リアルな音で録れるシミュレーター&DIに注目
ギター用ライン録音機材4選【レビュー】
ギター用ライン録音機材4選【レビュー】
2018/11/09
NUX Solid Studio
著名なアンプの音を精巧に再現したIR対応パワーアンプシミュレーター
「Solid Studio」は、数々の有名アンプのサウンドを、キャビネットやパワーアンプの特性、マイクやその立て方に至るまで詳細にシミュレートして収録した、ペダルサイズのIR対応パワーアンプシミュレーターだ。IRファイルの読み込みにも対応しており、専用のソフトウェアを使用することで、世界中のあらゆるキャビネットサウンドを本機で扱うことができる。32ビット/88.2kHzという高音質も魅力だ。
ギター用のペダルからデジタルドラムまで、幅広い製品をリリースしているNUXから、パワーアンプ/キャビネット/マイクシミュレーターの機能がひとつになったペダル型のアイテム「Solid Studio」が登場しました。
まずは、キャビネットシミュレーター部をチェックしてみました。代表的かつツボを押さえた8モデルが内蔵されており、IRファイルを使っているだけあって、どれも特徴をよく再現しています。クリーン系ではBS410とTR212、歪み系だと1960とGB412、V412あたりのサウンドが特に秀逸でした。
フェンダーやVOXなど、8種類の高品質なキャビネットモデルを搭載。内部処理も32ビット/88.2kHzと高音質で、IRの品質も2048サンプル/46msと非常に高い
マイクシミュレーター機能は、こちらも8モデルを収録しています。定番のシュアSM57(ダイナミックマイク)や、ロイヤーR-121(リボンマイク)といった安心感のあるマイクはもちろん選択可能。意外なところではAKG C3000(コンデンサー)のサウンドがレンジが広くてとても使いやすく、うれしい発見でした。マイクポジションも3つから選択できるので、音作りの幅がさらに広がります。
次に、パワーアンプシミュレーターの機能を見てみると、一般的なドライブやプレゼンスといったパラメーターに加えて、パワー管を3種類から選択できるようになっています。真空管のセレクトは、歪ませた時に音の違いが顕著になってくるので、積極的にサウンドメイクに取り入れていくのがオススメです。
本機はIRファイルの読み込み/書き出しに対応しており、例えば右の図のように接続をすれば、キャビネットのIRファイルを作成することが可能だ
また本機は、0.7msと、非常に低いレイテンシーを実現しているのも特筆すべき点です。実際にはオーディオインターフェイスなど、他のデジタル機器を通過する際にさらに数msのレイテンシーが加算されることを考えると、この低レイテンシーは演奏の質を左右する大きなアドバンテージとなります。
発表されたばかりの新しい製品だけあって、Solid Studioは巷のハード/ソフトシミュレーターのトレンドや最新機能さを取り入れつつも、アナログライクでシンプルな操作性と、多彩なサウンドを実現しています。デジタル系の機器に対して苦手意識のあるギタリストにも、心強いパートナーになってくれるでしょう。
試奏:岩谷啓士郎(ギタリスト、エンジニア/WAVE RIDER)
●コントロール:キャビネット、マイク(共に8モデル)、パワー管スイッチ、マイキングスイッチ(共に3種類)ドライブ、プレゼンス、マスターボリューム ●音質:32ビット/88.2kHz ●周波数特性:20Hz〜20kHz ●入出力端子:アウトプット(ヘッドホンと兼用)、インプット、スルーアウト(以上標準フォーン)、DIアウト(XLR)、マイクロUSB ●電源:DV9Vアダプター ●外形寸法:115(W)×105(D)×58(H)mm ●重量:428g
¥23,000
問:チェルブジャパン
TEL:052-325-6050
製品ページ(公式サイト)
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