真空管内蔵モデル試聴レポート
【プロエンジニアがレビュー】コニシス5602
【プロエンジニアがレビュー】コニシス5602
2017/06/30
新型真空管「Nutube」を採用したapi 500モジュール
ラインプロセッサー
コニシス
5602
オープンプライス(¥98,000)
問:㈱コニシス研究所
●TEL:03-5735-0750
●http://www.conisis.com/
新型真空管「Nutube」を採用した本機を、まずボーカルで試してみました。本機を通しただけで歌の超高域がアップするだけでなく、倍音も増えるので、オケ中でキラキラ感が増す印象ですね。ギターのライン録りでは、サウンド自体は歌と同様の印象なのですが、チューブドライブを上げていくとサチュレーション感が増して、前面に張り付くような真空管ならではの倍音が得られました。例えば、アルペジオの輪郭を太くするのに適していると思います。
次に録音済みのキックのトラックを選んで本機に通すと、今回チェックした中で最も劇的な音質変化を見せてくれました。トーンのハイとローを共にブースト方向に回すと、低音のヌケの良さとアタック感を併せ持った、非常に迫力のあるサウンドに変化して、オケの中でもグッと主役感が増します。
新型真空管の音は従来の真空管とまったく遜色がないですし、本機はプラグインでは得られない質感を確実に得られる、魅力的な製品だと思います。
【製品概要】
「5602」は、新型真空管「Nutube」を搭載したapi 500モジュール用のラインプロセッサーだ。デジタル機器の入出力端子に本機を接続して使用することで、真空管が持つウォームでアナログライクな質感をサウンドに付加することができる。また、内部回路にはビンテージの部品が豊富に使われているのもポイントだ。
【SPEC】
●コントロール:トーンハイ、トーンロー、アウトプットレベル、チューブドライブ、VUメーター ●真空管:Nutube ●電源:API 500シリーズ互換の別売電源ラックから供給
【試奏者プロフィール】
大西 航(オオニシ ワタル)東放学園音響専門学校を卒業後に、Pro Tools 24MIXを使ってレコーディングを開始し、その後バズーカスタジオに入社。SOPHIAの黒柳能生とBRAHMANのRONZIのバンド「Mark-Muffin」や、ギルガメッシュなどの作品を手掛けている。
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