32ビットとUSB3.0に対応した注目オーディオインターフェイス

KEYTALKの首藤義勝がスタインバーグUR44Cのサウンドをレビュー!

KEYTALKの首藤義勝がスタインバーグUR44Cのサウンドをレビュー!

2020/01/14



 

低価格帯の製品でありながら、最高32ビット/192kHzでの録音と再生が可能で、USB3.0に対応していることで話題を呼んでいるオーディオインターフェイス「スタインバーグUR-Cシリーズ」。普段からCUBASEで楽曲制作をしているKEYTALKの首藤義勝(vo, b)さんに、UR44Cを試してもらいました。

取材:永桶喜則(編集部) 写真:小貝和夫

※本コンテンツは音楽雑誌「サウンド・デザイナー」(2020年1月号)より抜粋したものです。
詳しくは、サウンド・デザイナー公式サイトをご覧ください。

 


フロントとリアには、各種インプット端子とアウトプット端子が用意されており、複数のマイクでアコギデュオを録ったりするのに十分な数が備わっている

 

UR44Cのサウンドは、レコーディングで使う外のスタジオと比べても遜色のないレベルだと思う

スタインバーグ
UR44C

オープンプライス(¥30,000前後)
問:㈱ヤマハミュージックジャパン スタインバーグ・コンピューターミュージック・インフォメーションセンター
https://jp.yamaha.com/support/contacts/av_pa/steinberg_notes/
 


下が失われることもないし、
すべての帯域が万遍なく出ている


──今回はUR44Cを試してもらいましたが、どういう風にチェックしましたか?
首藤
:ステージでメインで使っているベースからエフェクトボードを通して、UR44Cのインプット1につなげて、CUBASEに32ビット/192kHzで録音してサウンドをチェックしました。モニタリングは、いつも愛用しているヘッドホンを使いました。

──首藤さんは、これまでに32ビットで制作をしたことはあるのですか?
首藤
:実は最近、オーディオインターフェイスを買い換えたばかりなんですけど、それは最高で24ビットなので、32ビットは今回が初めてです。

──サウンドはいかがでしたか?
首藤
:“とにかく音がいい!”というのが第一印象ですね。ベースのロー成分が豊かに録れていましたし、犠牲になっている周波数帯域がなかったですね。原音に忠実で、出している音をそのまま拾ってくれているという印象が強かったです。

──どこかの帯域が持ち上がったり、引っ込んだりしていないと?
首藤
:そうですね。僕は制作をするうえで、サウンドにクセがないということを一番重視していて、UR44Cは音に色付けがないので、そういう意味でも使いやすいですね。下が失われることもないし、逆に誇張されている感じもなくて、すべての帯域が万遍なく出ていると思います。アタック感も明瞭に出ていたし、特に弦楽器のプレイヤーには合っているんじゃないですかね。本当に自分が出したい音を出してくれるというか。

──自分が“出したい音”というのは、具体的にはどんな音なのでしょうか?
首藤
:ギターやベースを持ちながら作曲する時に、聴こえてくる音でテンションが左右されることがあって、音がいい方がアイディアがひらめくことも多いんです。そういう意味でも、音質がいいっていうことは、自分にとって重要なんです。

──いい音で録るという以前に、いい音でないと、いい発想も生まれないと?
首藤
:そうですね。いい音にアイディアがかき立てられるというか。なので、32ビットに対応しているUR44Cのサウンドは、楽曲作りをしている人にとって絶対に有利に働くと思いますね。僕らがレコーディングする外のスタジオと比べても、遜色のないレベルだと思いました。

──実際に弾いていて、ピッキングに対するレスポンスはいかがでしたか?
首藤
:すごく反応が速いと感じましたし、レイテンシーもまったく気にならなかったです。そのへんはチップとドライバの恩恵なのかもしれないですけど、弾いていてストレスを感じませんでした。

──D-PREというマイクプリの質感はいかがでした?
首藤
:自分が使っているオーディオインターフェイスと比べて、すごくふくよかな音で録れるという印象ですね。

──ヘッドホンでモニタリングしていて、音の広がり感や奥行き感はどうでした?
首藤
:十分に広がりを感じましたし、奥行きも深かったですね。音が平坦になったり、潰れるようなこともなかったです。なので、宅録でトラックを何本も重ねるような時に、個々の楽器の音を判断したり調整するのにも向いていると思います。

