真空管内蔵モデル試聴レポート
【エンジニア飛澤正人氏がレビュー】ラジアルFirefly
【エンジニア飛澤正人氏がレビュー】ラジアルFirefly
2017/06/30
楽器の特性を最大限に引き出してくれる個性派DI
DI
ラジアル
Firefly
¥108,000
問:㈱エレクトリ
●TEL:03-3530-6181
●http://www.electori.co.jp
見た目が他のDIと一線を画していますね。取っ手が付いているのが斬新ですけど、僕の予想では真空管の熱を逃がすために天板に穴が開いているので、そこをふさがない役割もあるのかなと思います。
音質も他のDIと違いますね。多くのDIは音がパキパキした感じで、確かにクリーンには録れるんですけど、音質が冷たい感じがするんです。でも、本機は真空管ならではの暖かみとふくよかさがあって、アタックも自然なので楽器がオケによくなじみますね。たんにインピーダンスを合わせるだけでなくて、楽器の特性を最大限に引き出してくれるというイメージです。
それと、入力が2つあって、それぞれレベルを調整できるので、例えばパッシブとアクティブのベースをつないで、求めるサウンドによってスイッチで入力を切り替えることもできます。オーディオインターフェイスの音質に不満を持っている人は、本機を使ったらあまりに音が良くなるのでビックリしますよ!
【製品概要】
「Firefly」は、アクティブ/パッシブ/ピエゾなど様々なピックアップに対応する真空管DIだ。オーディオインターフェイスの前に本機を通すことで、真空管ならではの自然な暖かみや倍音を加えることができる。また、別売りのフットスイッチを使用して、A/B入力の切り替えやミュートのオン/オフの設定も可能だ。
【SPEC】
●入出力端子:インプット×2(A/B)、インサート、AUXアウト、チューナーアウト、リモートアウト(以上標準フォーン)、アウトプット(XLR) ●コントロール:トリム×2(A/B)、ローカット、レベル、ドラッグスイッチ、ABセレクトスイッチ、フェイズ/グランド/AUX切り替えスイッチ ●電源:+/−16V (1600mA) 5-pin XLR パワーサプライ付属 ●外形寸法:146(W)×210(D)×45(H)mm ●重量:1.8kg
【試奏環境】
今回はDAWソフトにアビッドPro Tools、オーディオインターフェイスにデジグリッドのIOSとIOXを使ってチェックを行なった。マイクの試奏では、クセの少ないアバロン・デザインAD2022(マイクプリ)を通してPro Toolsに録音。コンプの試奏ではPro Toolsのセッションファイルを開き、すでに録音済みのドラムやベースなどのソースにかけて試聴を行なった。DIは、パッシブのシングルPUとハムバッキングPUのエレキギター、パッシブタイプのエレキベースを接続して音質を確認している。ちなみに、モニタースピーカーはB&Wの805シリーズで、ヘッドホンはシュ アSRH1540を使用した。
【プロフィール】
飛澤正人(トビサワ マサヒト) Dragon Ashなどの作品を手掛けている敏腕エンジニア。空間表現や奥行きの作り方に定評があり、時間軸に音を刻み込むようなミックスはアーティストから厚い信頼を得ている。近年は作・編曲家としても活動を展開し、藤本 健氏とのコラボ企画『DTMステーションEngineering』もスタートしている。
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