方はパルテックと同じでOKです。

ボーカル録音でこのプラグインを使う場合は、LOW PEAKで100Hzを上げて、モゴモゴしたらMID DIPで200Hzを下げます。その上で4〜8kHzあたりの好みの帯域をHI PEAKで上げれば、リッチなボーカルサウンドが出来上がります。このタイミングでINPUTを微調整すると、なおいいでしょう。

レシオは「3:1」に固定されていますが、これはボーカルはもちろん、ベースやアコギにも最適と言える使いやすい設定です。

THRESHOLDを調整し、プリセットされたATTACKとRELEASEを組み合わせて使います。ディエッサーは歯擦音を和らげる時に使用し、リミッターは最終段階のピークを抑える場合に使います。

また、XFMR INは最終段の出力トランスをエミュレートする機能で、トランスのカラーの有無を選択できます。比較的高域が明るくなる印象ながら、バランスがいいので、基本的にはオンにしておくことを推奨します。

Oxide Tape Recorder

テープレコーダーならではの粘りのある質感が加えられる

Oxide Tape Recorder

$149.00

このOxideは、UADオリジナルのテープシミュレーター・プラグインです。STUDER A800など、テープレコーダーのプラグイン化によって培った技術を用いており、よりシンプルな操作でテープの質感が得られます。実際、インサートするだけでもテープらしい粘りのある質感というか、いかにも「テープ媒体に録音しました」という質感になりました。

ボーカル録音においては、ほとんどの場合はとりあえずデフォルトの状態でインサートするだけでも、テープの雰囲気が出せます。テイクの出来にも多大な影響を与える要素になるでしょう。

左下のIPSというパラメーターはテープの回転速度を決めるものです。一般的なマルチトラック・レコーディングで使用される値は「15」で、わずかに低域が持ち上がりますが、比較的フラットです。「7.5」にすると回転速度が遅い分、よりカラーの強いサウンドになります。

その隣のEQの「CCIR」と「NAB」はプリセットの種類です。CCIRの方がやや明るい傾向ですが、これは感覚で使い分けるといいでしょう。NR(ノイズリダクション)は特別な理由がない限り「ON」にしておきます。右下のINPUTをオンにすると、テープサウンドなしの電気回路だけを通ったサウンドを、REPROをオンにするとテープに一度録音して再生した際のサウンドを再現します。なお、REPROで使用することがほとんどです。

中央のメーターを見ながらINPUTとOUTPUTを調整し、好みで各パラメーターを選択するだけで、リアルなテープサウンドが得られます。

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