リアルな音で録れるシミュレーター&DIに注目
ギター用ライン録音機材4選【レビュー】
ギター用ライン録音機材4選【レビュー】
2018/11/09
HOTONE BINARY IR CAB
小型ボディで高級機並みの音質を実現した驚異のキャビネットシミュレーター
「BINARY IR CAB」は、独自の「CDCMテクノロジー」を継承しているペダルタイプのキャビネットシミュレーターだ。100種類のIRキャビネットモデルと10種のマイクモデルを搭載。サードパーティのIRファイルを読み込むこともでき、IRのクオリティは16ビット/44.1kHz〜24ビット/48kHz、1024サンプル、20msという、高級マルチエフェクターに迫るスペックを誇っている。
BINARY IR CABは、何と言ってもコンパクトなのが魅力です。このサイズで本格的なキャビネットシミュレーターが持ち運べるというのは大きなメリットです。多くの機材を運べない状況でのライブやレコーディングでも、本機があればミニマムなシステムを構築できます。
今回は、実際にギターアンプのスピーカーを鳴らしてマイクで収録した音と、いつも筆者が使っているプリアンプのアウトを本機につないで録った音、そしてプラグインのアンプシミュレーターの音を比較してみました。まず、本機のクオリティの高さに驚きました。注目はキャビネットだけでなく、パワーアンプやマイクも選べる点です。とにかく手間をかけずに、キャビネットをマイクで拾ったそのままの音で録音できます。
アンプをマイク録りした音に近づけようとする際に、アンプシミュレーターの場合は、「近いけど、もう少し音を変えたい」という時に調整ができないもどかしさがあります。しかし、本機はマイクの位置などが細かく調整できるので、マイク録りの音に近づけるのが容易でした。
操作も至ってシンプルで、100種類のIRキャビネットシミュレーションを直感的に選んで、あとはツマミで微調整をすればOK。また、エディターソフトからサードパーティのIRファイルを読み込むことができ、そのスペックが「1024サンプル、20ms」と、ハイエンド・モデル並みに高いのも本機の特徴です。
あらかじめ100種類のIRキャビネットモデルが搭載されているので、すぐにプロがマイク録音したような、リアルなサウンドを手に入れられる。ディスプレイにキャビネットのタイプや、スピーカーの口径と個数が表示されるのもわかりやすい
4発入りのスピーカーで轟音ディストーションを鳴らしたり、繊細なクリーントーンを環境ノイズなしで録音するといった、宅録環境ではなかなか実現できない音も、本機ならば手軽にラインで録れます。応用的な使い方ですが、スピーカーの出音をマイクを2本使ってステレオで録って、本機の音をモノラルでセンターに定位させて一緒に鳴らしてみると、迫力と広がりのあるトラックが作れました。
本機をUSBでパソコンに接続すると、専用エディターソフトでプリセット管理や、マイクポジションなどの詳細な設定が行なえる。また、エディターソフトを使ってサードパーティ製のIRファイルを本体に読み込むことも可能だ
この優れた機能を持つモデルの価格が2万円を切っているとは、すご過ぎです!
試奏:篤志(THE 野党)
【SPEC】●AD/DA:24ビット ●サンプリングレート:48kHz(Binary IR Cab/ 44.1kHz) ●周波数特性:20Hz〜20kHz ●搭載キャビネット:100種類 ●搭載マイク:10種類 ●入出力端子:インプット、AUXイン、アウトプット(以上、標準フォーン)、ヘッドホン(標準ステレオフォーン)、USB ●電源:DCアダプター ●外形寸法:121(W)×72(D)×47(H)mm ●重量:340g
オープンプライス(¥18,000前後)
問:オールアクセスインターナショナル㈱
製品ページ(公式サイト)
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