真空管アンプをキャビネットなしで ライン録音できる!

ロードボックスの決定版「ボスWAZA Tube Amp Expander」徹底レビュー!

ロードボックスの決定版「ボスWAZA Tube Amp Expander」徹底レビュー!

2019/10/16



 

キャビネットをマイク録りしている時とほぼ同じ感覚で演奏できました

ボス
WAZA Tube Amp Expander

オープンプライス(¥140,000前後)
問:ローランド㈱お客様相談センター
TEL:050-3101-2555
https://www.roland.com/jp/
 

 WAZA Tube Amp Expanderは、ギターサウンドのことを知り尽くし、数多くのアンプやエフェクターの名器を発表してきたボスが、満を持して発表したロードボックスです。普段からキャビネットを鳴らしてマイク録音をしており、他社のロードボックスを試した経験も持っているギタリストのZENTAさんに、本機のサウンドや機能などをチェックしてもらいました。

取材:永桶喜則(編集部) 写真:小貝和夫
 

※本コンテンツは音楽雑誌「サウンド・デザイナー」(2019年10月号)より抜粋したものです。
詳しくは、サウンド・デザイナー公式サイトをご覧ください。

 


真空管アンプのパワーを
しっかりと受け止めてくれている


──本物のマイク録りの音を熟知しているZENTAさんから見て、WAZA Tube Amp Expander(以下WAZA TAE)を通したサウンドはいかがでしたか?

ZENTA
:すごく良かったですね。箱鳴り感もありますし、スピーカーの鳴りを本当にリアルに再現していると思います。ピッキングに対する反応も早かったですし、キャビネットをマイク録りしている時と、ほぼ同じ感覚で演奏できました。左右の手のニュアンスも、そのまま出してくれますし、ギターを弾いていて、まったくストレスを感じなかったです。

──ZENTAさんは今までに、ロードボックスを何台か試したそうですが、それらと比べてWAZA TAEはどうですか?

ZENTA
:WAZA TAEは、アナログ感がかなりナチュラルですね。特にデジタルのモデルだと、ギターをLRでダブルでダビングした時に音が滲んだり、高域にヘンなクセが出てしまうんですね。でも、WAZA TAEの音はLRがクッキリと立体的だったので、キャビネットを鳴らした時にかなり近いと思いました。音量を下げても音圧感が減ることがないですし、WAZA TAEが真空管アンプのパワーを、しっかりと受け止めてくれているんですよ。なので、本物のアンプが持つゴツっとした感じが出ていました。

──音作りのバリエーションという面ではいかがですか?

ZENTA
:専用エディターソフトでキャビネットやマイクを自由に選べるんですけど、それだけでもかなり音が変わるので、まずは好みのものを見つけて組み合わせればいいと思います。

──ちなみにZENTAさんがお気に入りのキャビネットとマイクは?

ZENTA
:色々試してみましたけど、キャビネットは「4×12' GREEN/V30」で、マイクは「DYN421」ですね。お値段が高いと思われるかもしれないですけど、WAZA TAEを手に入れれば、22台のキャビネットと、マイクを5本手に入るようなものですからね。これだけ揃っていれば、ロックやポップスからジャズまで、どんなジャンルにも対応できると思います。もし僕がキャビネットを鳴らせない環境にいたら、絶対に買います(笑)。あと、「RESONANCE-Z」と「PRESENCE-Z」というツマミを回すと、かなりキャラクターが変わりますね。

──これはどういうツマミなのですか?

ZENTA:ローとハイのインピーダンスを4種類ずつ選べるんです。基本的には、持っているアンプに合わせて選べばいいと思うんですけど、色々な音色が作れました。ちなみに、僕は両方とも「HI」にする組み合わせが好きですね。

扌リアクティブロード部は、RESONANCE-ZとPRESENCE-Zでインピーダンスを調整でき、下のツマミで音量を自由に変更できる

専用エディターソフトで選んだキャビネットやマイクと、内蔵のコンプ、ディレイ、リバーブ、EQを組み合わせた設定を、左下のRIGというツマミに10種類保存することができる
 

フルテンでしか出せないサウンドを
小音量で鳴らして練習できる


──他に面白いと思った点は?

ZENTA
:本体にコンプやリバーブといったエフェクターが内蔵されていて、それ込みのプリセットをRIGというツマミに10通り保存できるんですよ。僕はエフェクトを全部オフにしてゼロから音を作りましたけど、ビギナーの方はまずプリセットを試してみると、WAZA TAEの音の良さやエフェクターの質の高さがすぐに感じてもらえると思います。

──エディターソフトの使い勝手は?

ZENTA
:わかりやすかったですね。見た目もシンプルで、アンプシミュレーターを使ったことのあるギタリストだったらすぐに理解できると思います。マイクの距離や位置も変えられますし、あとルームマイクまで選べるのはすごいですね。

──ZENTAさんは、WAZA TAEの一番の魅力はどこにあると思いますか?