──録った後に、プラグインエフェクトのかかり具合いも試したらしいですね。
首藤
:普通にCUBASE付属のコンプと、普段使っているサードパーティのアンプシミュレーターをかけてみたんですけど、録り音がいいからなのか、エフェクトの乗りも良かったですね。ミックスでの音作りもやりやすそうです。


 

UR44Cさえ持っていれば、
宅録でも本チャンまでいけると思う


──内蔵のDSPで動作するエフェクトが使えるのもUR44Cの特徴です。
首藤
:すごく質の高いエフェクトが無料で手に入るというのはお得ですよね。例えば、REV-Xというリバーブはアルゴリズムが豊富ですし、音の減衰の様子が画面のグラフを見てわかるので、ビギナーの方でも使いやすいと思います。

──UR44Cは、どういう音楽を作っている人に向いていると思いますか?
首藤
:ジャンルは問わないですけど、特にロックやポップスで、生のギターやベースを録音する人にはピッタリだと思います。普段、自分が使っているギターやベースのシステムの音を、いつも聴いている音質のままでDAWソフトに取り込めるというのがUR44Cの最大の魅力ですね。UR44Cさえ持っていれば、宅録でも本チャンレベルまでいけると思います。

──他にどんな使い方がありますか?
首藤
:バンドのメンバーがUR44Cや、姉妹機種のUR22Cを持っていれば、曲を書く書かないに関わらず、データを共有して同じ32ビットでギターをダビングをしたり、アレンジを積み重ねていったりできますよね。バンドの楽曲制作で使うのにも向いていると思いました。

──では、UR44Cをどんな人にオススメしたいですか?
首藤
:初心者はもちろんですけど、中級者や上級者の方にも満足してもらえると思います。僕らみたいなプロが持ち運び用に使ってもいいですし。UR44Cから宅録を始める人がうらやましいです(笑)。ああ、僕もこっちにしておけば良かった!

 

フロントにある4つのインプットには、ヤマハが開発したD-PREを搭載。クセのない音で録音できる

リアにUSB3.0端子を装備。アダプターでの電源供給以外に、市販のUSB 3.1 Type-C to Type-Cケーブルを用意するとバスパワーでの駆動もできる
 

フロントの右側にヘッドホン端子を2系統搭載。2人で作業をする際などに、それぞれが好みの音量でモニタリングをすることができる

無料ダウンロードできる専用エフェクトを、内蔵DSPによりレイテンシーフリーで使うことができる。上画像のREV-X(リバーブ)以外に、Sweet Spot Morphing Channel Strip(チャンネルストリップ)、Guitar Amp Classics(アンプシミュレーター)を使用可能。dspMixFx UR-Cというミキサーアプリも用意されており、自由にモニターミックスが作れる
 

左が今回試聴したUR44Cで、右は2イン/2アウトタイプの姉妹機種UR22C(¥16,000前後)

その他にUR-Cシリーズには、下の16イン/16アウト仕様のUR816C(¥56,000前後)もラインナップされている
 

スペック

●接続方式:USB(Cタイプ)
●対応OS:Windows 7、8.1、10/macOS Sierra、High Sierra、Mojave
●音質:最高32ビット/192kHz
●同時アナログ入出力数:6イン/4アウト
●入出力端子:インプット(XLR/TRSコンボ×4、TRS×2)、アウトプット(TRSフォーン)×4、ヘッドホン(標準ステレオ)×2、MIDIイン/アウト、USB 3.0 ●電源:ACアダプター(付属/市販のUSB 3.1 Type-C to Type-Cケーブルを使うとバスパワー駆動可能)
●外形寸法:252(W)×47(H)×159(D)mm
●重量:1.5kg
●付属DAWソフト:Cubase AI、Cubasis LE(iPadアプリ)
 

試奏者プロフィール

最新アルバム
「DON'T STOP 
THE MUSIC」
ユニバーサルミュージック 発売中

首藤義勝(シュトウ ヨシカツ)
2009年に小野武正(g)、寺中友将(vo, g)、八木優樹(ds)とKEYTALKを結成。2013年にシングル「コースター」でデビューを飾る。同年には初の武道館公演を成功させるなど、急速に支持を広めた。専門学校でエンジニアリングを学ぶなど、生粋のDTMerである。
 

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