真空管内蔵モデル試聴レポート

【エンジニア飛澤正人氏がレビュー】ゴールデン・エイジ・プロジェクトCOMP-2A

【エンジニア飛澤正人氏がレビュー】ゴールデン・エイジ・プロジェクトCOMP-2A

2017/06/30


名器「LA-2A」を扱いやすく進化させた低価格モデル

コンプ
ゴールデン・エイジ・プロジェクト
COMP-2A

¥73,000
問:㈱アンブレラカンパニー
TEL:042-519-6855
http://umbrella-company.jp/

ゴールデン・エイジ・プロジェクトCOMP-2A

 

これはテレトロニクスLA-2Aを再現したモデルで、見た目もビンテージな感じですね。コンプのかかり具合は、オリジナルに近い感触もありました。素材のいいところをグッと持ち上げてくれて、深くかけていくと倍音の歪みがいい感じで加わっていって、音がきらびやかな印象になります。単純にビンテージサウンドを追求するのではなくて、そういったモダンな質感も加えられるのはいいですね。
オリジナルはリリースが遅くて、狙った音にならないことがあるんですけど、本機はリリースが早めで、しかも効きが自然なので非常に使いやすかったです。あと、HFコントロールという機能も便利ですね。例えばベースに深くコンプをかけると、低域成分にキツくかかって音が引っ込んでしまうことがあるんですけど、HFコントロールを使えば低域をしっかりと前に出しつつ、高域だけコンプで潰すことができるんです。本機は特にベースとボーカルに最適ですが、ギターにも使えます。これ、欲しいです!

【製品概要】
「COMP-2A」は、真空管コンプの名機であるテレトロニクスLA-2Aを再現したモデルだ。入力信号に応じてアタックタイムとリリースタイムが自動で設定されたり、オリジナルでは背面に装備されていた様々なコントロールが前面に配置されるなど、たんなるビンテージ機器の再現に留まらず、利便性も追求している。

【SPEC】
●入出力端子:インプット(XLR)、アウトプット(XLR)、リンク(標準フォーン) ●コントロール:ゲイン、ピークリダクション、ステレオリンク、LIMIT/COMPRESSスイッチ、バイパス、HFコントロール、メーター、オン/オフ ●真空管:12AX7、6N6 ●電源:内蔵 ●外形寸法:215(W)×88(H)×250(D)mm ●重量:3.3kg
 


飛澤正人

 

【試奏環境】
今回はDAWソフトにアビッドPro Tools、オーディオインターフェイスにデジグリッドのIOSとIOXを使ってチェックを行なった。マイクの試奏では、クセの少ないアバロン・デザインAD2022(マイクプリ)を通してPro Toolsに録音。コンプの試奏ではPro Toolsのセッションファイルを開き、すでに録音済みのドラムやベースなどのソースにかけて試聴を行なった。DIは、パッシブのシングルPUとハムバッキングPUのエレキギター、パッシブタイプのエレキベースを接続して音質を確認している。ちなみに、モニタースピーカーはB&Wの805シリーズで、ヘッドホンはシュ アSRH1540を使用した。

【プロフィール】
飛澤正人(トビサワ マサヒト) Dragon Ashなどの作品を手掛けている敏腕エンジニア。空間表現や奥行きの作り方に定評があり、時間軸に音を刻み込むようなミックスはアーティストから厚い信頼を得ている。近年は作・編曲家としても活動を展開し、藤本 健氏とのコラボ企画『DTMステーションEngineering』もスタートしている。


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