ZENTA
:真空管アンプって、ある程度の大音量を鳴らさないと、本来のサウンドが出せないんですよ。でも、WAZA TAEを使えば、アンプの質感は変えずに、音量だけを下げてモニタースピーカーを鳴らしたり、あるいはヘッドホンで聴くことができるという点は本当に魅力的ですね。だから、家で眠らせちゃっているアンプを、久々に鳴らしてみたいっていう人にも最適です。だって、フルテンでしか出せないサウンドを、小音量で鳴らして練習できるんですよ! 本当にすごいモデルが出ちゃいましたね(笑)。

──逆に、出力の小さいアンプの音量を大きくすることもできるそうです。

ZENTA
:つまり、フェンダーChampのような小型アンプを、大きいステージでも使えるということですよね。あと、オーディオインターフェイス機能も入っているので、本物のアンプヘッドを使ってライン録音をしてみたいというギタリストには、ぜひオススメしたいです。それと、他社のモデルと決定的に違うのが、非常に拡張性が高いという点ですね。

──それは具体的に言うと?

ZENTA
:エフェクトループ端子があるので、お気に入りのペダルがつなげたり、外部MIDI機器やフットスイッチをつなげられるので、ライブでも使いやすいんですよ。ステージ上にキャビネットを置かずに、WAZA TAEから直接PA卓に信号を送れば、ピュアなサウンドをPAスピーカーから鳴らせますし、そうすればステージ上のモニターバランスも取りやすくなりますよね。特にオーケストラとかの生楽器と一緒にライブをやる時は、キャビネットをステージで鳴らせないことも多くて、そういう場合にもWAZA TAEは重宝すると思います。

──最近のトレンドであるIRファイルの読み込みにも対応しているそうです。

ZENTA
:まさに至れり尽くせりですよね。多機能なのも魅力だと思うんですけど、あまりに音がいいので、つい楽しくなっちゃって、実は途中から試奏のことを忘れてずっと弾いていたんですよ(笑)。近隣のことを気にせずに、いい音でギターを弾いたり録ったりしたいという人は、ぜひWAZA TAEのサウンドを体験してほしいですね。これのお陰で真空管アンプが売れちゃうんじゃないですか(笑)。

/

専用エディターソフトで22種類のキャビネット、5種類のマイク、3種類のルームマイクを選ぶことができる。また、マイクの距離とポジションを調整することも可能だ
 

 

ZENTA氏のプライベートスタジオには、あらゆるギターアンプが揃っている。今回の試奏では、アンプはマーシャルJCM800とJMP50、それとオーダーで造ってもらったアルビット・コーポレーションのモデルを使用。アンプのスピーカーアウトからWAZA TAEにつないだ後は、ヴィンテック・オーディオmodel 473(マイクプリ)からRME Fireface 802(オーディオインターフェイス)に信号を送り、スタインバーグCUBASEに録音した。普段、ZENTA氏はキャビネットを大音量で鳴らしてマイク録りをしており、その音や質感をWAZA TAEと比較した
 

製品概要

「WAZA Tube Amp Expander」は、同社独自の設計概念「Tube Logic」により、真空管アンプのトーンを損なうことなく、キャビネットを鳴らさずにギターをライン録音できるロードボックスだ。コンプ、ディレイ、リバーブ、EQという4種類のエフェクトを内蔵。また、フットスイッチ端子やセンド/リターン端子を備えているなど、レコーディングだけでなく、ライブで使うのにも便利な機能を備えている。また、専用エディターソフトで作った設定を、本体のRIGツマミに10通り保存することが可能だ。
 

スペック

●許容入力(from TUBE AMP):150W
●定格出力(TO SPEAKER):100W(8Ω)
●:入出力端子:フロム・チューブ・アンプ(標準フォーン)、アウトプット(L/R/XLR)、アウトプット(モノラル/XLR)、ヘッドホン(ステレオ標準フォーン)、センド、リターン、エフェクトループ、アンプコントロール(以上、標準フォーン)、GA-FC(TRS標準フォーン)、USB(Bタイプ)、MIDIイン/アウト
●電源:AC100V(50/60Hz)
●外形寸法:380(W)×296(D)×110(H)mm  
●重量:6.8kg
 

試奏者プロフィール


 

ZENTA (ゼンタ)
小学6年生からギターを弾き始め、中学時代からは作曲も開始。中学卒業後は音楽学校MI JAPANに入学。MI卒業後には作曲活動を開始し、様々なジャンルで活躍する数多くのアーティストに楽曲を提供する。他にも「龍が如く」や「CR真・花の慶次」などのゲーム音楽やTV音楽、CM楽曲などを幅広く手掛けている。

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